●エイシンピューマ(牝 栗東・小崎憲 父Johannesburg、母Hooked On Niners)
　母Hooked On NinersはブラウンベスS(米G2・芝8.5f)の2着馬で、母の父Mr.Greeleyは仕上がり早で2歳戦に強いタイプ。父Johannesburgは2歳時に愛仏英米のG1を制し、欧・米双方の2歳チャンピオンに輝いた早熟の名馬。種牡馬としても2歳戦に強く、とくに新馬戦の成績は圧倒的(連対率50％)。父母はいずれも早熟かつ仕上がりの早いスピード血統なので、デビュー戦から能力を全開しそう。ローカルの短距離戦なら芝・ダートを問わず鉄板か。

●ディザイラブル(牝 栗東・清水久詞 父タニノギムレット、母アンドレルノートル)
　母アンドレルノートルは1勝馬だが、その全兄にグレイトジャーニー(04年シンザン記念-GIII、06年ダービー卿チャレンジT-GIII)、全姉にロスマリヌス(2戦2勝、白菊賞ではダイタクリーヴァに完勝)、半兄にノーリーズン(02年皐月賞-GI)がいる良血。繁殖牝馬として大きな期待がかけられる。父タニノギムレットはサンデーサイレンス牝馬と相性がよく、過去にこの組み合わせからスマイルジャック、アブソリュート、クレスコグランド、スズジュピター、ライムキャンディといった活躍馬が出ている。芝向きの中距離タイプで、優れた血統背景を持っているので将来性は十分だろう。

●トキノビスコンティ(牡 栗東・梅田康雄 父プリサイスエンド、母オータムリーフ)
　父がエンドスウィープ系で、母方にトウショウボーイが入る配合なのでスイープトウショウ(05年宝塚記念-GI、05年エリザベス女王杯-GI)と同じパターン。全兄トキノゲンジは福島2歳S(OP)を勝ち、小倉2歳S(GIII)でも4着と頑張っており、配合的には確かなものがある。芝向きの素軽いスピード血統で、エンドスウィープ系だけに2歳戦からどんどん走る。兄同様、平坦向きかもしれないが、堅実なスピードを武器にコンスタントに活躍しそう。

●ナムラナデシコ(牝 美浦・田村康仁 父フジキセキ、母タイキミステリー)
　母タイキミステリーは未勝利馬だが、クロフネミステリー、タイキエニグマ、タイキパイソンなどをきょうだいに持つ良血。繁殖牝馬としてもトウカイミステリー(11年北九州記念-GIII)、ナムラビッグタイム(04年ニュージーランドT-GII・3着、04年ファルコンS-GIII・3着)を出しておりなかなか優秀だ。本馬の父フジキセキはサンデー系種牡馬のなかでは最もスプリント戦に実績があり、キンシャサノキセキ、ファイングレイン、アルティマトゥーレといった優れたスプリンターを送り出している。母方のスピードを活かした芝・ダート兼用のスプリンター〜マイラーとなりそう。

●マテルナ(牝 栗東・坂口正則 父ダイワメジャー、母オマイタ)
　半兄ツルマルジュピター(父マンハッタンカフェ)は京王杯2歳S(GII)3着馬で、同じく半兄のオリエンタルカーン(父クロフネ)は3勝を挙げている。競馬場で走った母オマイタの産駒はこの2頭だけなので、繁殖牝馬としての能力はかなり高いと判断できる。Raise a Native 3×3という配合が確実にスピードを伝えているのだろう。父ダイワメジャーは初年度から早くも重賞勝ち馬(エピセアローム−小倉2歳S)を送り出している。この配合なら兄同様の活躍が期待できる。芝向きのマイラー。