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ディープブリランテに配合構成が似るダノンジェラート

  • 2011年10月05日(水) 12時00分
●イエローハリケーン(牡 美浦・水野貴広 父リンカーン、母シェアエレガンス)
 半兄ヒルノダムール(父マンハッタンカフェ)は天皇賞・春(GI)、大阪杯(GII)を制し、凱旋門賞にも挑戦した名馬。本馬の父リンカーンは、初年度産駒からデルマドゥルガー(10年クイーンC-GIII・3着)を送り出している。晩成型なので、現在3歳の初年度産駒はこれから成績を上げてくるはず。本馬は兄よりも重厚感が増した配合なので、やや完成が遅くなる傾向はあるだろう。2000m以上に向き、ダートもこなす。

●ガーヴィ(牝 栗東・高野友和 父アグネスタキオン、母ガバーナ)
 母ガバーナはPast Example≒Uncommitted 2×2という強烈な4分の3同血クロスを持っている。繁殖牝馬として注目したい存在だ。本馬の半姉クイーンガバナンス(父キングカメハメハ)は未勝利に終わったが、配合がハマれば一発大物を出す可能性も十分あるので、アグネスタキオンに父が替わった本馬に期待してみたい。配合的にはとくに気になる点はない。芝・ダート兼用のマイラー。

●グッドマイスター(牡 栗東・安田隆行 父アグネスタキオン、母セニョラージェ)
 母セニョラージェはこれまでに競馬場で走った8頭の産駒がすべて勝ち上がるという優秀な成績を収めている。そのなかで最も出世したのがセントライト記念(GII)を勝ったダイワワイルドボア(父アグネスタキオン)。つまり、本馬の全兄。この配合の良さを一言でいえばAllegedの重厚さ。アグネスタキオンはやや線が細いので、底力に定評があるRibot系の血がサポートするといい結果が生まれる。ダービー馬ディープスカイもそうだった。兄は手先がやや重たかったが、それがなければもっと出世できるだろう。

●ダノンジェラート(牡 美浦・萩原清 父ディープインパクト、母ペンカナプリンセス)
 母ペンカナプリンセスはフレッドダーリンS(英G3)を勝ち、愛1000ギニー(G1)で2着となったスピード馬。母の父Pivotalは快速型の種牡馬でいかにも父ディープインパクトに合いそうなタイプ。リファールのクロスを持ち、Nureyev、Bustedを併せ持つところは、ハブルバブルとディープブリランテの姉弟とよく似ている。スピードタイプなので朝日杯〜皐月賞の路線が合っているだろう。

●ペプチドヒノトリ(牝 栗東・新川恵 父クロフネ、母ホーネットピアス)
 母ホーネットピアスはマストビーラヴド(GI馬ラインクラフトの母)の全妹にあたる良血。「クロフネ×サンデーサイレンス」の組み合わせはフサイチリシャール(05年朝日杯フューチュリティS-GI、06年阪神C-GII)、ホエールキャプチャ(11年ローズS-GII、11年クイーンC-GIII)などと同じ。この組み合わせを持ち、なおかつ母方の奥にLa Troienne牝系が入るパターンは好ましい。芝向きのマイラー。

●ワイドクロス(牡 栗東・宮徹 父Stephen Got Even、母Southern House)
 コスモファントム(11年中山金杯-GIII)の全弟にあたる。父Stephen Got Evenはアメリカのダートホース、母Southern Houseは伊1000ギニー(G2・芝1600m)の2着馬。母の父Paris Houseは芝のスプリンター。まったく違う個性が集まった読みづらい配合だが、全兄は芝中距離を得意とする小回り巧者なので、同じようなタイプになりそう。仕上がりは早く2歳戦は得意。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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