●エーシンフルマーク(牡 栗東・坂口正則 父デュランダル、母エイシンレマーズ)
母エイシンレマーズは阪神3歳牝馬S(GI)2着馬。アメリカで繁殖入りし、これまでに産んだ2頭のうちエーシンリバティー(父Berong to Me)が勝ち星を挙げている。本馬は日本における最初の産駒。母は「Phone Trick×Sham」という非主流色の強いアメリカ血統で、これにHyperionをしっかり蓄えているデュランダルを掛け合わせた配合は悪くない。芝向きのマイラー。
●オスカーバローズ(牡 栗東・武田博 父ディープインパクト、母カーメリタ)
母カーメリタはブラックホーク(01年安田記念-GI、99年スプリンターズS-GI)、ピンクカメオ(07年NHKマイルC-GI)、カウアイレーン(10年ターコイズS-OP)のきょうだいにあたる良血で、Gone West系×Roberto系という配合はオールザウェイベイビーと同じ。オールザウェイベイビーはディープインパクト産駒の評判馬ダノンドリームの母なので、本馬はダノンドリームと配合構成が似ていることになる。母方にThe Minstrelを持つディープ産駒は悪くなく、Pocahontas 5×5も好ましい。芝向きの中距離タイプ。
●キタサンエデン(牝 栗東・友道康夫 父アドマイヤムーン、母アドマイヤモンロー)
半兄アドマイヤタイトルは日経賞(GII)と札幌記念(GII)で4着となった。本馬の父アドマイヤムーンは新種牡馬で、ファインチョイス(11年函館2歳S-GIII)を筆頭に初年度産駒が好成績を挙げている。母はCaerleon×Damascusで、父と無難にフィットしそうな構成。それに加えてContinue 5×4という牝馬クロスもおもしろい。この水準の配合なら上のクラスまで出世してもおかしくない。
●ゴールデンオーラ(牝 栗東・飯田明弘 父ステイゴールド、母グリーンヒルマック)
全兄サンライズマックスは小倉大賞典(GIII)、エプソムC(GIII)、中日新聞杯(GIII)を制した活躍馬で、半兄ビッグロマンス(父グラスワンダー)は全日本2歳優駿(GI)を制した。母の父ダンシングブレーヴはサンデー系と相性がよく、その好相性の核心はHaloとSir Ivorの相似な血のクロスにある。本馬もこれを3×4で持っている。配合的な裏付けがしっかりしているので、全兄妹で走る可能性は高いと思われる。兄同様の活躍を期待したい。
●トウショウスコア(牡 美浦・保田一隆 父サクラバクシンオー、母シンガートウショウ)
「サクラバクシンオー×トウショウフリート」といえばシーイズトウショウ(06年セントウルS-GIIなど重賞5勝)と同じ。母の父トウショウフリートは名牝ソシアルバターフライ3×3という特殊な配合だが、本馬は母方にもう一本持っているので、ソシアルバターフライ4・4×4.さらに、ダンディルート3×4という強度のクロスを持っている。繁殖牝馬、あるいは繁殖牝馬の母として非常におもしろい存在だ。初子の本馬がどういう走りを見せてくれるか興味深く見守りたい。
●プレリアル(牝 栗東・角居勝彦 父アグネスタキオン、母オンブルリジェール)
全姉ジェルミナルはフェアリーS(GIII)を制したほか、桜花賞(GI)とオークス(GI)でそれぞれ3着という成績を残した。母オンブルリジェールはフランスでペネロープ賞(G3・芝2100m)を制した活躍馬。父アグネスタキオンは基本的にヨーロッパのスタミナ血統と相性がよく、そうした血を母方に抱えたものが大物となる。本馬の母はHyperionをベースとした重厚な血で構成されており、それでいてTudor Minstrel≒Abernant 4・5×6などもあるため重苦しさはなく、芝向きの中距離配合としては優れている。重厚な血統構成なので2400mも苦にしない。