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天皇賞・秋、スワンS追い切り診断

  • 2011年10月27日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・天皇賞・秋
・ブエナビスタ
 宝塚記念から休養を挟んで天皇賞・秋というのは昨年とまったく同じローテーション。それだけに昨年の調教内容と比較しながら、今年の調教内容を見ていたが、1週前追い切りで大きな違いが出てきた。

 それが「6F時計」と「併せ馬」という内容。まず6F時計は昨年が80秒台だったのに対して、今年は88秒台。極端に遅く、そして単走だった昨年から今年は併せ馬。陣営から太目残りのコメントが出ているだけに、そのあたりを考慮しての併せ馬だったと考えられる。そして最終追い切りも昨年単走だったのに対して、今年は併せ馬を行ったが、そこでラフォルジュルネに遅れてしまった。これだけ追い切り内容に違いが出ているのであれば、決して調教評価を高くすることはできない。

・アーネストリー
 前走は札幌記念回避後の一戦ということで仕上がりは60〜70%。それでも完勝したレース内容は相手関係以上にこの馬自身が本当に強くなっているからだろう。またレース時のゴール前では涼しい表情で走っており、レースの負担が非常に軽かったことを示している。

 その証拠に坂路での追い切りは6本。中4週でこの本数はこの馬にとっては過去最高に多い本数。これだけ乗り込めたのは前走後の疲労が少なかったから。またその内容も非常にしっかりしており、最終追い切りに関しては坂路4F52.0-1F12.7秒。この時計に「体感では53秒くらいなんだけど、これだけ時計が出ているというのは右トモがしっかり入って推進力がある証拠」と追い切りに騎乗した佐藤哲三騎手。坂路で本数を多く乗るという調教に替えてから「ブレない走り」に変わっているだけに「昨年3着」「東京未勝利」といった言葉はただの雑音で終わる可能性が高く、今年は違った走りを見せてくれるだろう。

・エイシンフラッシュ
 昨年のダービー以来、優勝からは遠ざかっているものの、春シーズンは天皇賞春2着、宝塚記念3着と古馬になってから安定して上位争いができている実力の持ち主。

 今回は秋緒戦となるが、その調教量は実に豊富。9月17日には坂路で15-15の調教を開始し、10月に入るとCWも併用しての仕上げ。そして最終追い切りはCWでゴッドエンブレムを前に見て直線ではあっさり抜き去った。その時計は6F81.9-1F11.9秒と同じ休養明けの大阪杯時と比較して4秒近く速い。それだけ負荷を掛けられているという証拠だろう。直線で2度手前を替えた点がやや不安だが、それ以外は特に心配な点はない。

・ローズキングダム
 斤量不安を克服して秋緒戦の京都大賞典を1着で飾った前走から中2週。橋口厩舎らしく、日曜、水曜という坂路で2本追い切るパターンで仕上げてきた。

 その最終追いは坂路でアーセナルゴールとの併せ馬。いつものようにモタれる仕草は見られたが、その時計は4F51.9-1F13.3秒。「終いは少し掛かったが、全体が速いのがいい」と橋口調教師もその内容には満足。かなり馬場の荒れた時間帯だっただけに、この時計は数字以上に速い評価をしてもよいだろう。右回りだと内にもたれてしまう面があるが、左回りではその点が心配ないだけに、上位争いは間違いない。

◆土曜京都11R・スワンS
・リディル
 橋口調教師が「米子Sを勝った後はすぐにスワンSを目標にした」と話すように、早くからこのレースを目標に放牧から帰厩という段取りが組まれ、9月中旬から出している調教時計は楽に10本を超えている。

 その中身も濃く、レース1か月前の9月28日の段階で坂路4F52.7秒と速い時計をマーク。その後も順調に追い切りを重ねて、1週前追い切りは坂路4F51.8-1F12.0秒で「重心にブレのないフットワークで素晴らしい動き」と同師も納得の動き。そして最終追い切りは坂路4F51.0〜1F12.6秒と抜群の動きを見せ「じっくりとこの馬の瞬発力を見てください」と自信の仕上げ。休養明けという不安はまったくないと考えていただきたい。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京11R・天皇賞・秋
・ジャガーメイル
 前走京都大賞典は昨年末以来の10か月ぶりの実戦。それだけに直前の追い切りでは珍しくビシッと追って早いタイムを計示。それでも元来が叩いて良化型だけに鋭さを欠いて8分程度の仕上がりで臨んだ結果が4着。直線で一瞬の見せ場を作ってのものだけに、この4着が次につながることは確か。今回は通常のパターンどおり1週前に速い時計を出し。最終追いは4Fから53.4-3F38.5-1F12.1秒終い重点の内容を消化。年令的にケイコも動かなくなり、少し迫力を欠いたが、叩いてから気持ちが一変しており、キッチリ仕上がってきた。昨秋は悔しい結果に終わったが、昨春の天皇賞馬。力負けはしないはず。左回りも苦にせず好勝負必至。

◆土曜東京11R・紅葉S
・プレイ
 この中間はウッドコースでビッシリ追うこと2本。坂路でも入念で、実に意欲的な乗り込み。今週はロゼクリスタルを1.8秒、ヴィオラーネを2秒半追走から、ゴール前鋭く伸びて併入。動き、気合いの良さが目立ち、状態面は万全と思える。まだ若さ残り、荒削りなレースぶりになっているが、弥生賞でサダムパテックに差のない2着と、潜在能力は一枚上。道中遊ばせない外人騎手騎乗で変わり身を期待できる。

◆日曜東京10R・河口湖特別
・スイレン
 昇級初戦の前走は直線外から被されて、完全に仕掛け遅れ。それでもゴール前、盛り返しての3着。併せてからの根性があり、やはり本来の積極策のほが、ロスがなくの馬の力が出し切れる。この中間の気配も抜群で、今週はウッドチップで83.9-68.9-40.5秒、外々を回つても終始余裕の手ごたえ。以前は動きに硬さが残っていたが、今は解消して、充実ぶりが目立つている。昇級2戦目、強気な後藤騎手も好材料。単勝から狙っていく。

・スガノメダリスト
 久々の前走。馬体重こそ増えていなかったが、もう1本ほしい仕上げ。得意の阪神へ遠征したものの、本来の切れ味が見られずに、6着止まりも仕方のない結果だった。その後は中3週あけて乗り込み、大幅に体調アップ。直前も単走で67.9-52.3-37.8秒を馬なりでマークし、ラストの伸びも文句なしだった。少しでも前がやりあう流れになれば、直線勝負で十分に届くはず。乗り慣れた四位騎手を早々と確保して、ここは力が入る一戦といえる。

◆日曜東京12R・東京ゴールデンP
・サイレントメロディ
 初のダート戦だった5月の東京1000万下。内目の好位置から直線で外へ出し楽々抜け出して完勝。ダートで決め手不足を補い新境地を開いた。そして前走の羊蹄山特別も再度1000万で余裕の勝利。今回は昇級戦となるが、気性の強いタイプで馬体はスッキリ仕上がって1週前にウッドで6F84.9秒を抜群の手ごたえで計示。直前は息を整える程度で5F69.7-上がり40.9秒とセーブしたが、手応えは押さえるのに苦労するほど。底を見せていないダートで3連勝は十分可能。

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