先週の菊花賞では、みごとオルフェーヴルが勝利。日本競馬史上7頭目の三冠馬が誕生しました!
水曜に池江厩舎を訪ねると、オルフェはちょうど運動中。担当の森沢さんを背に、悠々と歩いていました。その雰囲気からすると、あの激走後も問題ないようです。来年は凱旋も賞に挑戦でしょうか!? 楽しみですね。
さて、今週は天皇賞・秋。このレースでは、ブエナビスタに牝馬初連覇の記録がかかっています。
それにもかかわらず、松田博先生は「今回も普段と変わらず、体はできてるで~。まあ、太め感はあるけど(ここから)自分で馬体を作っていくからたいしたもんや」と、いつもの松田節炸裂でした。
しかし、追い切りでは格下馬を相手にCWで遅れを取ったんですが「その辺りは?」と聞いたところ、レース前の追い切りに限らず、「数字に惑わされないようににしているから」との答えが返ってきました。
つまり、「終い重点だったから時計は気にしない。動きがいいんで大丈夫」ってことなんですね~。
跨った岩田さんも「相手が走りすぎただけ」と意に介していませんでした。むしろ、「春に比べて、いい脚が長く使えるようになっているよ!」と誉めてましたよ。さらに、「春は悔しい思いをしているからね。最強牝馬の名に恥じないレースがしたい」と闘志を燃やしていました。
このレースに勝てば、獲得賞金牝馬歴代1位のウオッカを抜いて賞金女王の称号も手に入れるブエナビスタ。さまざまな記録をかけての勝負に挑みます。
そのブエナを宝塚記念で破ったのはアーネストリー。女王を負かしただけでなく、レコードでの勝利でした。
あれから4か月がたちました。前走のオールカマーでは59キロの斤量ながら、好位抜けだしで余裕の勝利。しかも、これもレコードでの制覇でした。捻挫で札幌記念を回避した後のレースだったので、ビックリしまたよね。
ちなみに、「捻挫明け」だったので7割の仕上げだったんだそうですよ。で、今回ですが、もちろん渾身の仕上げ。「この馬の持てる力が出せるようにしました」と佐々木先生は自信アリな様子。
追い切りは先週から復帰している佐藤騎手が乗って行われ、坂路単走で52.0-37.7-24.8-12.7となかなかのタイム。動きも軽快で、佐々木先生も「いいね~」とうなずいていました。
さらに「以前は右トモが甘いという感じがあったけど、もうブレずに真っ直ぐ走れているし、脚さばきもよかった。天皇賞・秋では、この馬の走りを見せてくれれば、いい結果が出せるでしょう。今、最強なのはこの馬だと信じている」と強気なコメントを飛び出しました!
まだまだ進化の途上というアーネストリー。GI連勝を賭けて、どんな走りをしてくれるのか楽しみですね。
さて、ブエナと対戦を楽しみにしているのは、ローズキングダム。昨年のジャパンCでは、ブエナの降着によって繰り上がり1着という、なんとも煮え切らない決着となっただけに、今度こそ実力白黒つけたいところでしょう。
前走の京都大賞典では59キロを背負って出走。直線では迫力ある伸びを見せて先頭に取りつくと、他馬をグングン突き放して快勝。このレースを橋口先生は「秋初戦でいいレースができた」と振り返ります。
今回は「しっかり負荷をかけた調教をこなしてきた」とのことで態勢は万全。その証拠に水曜の追い切りでは先日、橋口厩舎所属となった赤木騎手が跨り、坂路を51.9-38.3-32.5-25.9-13.3と快走しました。
橋口先生は「東京コースは相性がいいし、強い馬が揃ったレースができるのは嬉しいですね」と表情をほころばせました。
ちなみに、橋口厩舎の「仕上げ」と言えば「坂路調教」と今や定番と化していますが、この調教方法は、先生が34歳でフランスへ行ったとき、現地の馬が坂道を走るのを見て「これなら、脚腰が強く育つよな~」と感じたのがきっかけなんだそうです。
ローズキングダムも坂路を中心に調整され、強くなってきました。厩舎で飼い葉を平らげる姿は堂々としたものでしたよ。
今後はジャパンC、有馬記念と進む予定とのこと。そのGIキャンペーンの第一戦ですから、いい走りをしてほしいですね。
このほかにも、今年の天皇賞・秋にはGI馬が8頭も出走し、名勝負が繰り広げられること必至。今から、ワクワクし通しです!