スマートフォン版へ

スイープトウショウ似の好配合馬ドウデス

  • 2011年09月21日(水) 12時00分
●ケージーハナザカリ(牝 美浦・水野貴広 父グラスワンダー、母ケージーローズ)
 「グラスワンダー×リンドシェーバー」は成功している。新潟大賞典(GIII)を2回勝ったオースミグラスワンを筆頭に、ラフレッシュブルー(準OP)、ランダムシード(準OP)、リバイバルシチー(1000万下)と、JRAで出走した5頭中4頭が1000万条件以上で活躍している。本馬もこのパターン。母ケージーローズは南関東で何度か重賞に出走したことがあり、これまでに産んだ3頭中2頭がJRAで勝利を挙げている。一見地味な血統だが期待できそうだ。

●サトノジュビリー(牡 栗東・平田修 父ダイワメジャー、母クラシックローズ)
 父ダイワメジャーは初年度産駒の現2歳世代から7頭の勝ち馬を送り出しており、うち3頭が2勝を挙げている。やや勝ち味に遅いところはあるものの、勝ち上がった産駒には大物感があり、2勝目を挙げるのに苦労しない。勝ち馬の血統を見ると、ダローネガ(野路菊S)とオメガホームランが母方にダンシングブレーヴを持っている。本馬はこのパターン。母クラシックローズはローズバドの半妹、ローゼンクロイツの半姉にあたる良血。このファミリー独特の切れ味が産駒に伝わっていればおもしろい。

●スリーヴェローチェ(牡 栗東・武宏平 父ダイワメジャー、母スリーローマン)
 母スリーローマンはオペラハット(99年東京王冠賞)の半妹で、現役時代に府中牝馬S(GIII)で3着となったほか、繁殖牝馬として菊花賞馬スリーロールス(父ダンスインザダーク)の母となった。スリーロールスの半弟にあたる本馬は新種牡馬ダイワメジャーの子。「ダイワメジャー×ブライアンズタイム×ブレイヴェストローマン」はやや硬い印象で、母も兄も芝で走ったが、本馬は半分ぐらいの確率でダートもOKというタイプとなりそう。Your Hostess≒Flower Bowl 6×5の4分の3同血クロスは力強い。距離は2000mあたりまでなら問題ない。

●ドウデス(牡 美浦・相沢郁 父アドマイヤムーン、母スリーエナジー)
 父アドマイヤムーンは初年度産駒の2歳世代が大活躍しており、函館2歳S(GIII)を勝ったファインチョイスを筆頭に8頭が勝利を挙げている。素軽さと瞬発力が持ち味。母スリーエナジーは未勝利馬だが、女傑ウオッカの母タニノシスター、ガーネットS(GIII)の勝ち馬スリーアベニューなどの兄弟にあたる良血。本馬は、エンドスウィープ、ダンシングブレーヴ、トウショウボーイ、ダンディルートを持つので、牝馬ながら宝塚記念(GI)を制したスイープトウショウに配合構成がそっくり。Halo≒Drone 4×5も好感が持てる。芝向きの中距離タイプ。

●レッドシャンクス(牡 美浦・藤沢和雄 父Galileo、母Ardbrae Lady)
 母Ardbrae Ladyは現役時代にパークエクスプレスS(愛G3・芝8f)を勝ったほか、愛1000ギニー(G1)でも2着と健闘した。父Galileoはヨーロッパを代表する大種牡馬で、とくに現3歳世代からは8戦全勝の怪物マイラーFrankelを筆頭に7頭のG1ホースを誕生させている。Sadler's Wells系なので日本で走るにはやや重苦しいところがあり、いまだに重賞勝ち馬は出ていない。道悪での強さには定評がある。本馬の血統に日本向きの特別な素軽さは感じられないが、いまをときめくGalileo産駒だけに一発の魅力は十分。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング