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秋華賞、府中牝馬S追い切り診断

  • 2011年10月13日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜京都11R・秋華賞
・ホエールキャプチャ
 休養明けの前走ローズSだったが、中間の調教内容は文句のつけようのない、質量ともに完璧な仕上げ。馬体重も大きく増えることはなく、休養明けとしては満点の状態で結果を出すことができた。レース後も栗東に滞在し、意欲的な坂路調教を消化。9月30日には時計を出し、最終追い切りを含めて5本を消化。その最終追いも坂路4F51.4-1F12.0秒とラスト1Fが最も速くなる加速ラップで駆け上がることができており、この点が前走時の最終追いと比較してグンと上向いたことを示す。4F時計は自己ベストを0.2秒更新しており、鞍上がコメントしているように、これまでで一番良い状態での出走ということになりそうだ。

・マルセリーナ
 前走の最終追い切りはCWで6F85.6秒。調教本数自体が少なく、追い切りの時計も遅いことで太目残りを懸念していたが、レースでは14キロ増。それが影響した結果なのかは明確ではないものの、6着という結果は不本意だったに違いない。この中間は明らかに前走から一変した調教内容。1週前追い切りの時点でCW6F80.8秒とかなり速い時計をマーク。それだけに今週の最終追い切りは手控えると思いきや、ユニバーサルバンクと併せるしっかりした内容。時計の6F83.4秒は先週より時計の掛かる馬場状態だったことを考えれば十分速い。動き自体も機敏さが出ており、馬体重も絞れているだろうから、桜花賞時のようなパフォーマンスを見せることができる状態だろう。

・アヴェンチュラ
 函館、札幌で連勝しての帰栗。中8週という間隔を考えると、9月28日のCWでの初時計は決して早い時期の始動ではないが、その後は順調に坂路とCWで調教本数を重ねている。1週前追い切りは岩田騎手が跨ってのルーラーシップとの併せ馬。先行していたとはいえ、後ろから追いかけられるとしっかりした脚取りで先着。かなり動きの良さが目立った。それに比べると最終追い切りは6F時計も決して速くなく、最後は馬なりで流したこともあって外からロケットダイヴに差される形。この追い切りも含め、すべて馬なりでの調教という点にも少々不安を感じる。

・マイネイサベル
 ローズSは出走メンバー最速の推定上りを繰り出して2着。決して調教量が多い休養明けというわけではなかっただけに、むしろその反動を心配するこの中間だったが、そんなことはまったくなかった。栗東に滞在したことによって、9月29日にはCWで時計を出すことができ、1週前追い切りには松岡騎手が跨ってマイネルスターリーを追走する併せ馬。かなりハードな内容だったが、それだけやれる馬体を維持できていることが頼もしいかぎり。最終追いも決して軽くすることなく、CW6F83.6〜1F12.4秒と最後までしっかりした走り。これだけしっかりと調教をこなしたのであれば、前走以上の走りを期待したくなってしまう。

・エリンコート
 調教本数としてはかなり消化していた前走だったが、馬体重は14キロ増。そのあたりも響いたのか、先行して伸び切れず10着というオークス馬としては不本意な結果に終わってしまった。この中間も調教量自体は豊富で、巻き返しを期待できる調教内容ではあるが、問題は最終追い切り。気難しさが出たのか、ラスト1Fで13.0秒要した点が気掛かり。なにしろ栗東坂路で最終追いした場合の1Fはすべて13秒を切っていただけに、動き自体が機敏に見えなかった点も含めて、一変を期待するのは少々酷なのかも知れない。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜京都11R・秋華賞
・カルマート
 前走紫苑Sレコード勝ち後の反動もなく、9月25日から追い切り時計を出し、29日、10月2日、6日、9日、そして最終追いとなった12日と中間は入念な乗り込みを消化。そのため12日の追い切りはウッドコースに入り5F68.8-3F38.4秒を余力を残した走りでマーク。牝馬だけに直前ビシッと追ってテンションが高くなるより、ジックリ乗り込んで息を十分に整える内容重視。輸送も考えるとこれでキッチリ仕上がってくるはず。前走は最後差し返す粘り強さを見せつけての勝利。馬体もパンとし、今回はデビュー以来一番のデキ確か。内回り2000mで決定力比べの競馬は前走で実績を示しており、初の阪神コースも特に不安はなし。成長力と距離適性を考えれば金星をつかめるチャンス。

◆日曜東京11R・府中牝馬S
・アニメイトバイオ
 前走の札幌クイーンS。直前の追い切りは本馬場で速いタイムが出たが、仕掛けられてから上体が起きて反応鈍くまだ途上を感じさせた。そのため、3〜4角の勝負どころでモタついて3着。今回は先週までに6Fからの長めの調教を3本消化。そして、直前の追い切りでは5Fから準オープンのリヴァーレを3馬身追走して64.8-上がり37.8秒を引っ張り切れない手応えで計示。前肢の出が大きくなり前走時とはスケールの違う走りを見せた。アパパネと2キロの斤量差があれば…。

◆土曜東京9R・東京ハイジャンプ
・クランエンブレム
 最後の障害飛越で躓き、落馬寸前の態勢から立て直した前走の阪神戦。2着馬とはクビ差の接戦だったが、それでも重賞を勝ってしまうあたりがポテンシャルの高さ。未勝利時代、新潟で人馬転倒を経験しており、その後遺症もあってしばらくは伸び悩んだが、ここにきていよいよ本格化なったとみていい。この中間も山本騎手が時間をかけて熱心に調教を積んでおり(直前は83.6-66.8-52.3-38.8秒=馬なり)、状態は高値で安定。平地準オープンの脚力はやはり大きな武器としてよく、GIII→GII連勝の可能性は非常に高い。

◆土曜東京11R・アイルランドT
・カワキタコマンド
 北海道に遠征してから1、3、3、1、1着、夏を境にグングンと地力をアップ。今週はウンドチップの大外を回って69.2-39.3秒。馬なりのまま軽く流してきたが、それでもラスト1ハロンが12.8秒。体のバネを利かせた力強い脚さばきには、迫力と鋭さが加わり、ここにきての充実ぶりをアピールしてきた。有力馬が休養明けで体調面は大きくリード、馬場の良い東京コースで先行力はフルに活かす。

◆土曜新潟11R・雷光特別
・オクルス
 1週前に速い時計を出し、キビキビした伸び脚でスピード感満点の動き。今週は多少控えぎみにしたが、田辺騎手が跨って素軽い伸び脚。稽古駆けタイプとはいえ、動きの良さが目立っている。気分良く走れば、芝のスピード競馬もOKということを前走で証明。このコースは1戦して2着1回だが、展開に左右されずスピードをフルに生かせるという点で、同馬に向いているようだ。今回は狙いを定めた一戦。

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