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半兄カンパニーのディープ産駒ヒストリカル

  • 2011年09月14日(水) 12時00分
●アマダブラム(牝 美浦・田村康仁 父ダイワメジャー、母シャタードサイレンス)
 新種牡馬ダイワメジャーは2歳種牡馬ランキング(収得賞金)のトップを快走している。そのポイントゲッターは小倉2歳S(GIII)を制したエピセアローム。本馬はエピセと同じく「ダイワメジャー×Cozzene」という組み合わせ。父ダイワメジャーが硬いタイプだけに、Cozzeneのような柔らかなスピード血統は合っている。芝向きのマイラー。

●エアラセンガン(牡 美浦・田村康仁 父フジキセキ、母エアコゼット)
 母エアコゼットは繁殖牝馬として見どころがあり、初子のエアティアーモ(父ロージズインメイ)は現在4勝を挙げて準OPに在籍している。「フジキセキ×ニホンピロウイナー」はエフティマイア(07年新潟2歳S-GIII、08年桜花賞-GI・2着、08年オークス-GI・2着)と同じ。母方にMr.Prospectorが入るパターンはフジキセキ産駒において実績がある。芝向きのスプリンター〜マイラー。

●エンドレスノット(牝 美浦・国枝栄 父ディープインパクト、母ウィキウィキ)
 母方にフレンチデピュティを持つディープインパクト産駒には、ボレアス(11年レパードS-GIII)、メデタシ(11年桜花賞-GI・4着、11年チューリップ賞-GIII・3着)、エネアド(新馬戦勝利)などがおり、現時点で連対率40%と成功している。2代母リアルナンバーはアルゼンチンのG1ホース。パワーとスタミナを伝える牝系だが、Halo≒Sir Ivor 3・5×5があるので芝適性もありそう。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

●ガッテンキャンパス(牡 美浦・本間忍 父ジャングルポケット、母アンダンテ)
 「ジャングルポケット×サンデーサイレンス」は優れたニックスで、フサイチホウオー、トールポピー、アヴェンチュラの三兄妹のほかに、ジャガーメイル、アプリコットフィズ、トーセンキャプテンなど多くの活躍馬が出ている。グランプリエンゼル(父アグネスデジタル/09年函館スプリントS-GIII)の半弟にあたる良血で、気性面の問題さえなければ距離的には2000mあたりまではこなせる。

●シュガーヒル(牡 美浦・国枝栄 父クロフネ、母ソルティビッド)
 半姉アパパネ(父キングカメハメハ)は牝馬三冠に加えて阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)、ヴィクトリアマイル(GI)を制した名牝。これにクロフネを掛けた本馬は、パワー型の血として知られるDeputy Ministerを3×3でクロスすることになるので、姉とは違ってダート向きに出る可能性がある。同じくDeputy Minister 3×3を持つクロフネ産駒のサクセスオネスティはダート馬(準OP)だ。

●ヒストリカル(牡 栗東・音無秀孝 父ディープインパクト、母ブリリアントベリー)
 母ブリリアントベリーの繁殖成績は優れており、カンパニー(父ミラクルアドマイヤ/09年天皇賞・秋-GI、09年マイルCS-GIなど重賞9勝)、レニングラード(父トニービン/04年アルゼンチン共和国杯-GII)、ニューベリー(父フジキセキ/06年京都金杯-GII・2着)などの活躍馬を産んでいる。その半弟にあたる本馬はディープインパクト産駒。母が高齢という点にやや不安はあるものの、配合自体に悪いところはなく、母のポテンシャルをもってすれば一定以上の活躍は期待できそう。芝向きの中距離タイプ。

●ヤマニンブリス(牡 栗東・浅見秀一 父アドマイヤムーン、母ヤマニンシュクル)
 父アドマイヤムーンはジャパンC(GI)、宝塚記念(GI)、ドバイデューティーフリー(G1)などを制した名馬。種牡馬としても優れた資質を披露しており、初年度産駒から函館2歳S(GIII)を勝ったファインチョイスを出している。種牡馬としての能力は高い。母ヤマニンシュクルは阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)の勝ち馬。初子のヤマニンシャム(父ディープインパクト)は体質が弱く、中央ではデビューできずに南関東の川崎に移籍し、そこでのデビュー戦で競走中止して予後不良となった。弟の本馬は坂路で順調に乗りこまれているので体質の弱さはなさそう。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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