【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・神戸新聞杯
・オルフェーヴル
帰厩して坂路で時計を出し始めたのが8月26日。そこから15-15を含めると10本以上の坂路調教をこなしており、とても秋緒戦トライアルとは思えないほど入念な調教量に二冠馬として負けられないプライドを感じる。1週前追い切りでは坂路4F51.5秒で併せたリルダヴァルに追走先着する素晴らしい動きを見せたが、池江泰寿調教師は「ヨレていた点がどうか」と厳しい採点。「本番は次」と分かっていても、負けてはいけないというニュアンスを感じた。そして最終追い切りは坂路4F53.1-1F12.8秒。開門直後の馬場だったとはいえ、かなり水分を含んだ重い馬場。時計的にもこんなものだろうし、ラスト1Fが最速になるラップを踏めた、終いまでしっかり動けたことは評価したい。
・ウインバリアシオン
帰厩直後は坂路での調教を中心に、そして9月に入るとCWで2週連続の追い切り。先週は安藤勝巳騎手が跨っての併せ馬だったが、かなり後方から追走したにも関わらず1秒以上先着。春に比べて反応の良さが目立つ動きだった。そして最終追い切りはウッドチップの馬場状態が悪いこともあり、DPでの併せ馬。今週も随分後ろから追いかけたが、最後は楽に抜き去って、その時計は6F77.6-5F62.2-4F48.1-3F35.0-1F12.0秒と非常に速い。休養明けとはいえ、春よりも動けるのではないか、そんな印象を受ける仕上がりとなったのは間違いない。
・フレールジャック
前走は初めての長距離輸送で馬体重が10キロ減の436キロ。それでも「馬体重は気にならなかった」という友道康夫調教師だったが「ただテンションは高かった」と当時の様子を振り返る。それでも推定上がり34.4秒のキレを見せて1着。3戦3勝で飛躍の秋を迎えることになった。帰厩してからは坂路とCWを併用して仕上げられていたが、1週前のCWでの追い切り時計は6F80秒と速かったが、先行遅れという見栄えはあまり良くない動き。ただこのひと追いでぐんと変わってくるのではないかと予測していたが、今週の最終追い切りも決して見栄えはしなかった。DPを単走で6F83.1-5F68.5-4F54.5-3F40.2-1F12.1秒と時計は平凡だし、直線に向いてからも集中して走っている感じがしない。ただ追い切りは動くタイプでないので、むしろ気が乗りすぎていない点に好感が持てるくらい。これまで3戦の最終追い切りと比較しても悪い印象はないだけに、これで動けるはずだが。
・ショウナンマイティ
前走休養明けのポプラSは本数の少ない調教量だったが、見事な差し切りを決めて1着。秋へ向けて上々のスタート切った。栗東へ戻ってきてからは1週前の9月15日が本格的な追い切り。今回から手綱をとる武豊騎手が跨ってアドマイヤラクティを追走したが、かなり後方から追走した割には直線楽に並びかけて同入。CW6F78.9秒とかなり速い時計をマークしている。最終追い切りは同じくCWだったが、今回は単走。レース当日のテンションを気にして坂路で仕上げたラジオNIKKEI杯2歳Sや弥生賞時と比較して、今回はCWで追い切れたこと自体、収穫ではないだろうか。
◆日曜中山11R・オールカマー
・アーネストリー
予定されていた札幌記念は軽い捻挫で回避。その後、いったん牧場に戻ってから栗東への入厩となったが、函館競馬場でしっかり調教されていたこともあり、同じ休養明けでも金鯱賞時とはまったく違う、いつでもレースに使えるといった状態での帰厩となった。だからこそ戻ってきて3日後の9月11日には坂路4F54.7秒を出せたし、1週前追い切りとなる15日には坂路4F51.5秒と速い時計で迫力ある動きができたのだろう。最終追い切りは坂路4F53.9-1F12.8秒と数字的には目立たないが、雨水を含んだ重いウッドチップでこの時計は上々。動き自体は軽快で、ほぼ馬なり、ラスト1F軽く仕掛けた程度でこの動きならほぼ満点の仕上がりと言ってよいだろう。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・オールカマー
・カリバーン
前走の札幌記念は7か月ぶりの実戦。初のGII挑戦ながら、先行力を活かし一瞬の見せ場。5着とはいえ次につながる競馬ができたことは確か。その後、9月上旬美浦へ帰厩後は入念な乗り込み。すでに1週前追いの14日には南Dコースで格下相手に追走から、直線並ぶ間もなく突き抜け逆に大きく1.5秒も先着し、6F78.8-3F37.5秒の好タイムをマーク。休み明けをひと叩きされた成果は大きく、息の入りも一変している。そのため、21日の最終追い切りはポリトラックに入り、相手なりに抑えた内容で終始。5F69.2-3F39.7秒の時計も平凡だが、先週の時点で9分通り仕上がっており、これで十分。得意の距離、先行力とスピードが活かせる馬場、他馬との斤量差を考えると、ここは初の重賞勝ちの大チャンス。
◆日曜中山9R・外房特別
・キッズニゴウハン
リフレッシュ放牧で2か月半の休養明けで臨んだ前走の古町特別。4角まで後方のインでジックリ脚をタメ、直線で外に持ち出すと一気に伸びて快勝。トモに筋肉がついて瞬発力にひと皮剥けた感を持ったレース内容。この中間は休ませることなく順調に調教を積んで、直前の追い切りではオープン馬アニメイトバイオと併せ6F83.9-上がり37.8秒の好時計を余裕でマーク。パワーを必要とするウッドで追われたのは久々で、ここにきての成長の大きさをアピール。連勝の可能性大。
・ミサトバレー
ここは3か月ぶりの実戦となるが、十分に時間をかけて文句なしの仕上がり。直前の追い切りでも、余裕を残して66.5-51.2-38.9秒を楽々とマーク。すでに完全に戦闘モードに入っている。終い一手の脚質のため、どうしても流れに左右されてしまうが、ツボにはまった時の切れ味は強烈。このメンバー相手でも、50キロ軽ハンデなら軽視は禁物というものだろう。台風がらみの雨で、少し時計のかかる馬場コンディションになったのも大きなプラス。ベストの中山マイル+ハンデ戦なら、人気以上の激走を期待したい。
◆土曜中山9R・習志野特別
・トーセンマルス
1週前の追い切りでは、先週勝ち上がったファーストグロースをアオる絶好の動き。今週も調整程度とはいえ、メジロクリントンと併せて素軽さ満点。細身の馬体で成長度は?も、好調子をキープしている。前走は出負けぎみのスタートから、かかりぎみにハナ。セントライト記念6着のラヴェルソナタには捻じ伏せられたが、このクラスはいつでも勝てそうな好内容。この距離なら折り合いもつきそうだ。
・トゥザサミット
月1回の出走と疲れを残さないローテーション。今週はウッドチップで70.4-39.3秒、大雨の影響でバテる馬が続出する中、馬場の外々を鋭い脚さばきで余力十分にゴールイン。牡馬にしては450キロ前後と小柄なほうだが、数字以上に体を大きく見せ、充実ぶりが目立っている。芝は今回で3戦目だが、追っての反応が良く、一瞬の爆発力を活かしたい馬。新潟コースよりも中山コースのほうが合い、今度こそ1着づけで狙いたい。