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菊花賞、富士S追い切り診断

  • 2011年10月20日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜京都11R・菊花賞
・オルフェーヴル
 前走神戸新聞杯は休養明けとはいえ、二冠馬のプライドから負けられない雰囲気が漂った入念な仕上げ。馬もそれに応えて、完勝と言ってよいレース内容で秋初戦から結果を出した。

 それだけに次走へ向けての調整内容がどのような過程になるのか、気になるところはあったが、いつもと変わらず、早目から調教を開始し、その本数も十分すぎるくらい。最終追い切りでは坂路でトレイルブレイザーを追走したが、並びかけると相手が怯むような仕草を見せる勢いで駆け上がって4F51.2-1F12.3秒。徐々にギアが入る感じで、見ていて気持ちのよい加速が印象的。特に疑問を持つような仕上がりでないことは間違いないだろう。

・サダムパテック
 前走後は短期放牧に出されたが、決して緩められてはおらず、帰厩してからもすぐに時計を出せる状態。1週前追い切りではエーシンフォワードと坂路で併せて先着。4F51.7-1F12.3秒と本来の鋭い走りを見せた。

 最終追い切りは単走。力みのない素軽いフットワークで最後まで脚色が衰えることはなく、4F52.0-1F12.5秒でフィニッシュ。前走時の仕上がりも良かっただけに、急激な良化はないが、常に力を出せる安定した状態になるのが長所でもあるだけに、折り合いに不安のない気性的な武器が通用すれば、瞬発力で最後の一冠を狙える馬ではないだろうか。

・フレールジャック
 決して追い切りで目立った動きをする馬ではないものの、それでも前走神戸新聞杯の動きは地味。それだけに予想段階では評価を下げていたが、折り合いを欠くシーンもあったにも関わらず3着。力のあるところはしっかり示すレースとなった。

 前走時に比べて動きが目立つのが今回。そのあたりを友道調教師に聞くと「前走より動きも良くなってきましたね」とその手応えを感じている様子。最終追い切りはCWでの単走となったが、ラスト1Fは12.2秒の伸び。6F86.1秒と少し遅いのが気になるところではあるが、自らハミをとってしっかり伸びた動きは前走時と違うだけに、あとはレースでの折り合いだけが鍵になるだろう。

・ウインバリアシオン
 調教本数は標準的だが、追い切りの動きは抜群。そんな仕上がりで出走した神戸新聞杯だったが、オルフェーヴルにつけられた着差は0.4秒。当日は18キロの馬体重増だったが「体はあれでいいと思うんですよね」と竹邑厩務員は馬体重増はむしろ歓迎だったことを強調する。

 この中間もいたって順調。坂路とCWを併用した仕上げで最終追い切りはCWで前2頭を追走。直線に向くと楽に並びかけてあとは突き放す一方という前走とそっくりな併せ馬となった。前走時の追い切りがDPで単純比較はできないが、今回の6F81.2秒は少々遅め。それでも動きの良さが目立っただけに、この状態でオルフェーヴルとの着差を詰めてくれるのでは、そんな期待も持てる。

◆土曜東京11R・富士S
・エイシンアポロン
 前走は長期休養明けだったが、しっかり調教量をこなして、最終追い切りの動きも軽快だったことが結果に繋がり、見せ場十分の4着。能力の衰えはないところをしっかり見せつけてくれた。

 今回は長期休養明けの中1週。反動が出ることも懸念されるローテーションだが、追い切りの動きからはその気配は微塵もない。坂路での最終追い切りでは前で追い切っていた馬が寄ってきて狭いスペースだったにも関わらず、しっかり伸びて4F52.0-1F12.5秒。数字的には前走より遅いが、その動きは変わらず良い。これで走れないようなら、中1週の反動としか考えられない好仕上がりだ。

【美浦トラックマン情報】
◆土曜東京11R・富士9S
・アプリコットフィズ
 速い時計で好走した反動もなく、この中間は入念な乗り込み。今週は持ったままの手応えで、終い36.3-12.0秒をマーク。素軽さ満点で絶好の動きを見せた。今現在は細く見えず、輸送で極端に減らなければ、好状態で出走できそうだ。前走は捲りぎみの進出で外めを回されたが、終いしっかり伸びて僅差の2着。レース内容、走破タイムとも優秀だし、同馬に最も向いているのは東京コース。

◆日曜新潟11R・信越S
・メイビリーヴ
 前走の京成杯。1200がベストの馬が1600レースで明らかに距離が長すぎ。そのうえ、道中競り込まれて厳しい展開。11着大敗も仕方なし。前々走の二位旗1400の朱鷺Sで2着に好走し平坦コースなら終いしぶとく粘ることを実証。1週前の調教はゴール前でビシッと追い5F63.6-秒。そして、直前さらに強化して直線で目一杯追い5F62.2-上がり36.7秒をマーク。強く追う稽古をしない馬が2週続けてハードに追ったことに高い価値。ベストの平坦1200を最高のデキで臨む。

◆日曜京都12R・京都クラウンP
・ガンマーバースト
 7月以来の競馬になるが、9月末から坂路を交えて、入念な乗り込みを消化。今週はポリトラックで同格のナイアードを1.3秒追走して、 66.4-37.7秒。押さえ切れないほどの手ごたえで楽々と併入。少し気性の勝ったタイプで間隔があいたほうが、むしろ状態面には不安がない。ダート1800[3-2-0-1]、着外の一戦はオープン特別で出遅れから折り合いを欠いた競馬。準オープンクラスは前々走4着、得意の距離で状態万全。クラス2戦日となれば、勝ち負けの競馬になる。

◆日曜東京10R・甲斐路S
・ビンテージチャート
 ここはおよそ4か月ぶりの実戦になるが、プール併用で急ピッチの乗り込み。木曜は2ランク下の馬を追いかけ、持ったままで併入。オーバーワークにならないように細心の注意を払いながら仕上げているのが見てとれる。過去に3、3、1着と鉄砲はむしろ得意としており、広い東京コースなら、1800mでも距離不足ということはないはず。得意の左回りなら能力は十分に発揮できるはずで、久々でも軽くは扱えない。

◆土曜東京10R・神無月S
・ザドライブ
 前走は4か月半ぶりの実戦。プラス10キロの馬体増が示す通り重さが残り、そのうえにスタートで後手を踏み、結局流れに乗れないままの惨敗は仕方なし。元来が叩き2戦目で成績を上げてくるタイプで、19日の最終追い切りでは中1週のレース間隔ながら、併せ馬でハード内容消化は体調面が上向いている現れ。ポリトラックに入って格下馬との併せ馬は2馬身差遅れたが、ケイコはあまり動かないタイプで、むしろビシッと追ったことに好感。休み明けを叩いて太め解消。気合いもグーンと上向いてきた今回は力発揮間違いなし。得意の東京戦で、距離もベストの1400。さらに、ハンデは軽量54キロとなれば好勝負必至。

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