【栗東トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・新潟2歳S
・ダローネガ
デビュー前は時計になった調教本数は6本でもじっくり時間を掛けて出した時計だっただけに、その中身は濃く、最終追い切りでは古馬を追走して先着したように、追うごとに良化していることを動きで示すような内容だった。
その結果、レースでは並ばれて抜かれても差し返す根性を見せて勝利。その後は予定通りすぐに放牧に出された。帰厩してからは「さすがに放牧明け」と担当する北岑厩務員が話すように新馬戦時の状態には程遠い状態だったが、調教を積むごとに馬が良化したのはさすがセンスある競走馬といった感じ。1週前追い切りの時点で坂路4F52.4〜1F12.4秒ときっちり速い時計を出し、最終追い切りも坂路4F54.8〜1F12.3秒と時計を出しており、ほぼ力を出せる状態にまで仕上がっている。
・ジャスタウェイ
馬場が悪かったとはいえ、デビュー戦の最終追い切りが坂路4F57.0-1F14.4秒で併せ馬は遅れ。1週前追い切りでも併せ馬で遅れていたが、実戦に行くと2着馬に0.8秒差をつける完勝。
それに比べると「追い切りで動けるようになっている」と須貝尚介調教師が話すように、2週前、1週前追い切りで坂路4F52秒台を連発。そして最終追い切りでは攻め駆けするマコトリヴァーサルに先行したとはいえ、馬なりの手応えで先着して坂路4F53.4-1F12.5秒。追い切りで動かなかったイメージが完全に払拭されている。キャリア1戦だけに、この変化の良し悪しは判断が難しいが、素軽さが出てきたと考えるのが妥当だろう。
・ニンジャ
デビュー前から追い切りでの動きが目立っていた馬で、前走時の最終追い切りは坂路4F52.2-1F12.8秒。併せた新馬を追走して1秒以上突き放して先着した走りは、実戦にも直結したからこそ、2着に0.6秒差もつけて快勝できたのだろう。
そこから中9週の間隔を空けての出走となるが、中間はグリーンF甲南に放牧に出てじっくり調整。栗東へ帰厩したのは8月17日だったため、調教で時計を出した本数は少ない。それでも最終追い切りは坂路でグッドワン(3歳未勝利)を追走し、軽く仕掛けただけで2馬身ほど先着。4F53.2-1F12.8秒とまずまずの時計を出した。この動きから決して仕上がりが悪いとは思えないが、全体的な調教量を考慮すれば、新馬戦同様のパフォーマンスを期待するのもどうだろうか。
◆日曜小倉11R・小倉2歳S
・マコトリヴァーサル
前走後はノーザンFしがらきに短期放牧へ出され、栗東へ帰厩したのは8月17日。その翌週の追い切りでは坂路で武豊騎手が跨り、ジャスタウェイを追走して楽に先着する内容で4F51.8-1F12.6秒と抜群の動きを見せた。
そして今週も坂路で同じ相手を追走する形で併せ馬となったが、今回は逆に手応えのいい相手を抜くことないまま遅れてゴール。体重の軽い見習い騎手が跨った割には動きが見劣ったことをどう判断するかは難しい。ただレースで手綱を取る武豊騎手が跨った追い切りで動いたという点から、乗り手で走る走らないが分かれるのではないだろうか。過大評価はできないが、割り引いて考える必要もないだろう。
・ヴェアデイロス
前走はレース前にジョッキーを振り落すほどのやんちゃぶりを見せたが、実戦ではセンスある走りを見せて先行押し切り。416キロと牡馬にしてはかなり小ぶりなタイプだが、将来性を感じさせるレースとなった。
馬体重を考えると、再度の小倉輸送は決してプラスではないものの、飼葉をしっかり食べており、調教量も標準。馬体減りを心配することない状態なのはなにより。最終追い切りは坂路でウインベルカントに先行する形となったが、最初の差を維持したまま先着してゴール。4F55.4-1F12.6秒と時計は速くないが、しっかりした動きに佐々木晶三調教師も満足。あとは当日になって落ち着いてゲートインできるかという点も見どころになりそうだ。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜新潟11R・新潟2歳S
・アドマイヤリリーフ
8月13日のデビュー戦は、直前の調教で遅れぎみ。タイムも平凡なものだったことと、不利な8枠16番もあって10番人気での出走。道中折り合いがついていたものの、手応えは今イチ。それでも直線に入ってから一気に末脚を伸ばし、上がり3F33.6秒の爆発力でゴボウ抜き。いかにも実戦駆けタイプで、見た目以上に力を秘めており、叩いてさらに変わり身を見せる可能性大。現に31日の追い切り内容は前回時と一変しており、古馬500万ショウナンガーデンを5Fで1馬身追走からキッチリ捉えて5F66.6-3F38.4秒の好タイムをマーク。1Fモタついた初戦に比べ、切れ味UPは確実。スローの流れ必至。ラスト600からの瞬発力比べならヒケを取ることなし。人気薄で気楽に乗れば再度の直線一気は十分にある。
・クリッピングエリア
