●エキストラエンド(牡 栗東・角居勝彦 父ディープインパクト、母カーリング)
母カーリングは現役時代にフランスで仏オークス(G1)、ヴェルメイユ賞(G1)など4つの重賞を制した名牝。繁殖牝馬としても優秀で、これまでに重賞4勝のローエングリン(父Singspiel)を筆頭にコンスタントに活躍馬を送り出している。本馬の父はディープインパクトなのでリベルタス(10年朝日杯フューチュリティS-GI・3着)の全弟にあたる。リベルタスは2歳秋にデビューし、3歳の年明けまでは順調だったが、その後、体調を崩して成績が低迷し、現在は喉の疾患のため休養中。兄と同じ厩舎なので、スタッフはこの血統の長所も短所も把握しているはず。そのあたりがいい結果を生むことを期待したい。
●エディバローズ(牡 栗東・武田博 父ダイワメジャー、母リトルアロー)
半兄アントニオバローズ(父マンハッタンカフェ)はシンザン記念(GIII)を勝ち、日本ダービー(GI)では3着となった。本馬はサンデー系のダイワメジャーが父なので、正確にいえば4分の3弟にあたる。父ダイワメジャーは今年の新種牡馬で、現在12勝を挙げて2歳ランキングトップに立っている。クラスの壁を苦にしない大物感がセールスポイントで、1頭が重賞を勝ち(エピセアローム)、2頭がOP特別を勝っている(ビウイッチアス、ダローネガ)。「ダイワメジャー×Kingmambo」という組み合わせの本馬は底力を感じさせる本格派。ピリッとした決め手があればおもしろい。
●スターマイン(牡 栗東・荒川義之 父マンハッタンカフェ、母レスレクシオン)
母レスレクシオンは葵S(OP)の2着馬で、その母Choice Claimはゼンノロブロイの母ローミンレイチェルの全妹にあたる。「マンカフェ×Mt.Livermore」という組み合わせはオリエンタルロック(07年札幌2歳S-GIII)と同じ。Mt.Livermoreの父はBlushing Groomで、これは父とニックスの関係にある。母方の奥にはサンデーと相性抜群のPia Starが入り、これも好ましい。芝向きのマイラー。
●ダイワミストレス(牝 美浦・菊沢隆徳 父ダイワメジャー、母サウンドバイト)
父ダイワメジャーはダンシングブレーヴ−ホワイトマズルを持つ繁殖牝馬と相性がよく、このパターンからすでに3頭の勝ち馬(ダローネガ、トーセンベニザクラ、オメガホームラン)を出している。基本的にダンシングブレーヴはサンデー系と相性がいいのだが、ダイワメジャーとはとくにフィットするようだ。2代母リュドゥパームはアメリカのG2勝ち馬でやや硬い血で構成されている。したがって本馬は芝とダートどちらでも走れる可能性がある。中距離向き。
●メイショウタービン(牡 栗東・西浦勝一 父アドマイヤムーン、母タカノセクレタリー)
半姉カワカミプリンセス(父キングヘイロー)はオークス(GI)、秋華賞(GI)を勝った名牝。ただ、キングヘイロー以外の父から誕生した兄弟は不振で、競走馬としてデビューした4頭の合計成績は[0.0.0.12]。本馬の父アドマイヤムーンは今年の新種牡馬で、ファインチョイス(11年函館2歳S-GIII)を出すなど上々の滑り出しを見せている。素軽いスピードが持ち味なので期待できる。芝向きの中距離タイプ。
●ランドルト(牡 栗東・石坂正 父ディープインパクト、母ハッピーラン)
母方にフレンチデピュティを持つディープインパクトは成功しており、ボレアス(11年レパードS-GIII)を筆頭にメデタシ(11年チューリップ賞-GIII・3着、11年桜花賞-GI・4着)、エネアド(1戦1勝)などが出ている。Burghclere≒Welsh Flame 3×4は桜花賞馬マルセリーナと同じパターン。2代母は「Sadler's Wells×Ela Maha Mou」というスタミナと底力に恵まれた配合なので、2000m以上で本領を発揮しそう。
●ルナフォンターナ(牝 栗東・池江泰寿 父アドマイヤムーン、母ファーザ)
帝王賞(GI)[2回]、ジャパンダートダービー(GI)、全日本2歳優駿(GI)、かしわ記念(GI)、川崎記念(GI)などタイトルを持つフリオーソ(父ブライアンズタイム)の半弟。母方にはヨーロッパで成功した血が並んでいるが、ダート適性が非常に高く、これまでに送り出した産駒はほぼすべてダート向きに出ている。ただ、父アドマイヤムーンは芝向きの素軽さや瞬発力を伝える種牡馬なので、配合的には芝でも走れそうな雰囲気を漂わせている。芝・ダート兼用のマイラー。