【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・ローズS
・マルセリーナ
8月下旬に札幌競馬場で時計を出してからの栗東移動。1週前追い切りはCWで未勝利シャイニンオーラとの併せ馬だったが、手応えは相手が優勢、1馬身ほど遅れて、6F85.6秒とかなり遅かった。そして最終追い切りはセントライト記念に出走するユニバーサルバンクを追走するCWでの併せ馬。前半をかなりゆっくり入り、ラスト1Fをしっかり追うといった内容。きっちり先着し、6F87.0〜1F11.8秒という時計ならまずまず合格点のように見えるが、桜花賞時はCW6F81秒台の追い切りで制した馬。全体的な調教本数は少なく、最終追い切りの数字がこれだけ遅いと、休養明け緒戦から手を出したいとは思えない。
・エリンコート
8月11日にはすでに坂路で15-15での時計を出し始めており、その後も順調なペースで本数を重ねて、とてもG1馬の休養明けとは思えない熱のこもった調教内容が印象的なのが今回。その効果もあってなのだろう、最終追い切りでは自己ベストと全く同じラップを踏んで坂路4F52.3〜3F37.9〜2F24.9〜1F12.6秒。これを馬なりで出してしまうのだから、重めが残っているということはないだろう。ただ気になるのは、500万下も忘れな草賞もオークスも3連勝すべてのレースで坂路2Fは25秒台。3F目のラップが速く、ゆったり走れなかったことが実戦での折り合いに影響するかも知れないが、そこまで心配することもないだろう。
・ホエールキャプチャ
オークス組が多数出走しており、休養明けでも入念に仕上げている馬は多いが、なかでもこの馬の調教本数とその中身は濃い。まず8月初旬には函館Wで時計を出した後、美浦に移動して坂路での追い切り、2週続けて馬なりで坂路4F49秒台をマークしており、この時点でも十分に仕上がりの良さが感じられる調教内容となっていた。そして栗東へ移動してからも坂路での15-15の時計と最終追い切りは坂路4F52.2秒。攻め駆けするので、動き自体はG1時と比較して重く映るが、中身が出来ているので心配ない。きっちり自分の力は出せるだろうし、休養明けとしては反動の出ない最高の仕上げができたはずだ。
◆日曜中山11R・セントライト記念
・サダムパテック
栗東へ帰厩したのは8月18日。放牧先のノーザンFしがらきでは「追い切りを2本消化している」と西園正都調教師が話すように、完全に緩めた休養ではなく、帰厩翌日から坂路とDPでのキャンターという休養前からの調教メニューをこなしていた。そして翌週の8月25日には坂路で追い切りを開始、最終追い切りまで週1本のペースで消化している。最終追いは坂路で単走だったが、ラスト1Fはエラー。しかし12.5秒を切っていたのは間違いなく、ラスト1Fが最も速いラップを踏めた。これは皐月賞時と同じであり、ダービー時とは違う。結果が出た前者と同じ最終追いだったということは、力を発揮できる状態に仕上がっていることは間違いない。
・トーセンラー
帰厩当初は坂路での追い切りを中心に行い、8月下旬に入るとCWで時計を出し始めるという入念な調教内容。CWでの1週前追い切りでは2秒以上先行するトーホウストロングをインから抜き去り、ラスト1F11.8秒の伸びを見せ、仕上がりに抜かりないことが確認できる動きを見せていた。それだけに、最終追い切りはある程度手控えるのかと思いきや、そんなことは一切なし。先行するフィニステールを追走し、直線に向いて並びかけると一瞬で突き放して4馬身ほど先着。時計的にはCW6F82.8〜1F12.0秒と特に目立たなくても、軽く追われた程度でこの数字が出たことに価値がある。雰囲気的にはきさらぎ賞を制した時と同じような最終追いのイメージではないだろうか。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・ローズS
・リヴァーレ
4月の新潟戦以降1、3、1、1着と、今の勢いなら関東No.1の存在。特に前走は3か月ぶり、古馬相手の不利がありながらも、一瞬の決め手を生かして快勝。スタート難が出世を阻んでいたが、前走の安定感十分の内容からその不安も一掃されており、折り合い面での心配も皆無。今回中2週のレース間隔となるが、1週前追いの7日が1000万条件馬を圧倒する好内容。そして14日の最終追い切りでは再び1000万条件馬と併せ追走から持ったままの手応えで2馬身半先着、5F65秒0〜3F37秒6の時計も優秀で、文句なしの仕上がり状態となっている。新潟の外回り戦で実績を残しており、阪神の直線が長い外回りコースも合うはず。強敵相手だが勢いに注目。
◆月曜阪神8R・阪神ジャンプS
・モルフェサイレンス
およそ11か月ぶりの前走。「やっと8分」の仕上がりと映ったが、見せ場を作って5着を確保したあたりがポテンシャルの高さ。屈腱炎によって長期の休養を余儀なくされていた馬だが、不思議なほど「反動」はなく、順調に攻め馬を消化。いつもと同じように、坂路で時計を出して、北馬場では熱心な障害練習を繰り返しているが、叩いた今回は一変しそうなムードがある。オープン勝ちの実績は、このメンバーに入っても互角以上の評価。一発があっても驚かない。
◆土曜中山9R・カンナS
・コスモメガトロン
デビュー戦は、ゴール前で軽く仕掛けただけ。抜群の競馬センスで楽勝。しかし前走の函館2歳Sは、スタートの出が悪かったため馬群の中で折り合いを欠き、終い伸び切れず能力を出し切ることなく不完全燃焼の4着。直前の追い切りは、気性の強い馬でテンションが上がりすぎないように5F70秒0〜A勝ち40秒3とセーブ。1週前に5F65秒2を余裕で計時しているだけに凄い気迫で仕上げに不安ない。今度は器の違いを見せる。
◆土曜中山10R・鋸山特別
・アオゾラペダル
2歳未出走でのブラインドサイドに併せた形で、相手がG前ビッシリ追ったのに対し、持ったままの手応え。今週からチップを入れ替えたせいで速い時計は出なかったが、素軽さ満点の動き。張りのある馬体で、好調子をキープしている。前走は速い時計の決着で前に残られてしまったが、2着馬とはハナ差。昇級戦とすれば好内容で、今回の相手関係なら好勝負できる。
・カンマビード
この夏、本格化気配を見せている馬。今週はウッドチップで65秒7-38秒1、ローズSを使うリヴァーレに2馬身半遅れたが、これは相手が悪すぎただけ。馬場の7分どころを回ってこの時計は特筆もの、元々稽古駆けする馬ではなかっただけに、今の充実ぶりが目立っている。パワータイプで中山ダートはベスト条件。競馬は自ら動ける脚があり、大崩れはない馬。条件・状態ともにベストのものが揃い、今回は負けられない一戦になる。