7月30日のデビュー勝ち後は、いったん放牧へ。8月中旬美浦に戻ってから21日、24日、28日と計3本坂路での追い切りを消化し、最終追いの31日はポリトラックに入り古馬500万のハイレイヤーと併せ馬。5Fから両馬併走の形を取り、直線に入っても馬体を併せたままゴールイン。5F68.9-3F38.5秒の時計は平凡だが、ラスト1F重心が沈んだ走法で12.4秒はスピード感十分の内容。叩いた効果で素軽さ増しており、体調面はさらに上向いていること確か。この血統は新潟コースと相性がよく、実戦に行くと勝負強さを発揮する。510キロを超す大柄な牝馬。器的には姉たち以上のものがあり、将来性も豊かで、ここをステップに来春の活躍を期待できるほど。ここは力の違いを見せつけるはずだ。
◆日曜新潟9R・出雲崎特別
・ラロメリア
デビュー戦はスタートで出遅れての2着。2戦目はゲートも悪かったうえ、道悪で脚を取られて4着。3戦目はスタートこそ悪くなかったが、内枠で仕掛けが遅れ脚を余しての2着。不利が続いてなかなか勝ち切れなかったが、前走は新潟の外回り向きの瞬発力でアッサリ抜け出して快勝。中間ひと息入れたが、入念に乗り込み、直前の調教で同格フィンデルムンドを5Fから3馬身追走して66.9-上がり38.6秒の時計で楽々併入。小柄でもバネを利かせた走法で能力の高さを感じさせる。
◆日曜新潟10R・稲妻特別
・キングオブザベスト
この中間はビッシリ追っていないが、速めの時計を何度もマーク。今週も素軽さ満点で久々を全く感じない動き。気のいいスピードタイプで、いきなり力を出せそうだ。新潟の千直は6戦しているが、1度4着になったのが最低の成績。あとは全て馬券に絡んでおり、抜群の実績。ここは狙いを済ました一戦で、間違いなく好勝負できる。
・レイクエルフ
夏の暑さと長距離輸送の反動が気になる時期。ひと息入れてリフレッシュ、気配の良さが目立っているのがこの馬。今週はポリトラックで67.9-38.4秒、単走でも気を抜かず最後まで鋭い脚さばきで、ラスト1ハロンを12.4秒。張ち切れんばかりの体つきで毛づやもピカピカ、絶好調をアピールしてきた。別定戦のオープン特別に格上挑戦した前々走、8着とはいえコンマ7秒差。千直だけで11戦、キャリアの強みと状態の良さを活かしてくる。
◆日曜新潟12R・3歳上500万下
・シルクエンデバー
ここは6月以来の実戦となるが、乗り込みは急ピッチ。1週間前はいくらか重く映ったが、直前は単走で71.2-55.8-41.4秒(ゴール前強めに)。全体の時計は平凡だったが、もともとが稽古はまったく動かないタイプ。このひと追いで態勢は整ったとみていい。2着が多いように、詰めの甘さに課題を残す馬だが、今回は3キロ減起用でそんな面も解消されるはず。もう500万卒業は時間の問題。器用さに欠ける直線勝負型だが、新潟コースなら十分に届く。
◆土曜新潟11R・BSN賞
・ファイナルスコアー
前走のNST賞は、少しテンションが高くスタートで出遅れ。さらに4角で大外へ振り回わして終い失速。道中リズムよく走れれば…と感じさせた内容。この中間はテンションが高くなり過ぎないように終いを重視した調教法に変えた。そして直前の追い切りも4F53.5-上がり38.2秒と終い重視。そのぶんゴール前の反応も素晴らしく、ここ一連の調教とは大きな違いを見せた。スタートの上手い江田照騎手で好位につけられれば上位も可能。
◆土曜新潟10R・弥彦特別
・ストーンヘンジ
前走後も緩めることはなく、入念な乗り込みを消化。今週はウッドチップで69.7-39.5秒、3馬身先行させた格下馬を余力十分に捕まえると、逆に2馬身差をつけてゴールイン。体が絞れてきたことで追っての反応がよくなり、一戦ごとの変わり身が目立っている。新潟の外回りコースなら脚を余す心配はなし、3連勝で秋のクラシック戦線に乗り込む。
・インザブラック
調教は蛯名騎手が跨って、秋の大レースを目指すホエールキャプチャとの併せ馬。さすがに2馬身ほど遅れたが、手応えに余裕があったし、スピード感ある動きで好タイムをマーク。中間入念に乗り込んで動きに重さがないし、気合い乗りの良好。力は出せる状態と思える。小回りコースではハナにこだわるが、モマれる心配のない新潟外回りなら、スピード能力をフルに発揮できるはず。
◆土曜新潟9R・瓢湖特別
・フレンドサンポウ
久々の実践となった前走は、速い流れを追いかけて失速してしまったが、GIIのフローラS小差7着、メンバーが揃っていた500万のカーネーションC4着と、意外性を秘めた馬。鞍上が追うと、激しく尾を振って反抗する気性に大きな課題を残すが、2400mですんなりと先手を取って気分よく行ければ、大駆けがあっても不思議はない。直前の追い切りは、小林淳騎手が手綱をとって、81.2-65.4-51.4-38.2秒と軽く好時計。やはり最後は尾を振ったが、それでもしぶとさは見せていた。台風がらみで馬場が渋るようなら、もちろん大きなプラス。穴を狙う勝ちはある。