今年の東京記念は重賞でバリバリ戦ってきた馬もいれば、B3やC1などで重賞初挑戦する馬の姿もあって、バラエティーに富んでいます。
しかし、斤量差がたっぷりある訳ではありません。ボンネビルレコードとC1馬が一緒の斤量なんですよ。これでは、下のクラスの馬は厳しい……。でも競馬は何が起きるかわからないし、食らいついて頑張って欲しいと思います。
重賞未勝利ながらも勢いみなぎるテラザクラウド(小林・荒山厩舎)の走りっぷりが楽しみです。
テラザクラウド 昨年はクラウンカップ2着、東京湾カップ3着と惜しいところで重賞は逃していましたが、そもそもが厩舎サイドの期待も大きく、先々走ってくると言われていた素質馬でした。
目下4連勝中で、特に前走はマイル戦だったのでこの馬には忙しいと見られていましたが、スーッと3番手につけていき、最後は楽に突き離した姿は圧巻でした。これは、力をつけてきた証とも言えるでしょう。
この中間も調整は順調だったそうで、厩舎サイドも仕上がりに関しては満足して送り出してくるそうです。
それでも「古馬のオープン馬に初挑戦で初距離だし、乗り越えなくてはいけないハードルがある」と、いつも通りに泣きの荒山調教師。
しかし、この馬にかかわる人たちが、みな「重賞級」と絶賛しているように、期待は大。
実は、担当の向山厩務員が来月定年を迎えるので、これが最後の重賞レース。大ベテランの大一番の仕上げは怖いぞー(^^)
次に、休み明けを一度使ってグンと調子を上げている2頭をご紹介しましょう。ボランタスとキングバンブーです。
ボランタス(川崎・山崎厩舎)は休み明けの前走はサンタアニタトロフィー(5着)でしたが、まだ途上と厩舎サイドが公言していた中で、不利がありながらも堅実な走りを見せました。「スムーズなら2着はあった」と山崎騎手は言っていて、改めて能力の高さを痛感。
レース後は順調に調整できたそうで、本追い切りも大井競馬場に輸送をかけて意欲的に行いました。「覇気も出てきたし、いい頃に近づいている」と山崎騎手も担当の櫻井厩務員も明るい表情。
状態が戻ったとしたら、やっぱりボランタスの底力はピカイチですよ。
一方、キングバンブー(船橋・矢野厩舎)もひと叩きしての効果は抜群。
前走のサンタアニタトロフィー(12着)はまだまだ控えめな仕上げの感は否めませんでしたが、今回は「今までで一番攻められた」と上永吉厩務員も目を細めていて、それだけ充実した日々を送れたようです。
「前走とは全然違う」と矢野調教師も上永吉厩務員も楽しみにしていました。
なお、馬込みも平気なので逃げにはこだわっていないそうです。
9歳コンビもまたまた元気に登場してくれます。
ボンネビルレコード(大井・庄子厩舎)は再転厩後、惜しくも重賞タイトルは逃しています。「何とか重賞を勝たせたい」という厩舎サイドの思いはひとつ。
ボンネビルレコード 夏場がいいと言われているだけに、状態は非常に充実しているそう。斤量56キロも魅力的で、あとは差し馬だけにさばけるかどうか。
マズルブラスト(船橋・川島正厩舎)はサンタアニタトロフィー(2着)後の一戦。「9歳になって充実している」と多田厩務員も言うように、衰え知らずとはマズルのためにある言葉かもしれません。
引き続き状態はいいそうで、ロングディスタンスも得意なだけに、今回も楽しみです。
実績上位のスーパーパワー(大井・鷹見厩舎)は夏休み明け緒戦です。前走(大井記念、9着)後は北海道のグランド牧場でササ針をして1か月ほどのんびり過ごしてトレーニングを開始。大井競馬場に帰厩したのは8月17日で、それ以降も休まず調教は行ってきたそうです。
「前走は暑さを気にしている感じもあったからリフレッシュさせました。ただ、本追い切りも迫力さに欠いていたから、使いながらかなぁという感じはしますね。地力の高さでどれだけ頑張ってくれるか」(鷹見調教師)
なお、重賞初挑戦の1頭グランドバイオ(川崎・山崎厩舎)はドラマデビューしているんですよ!
見覚えありませんか?
グランドバイオ TBSの獣医ドリトルで、井上真央ちゃんと一緒に出演したんです。アスカミライというお馬さんの役。非常におとなしい馬なので抜擢されたそうです。
そんなグランドバイオが再び大舞台に挑みます。
今回は初めて大井競馬場に輸送をかけてボランタスと追い切りをしたそうですが、ものすごいスイッチが入ったそうで、この馬にしては珍しいくらいに抜群に動いたそうです。
中央時代は障害レースで優勝したこともあるくらいスタミナもたっぷり。長距離での変わり身を見てみたいです。