マイルグランプリ(11月2日 大井 サラ3歳以上 別定 南関東SII 1600m)
マイルグランプリは当初、3月と11月の今年2回施行される予定だった。このうち3月分は震災の影響で中止になり、けっきょくJBC前夜祭的な狙いで組まれた11月分が本日2日に行なわれる。なにやらややこしい説明で申しわけない。
要するに、11月のマイルグランプリは、恒久的な時季変更ではなく、今年一過性のものであること。ただ記者自身は、いっそのこと…という思いもある。同レースを、明日3日JBCデーに組み込む形がむしろ自然ではなかったか。
JBCはダート競馬の祭典、特別な日。となれば「一日豪華主義」が、ある意味理想だ。そういうアイディアの方が、少なくともファンの目には、新鮮かつ画期的に写った気がする。
(1)…波乱含み。1番人気[4-1-3-2]、2番人気[1-2-2-5]、3番人気[3-1-0-6]。近年、超A級(過去アブクマポーロ、コンサートボーイなど優勝)の出走がほとんどなく、波乱が前提。
(2)…船橋VS大井。船橋=5勝、2着5回、大井=4勝、2着4回。昨年だけ例外で、浦和クレイアートビュン(4人気)→川崎ヴァイタルシーズ(13人気)のワンツーだった。馬単7万4千円台の大波乱。
(3)…性齢広範。5歳=4勝、2着2回と一歩リード。しかし6歳=2勝、2着4回、7歳=2勝、2着2回と互角に近い。牝馬は出走数自体少ないが(計7頭)、17年プルザトリガー、19年アウスレーゼ2着。
(4)…先行有利。逃げ=7、先行=5、差し=7、追込み=1。基本的に先行主流。優勝馬10頭中7頭が、その時点で重賞タイトル(千六以下)を持っており、実績のあるスピード型にまず注目。
※データ推奨馬
◎ロイヤルボス…大井(小林分場)所属、7歳馬。一昨年春マイルグランプリ、さかのぼって2歳時のハイセイコー記念、千六重賞を2勝している。好位から息の長い脚を使うタイプ。鞍上・張田Jはこのレース4勝、相性がきわめていい。
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◎ザッハーマイン 55的場文
○ルクレルク 57戸崎
▲ケイアイゲンブ 55和田
△ロイヤルボス 58張田
△スーパーパワー 58坂井
△フジノウェーブ 59御神本
△ツルオカオウジ 58町田
ボク 55ムンロ
セントラルコースト 57川島
シャインウェーヴ 57吉原
ザッハーマインは、スピード、切れ味、勝負強さ、すべてバランスよく備えた一級マイラーの評価ができる。兵庫(3勝)→JRA(3勝)を経て、昨秋船橋トレード。以後南関東同士の重賞、4戦全勝、統一牝馬Gもクイーン賞2着、TCK女王盃と健闘した。
ラヴェリータ、ミラクルレジェンド、JRA女傑級に展開不問で肉薄できる絶対能力。実績、格からは明日レディス出走が妥当だが、今回夏場全休の放牧明けで、より「ベスト条件」にこだわったものと判断したい。
いわゆる「自ら体を作るタイプ」で追い切り軽快。現実に鉄砲[2-1-1-0]の実績を残している。鞍上的場文騎手はこのレース、過去10年2勝。ザッハーとのコンビ[4-1-0-0]も特筆できる。
今回予想、中心(◎)はひとまずノータイムで決まったが、その相手はどうにも迷う。順調さ、マイル適性(7勝)でルクレルク、上昇度、55キロ恵量でケイアイゲンブ。ただ前者は壁を乗り越えられない勝負弱さが気になり、後者は前走いかにも厳しい競馬だった反動(ハナ差勝利)が不安点だ。
データ推奨ロイヤルボスは、長期休養明けで気配待ち。それでもマイル適性、自在性には定評があり、今回馬券上、盲点(狙い目)という見方もできる。
スーパーパワー、ツルオカオウジは、ともに本来中〜長距離型。忙しい千六を底力でどう補うか。逆にフジノウェーブは、近況枯れてきたにせよ本質スプリンター。59キロで突き抜けるイメージが浮かばない。
自在性のあるボク、潜在スピード互角シャインウェーブ、セントラルコーストまで圏内。人気の割れそうなレースで、記者自身はザッハーマインから手広く流す。