【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・毎日王冠
・シルポート
安田記念以来の休養明けとなるが、坂路で時計を出し始めたのは9月7日。西園正都厩舎としては早い始動で、調教の本数としては決して少なくない。
仕上がりの良さを感じさせたのは1週前追い切り。目一杯に追われて坂路4F50.5-1F12.4秒。時計の出る馬場だったとはいえ、自己ベストに近い数字をマークできたのは仕上がっているからこそ出せる時計だろう。だからこそ最終追い切りは坂路4F53.8秒の馬なりにとどめたのだろうが、この馬自身はマイラーズC1着時は目一杯の追い切り。馬なりにすると東京新聞杯や大阪城Sのように凡走する確率が高く、そのあたりが非常に気になる材料だ。
◆月曜東京11R・南部杯
・トランセンド
ドバイWC2着後、放牧から帰厩したのは7月。そこから坂路とDPを併用してじっくり乗り込まれている。9月に入るとDPで6F80秒切りを連発。先週に関してはテンから飛ばして6F73.6秒と、とても休養明けとは思えない追い切りを消化した。
そして今週はいつも通り坂路での最終追い切り。その時計は4F50.1秒とまさに破格。ラスト2Fにいたっては11.9-11.8秒というラップで駆け上がっており、いくら時計が出る時間帯での追い切りだからといって、簡単に出る数字でないことは確か。安田隆行調教師も「文句ないですね」と満足の仕上がり。フェブラリーS時以上のパフォーマンスも期待できるだろう。
・エスポワールシチー
前走帝王賞は勝ち馬から1.8秒離される2着に終わったが「夏負け気味だった」と安達昭夫調教師は敗因を明確に分析している。
放牧から帰厩してからの状態に関しては「かなり上向いてきましたね」と同師。この中間、坂路で15-15の時計になる調教が多いことを懸念したが「まったく問題ありませんよ。むしろ気合が乗ってきていいんじゃないでしょうか」と状態が上向いているからこその調教時計を強調する。最終追い切りは松岡正海騎手が栗東へ駆けつけての坂路で単走。時計は4F53.7-F12.4秒と決して速くないが、降雨の影響で馬場が重かったことを考えれば悪くない。むしろ力強く駆け上がれていた点から、仕上がりに関してはまったく問題ないと判断できる。
・ダノンカモン
中2週での東京ダート1600mはフェブラリーS時と同じローテーション。当時と同じように、坂路での調教本数が多く、最終追い切りはCWで行うという調教パターンで仕上げてきた。
同レースに出走予定のバーディバーディを前に見ながら、徐々にペースを上げて、直線は内に潜り込む形。雨の影響で重い馬場ということもあってか、最後1Fは12.4秒要して半馬身ほど遅れてしまった。併せ馬で遅れること自体は気にならないのだが、あまり手応えが良くない状態でのフィニッシュに上積みを期待してよいものか考えてしまう。
◆日曜京都11R・京都大賞典
・ローズキングダム
休養明けだが、週2本のペースで追い切りを重ねて、先週の時点で坂路4F51.2秒と自己ベストを更新する時計をマーク。その仕上がりに関しては「何の問題もない」と橋口弘次郎調教師も心配するところがない。
今週の最終追い切りは攻め駆けするアイアンルックを相手にしっかり。坂路4F51.1秒は先週よりも速く、とにかく休養明けにしてもかなり攻めて仕上げられている。ただ話が斤量になると「やっぱり59キロは気になるね。今年になって勝ち星がないのも、そのあたりが関係していると思うから」と同師のトーンも下がる。そのあたりをどのように克服してレースで好結果を残してくれるか楽しみなところはある。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京11R・南部杯
・オーロマイスター
前走エルムS2着後は、即美浦に戻って入念な乗り込みを消化。9月28日に5F73秒台、10月2日の1週前追いが6F82.6-3F40.3秒。そして、6日の最終追い切りは6F81.0-38.2-1F13.2秒。いずれも南ウッドに入って単走追いだったが、気合い面の充実が素晴らしく、動き自体も迫力に満ちた文句なしの内容。今春、今一歩の成績しかあがらなかった時に比べ、動きが大きくなり、本来のスピード感が戻ってきているとこは確か。昨年の盛岡での戦いで完勝しているゲンのいいレース。距離も今は1600mぐらいが適条件。速い流れは必至だけに、直線バラける展開なら直線一気の台頭は十分に可能。
◆日曜東京9R・六社特別
・プリンセスメモリー
細身牝馬で速い時計を出さない同馬が、1週前に50秒台をマーク。馬体が充実してきた証拠だし、動きの良さも目立っている。ひと夏越しての変わり身が、かなり見込めそうだ。このクラスに降格した前走は、直線で前が壁になり、力を出し切っていない0.3秒差。能力の高さは十分見せてくれた。直線勝に賭けられる東京コースなら、能力を出し切れるはずで、間違いなく好勝負できる。
◆土曜東京10R・本栖湖特別
・ラヴェルソナタ
重賞を使った反動はなく、10日後には調教を再開。今週はウッドチップで、同格のレッドジョカーを3馬身追走して68.0-38.6秒。直線では相手に胸を貸すほどの手ごたえで楽々とゴールイン。張ち切れんばかりの体から繰り出される脚さばきは鋭さ満点、気合のりも良く、絶好調をアピールしている。逃げ馬が後続を離した速い流れ、出遅れから位置取りが悪くなってしまったが、最後までバテることなく6着を確保。重賞初挑戦を考えれば十分褒められる好内容、1000クラスでは壁にならない。
・ショウナンバーズ
前走のセントライト記念は、+8kgと明らかに太目に映る馬体。直前の追い切りでも道中折り合いを欠いて全体の時計こそ6F79.7秒と速かったが最後の1F14.4秒とセーブ。息遣い、精神面ともに本物とはいえなく大敗もしかたなし。今回は6F84.2-上がり39.3秒と時計は平凡だったが、スムーズに折り合って気性の激しさは解消。馬体もキリッと締まり体の切れも一変。左回りで自己条件なら間違いなく地力上位。
◆日曜東京12R・3歳上500万下
・リアルフリーダム
北海道は3職して入着止まり。とはいえ不器用なこの馬は、ハイペースになりやすい小回りが大の苦手。しかし、陣営の評価はデビュー当時から高い馬で、秋から来春にかけて大きく変わりそうな下地がある。ということで、ゆったりとした流れに乗れる東京コースのマイルはベストに近い条件。大きなストライドで、直線しっかりと伸びてくるはずだ。格上と併せた直前の動きも絶好といえるもの(82.6-66.2-51.4-38.1秒=馬なり)。鞍上に蛯名騎手を配して、絶好の狙い目だろう。