南関東は先日の川崎で実施された鎌倉記念(優勝・北海道ニシノファイター)で2歳戦がスタートし、続いてハイセイコー記念(大井・1600m)が迫ってきました。去年はセルサスの強さが際立っていましたが、今年は図抜けた馬が不在で大混戦モードのような……。
新種牡馬メイショウボーラーを父に持つラピッドアラシ(川崎・内田厩舎)は非常に楽しみな1頭だと思います。川崎2戦2勝の実績を引っ下げ前走は準重賞ゴールドジュニアーに参戦して4着でしたが内容はとても立派でした。
ラピッドアラシ 初コースだったので物見もかなりあったようで、スタートではダッシュがつかずに後方2番手から進めていき、最後の直線では馬群に入って厳しい展開になるも、メンバー1の上がりタイム(37秒5)で力強い末脚を見せました。
自在な脚質はセールスポイントで、今回は2度目になるので上積みも十分に期待できるでしょう。
「能力の高い馬。スタートを決めて4、5番手くらいについていければヒケは取らない力はある」と内田調教師も非常に楽しみにしていました。
未知の魅力という面ではガドリング(大井・月岡厩舎)にも興味がそそられます。まだ2戦2勝とキャリアは浅く、その点は月岡調教師も気にしていたことですが、ここまでの勝ちっぷりが圧巻です。新馬戦では馬群から伸びてきて、2戦目は一気の距離延長もこなしました。「初めてのレースには思えない内容だった」とコンビを組んだ戸崎騎手は新馬戦後に話をしていましたが、スケールの大きさも感じられます。
ガトリング すでにマイル戦を経験しているのは強みで、初めて多頭数の中での競馬なので外目の枠に入ったのも好条件でしょう。「間隔がないと不安材料が出てくるものだけど、ダメージもなくて疲れも引きづらなかったから調教でも負荷をかけられた」(月岡調教師)
ピークハンター(大井・市村厩舎)はデビュー戦ではまだ力不足で8着に敗れましたが、それ以降は2戦2勝と安定した走りを見せていて、前走は一気の距離延長も難なくバッチリ決めました。
「状態はすごくいいよ! レースセンスがあって終いもしっかりしているから安心して見られる馬。重賞級だと思って期待をしている」(市村調教師)
準重賞ゴールドジュニアーは後方から進めるも徐々に進出して素晴らしい脚を使ったダイヤモンドダンス(小林・堀厩舎)。好走理由を堀調教師に聞いてみたところ、リングハミに変えてメンコを着用し、折り合いがついたことが功を奏したようです。まだ先々の馬ではあるようですが、ここもしっかり折り合いがついてどのくらい詰め寄ってくるでしょうか。
そして、期待の大きい牝馬たちもラインナップ。
前走の準重賞ゴールドジュニアーは55キロを背負って優勝したアイキャンデイ(大井・上杉厩舎)。大井の2歳馬で一番ハード調教をこなしている馬と厩舎サイドは言っていましたが、的場騎手がつきっきりでじっくり長い調教を行っているそうです。前走後は、「半端じゃないね! 教えたことを全部覚えてくれるし、こんな利口な馬はなかなかいないよ。折り合いもちゃんとつくし距離が延びても大丈夫。重賞が楽しみ」と絶賛していた的場騎手。
アイキャンデイ 敗れた2戦(ともに6着)は砂をかぶったことが影響をしたために、今回は最内枠に入ったのは最大のポイント。的場騎手は「いい枠でしょう」と言っていたんですが、ハナにこだわる馬が不在なだけに、アイキャンデイの積極的な競馬が見られるかもしれません。
リュウトフェアリー(大井・澤厩舎)は6月26日の新馬戦で1000m1分00秒7(良)と快速ぶりを披露した馬。唯一負けたのは準重賞ゴールドジュニアー(9着)で、この時は休み明けで心臓が重かったと厩舎サイドも公言しているだけに敗因はハッキリしています。
前走のはつかり特別は内容がとても濃くて、スタートで遅れて砂をかぶりながら後方から進めていきましたが、最後の直線で一気の伸び脚を見せて完勝。どんな競馬でも対応できるようになったのは強調材料です。
「カイバは食べているしパワーアップしていても成長分。スピードもあって時計もいいし、ここは狙いたい」と自身も重賞初制覇を狙う澤調教師。初距離のマイル戦なのでより折り合いが鍵を握ります。
ドラゴンシップ(船橋・川島正厩舎)は前走のゴールドジュニアーで初コースながらも3着に入り、今回はコース経験があるのは強みでしょう。この中間は上積み十分と厩舎サイドは言っていて、一発があっても不思議ではない能力の持ち主です。