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Galileo×ブリーダーズC勝ち馬、アントゥワード

  • 2011年11月02日(水) 12時00分
●アントゥワード(牝 美浦・古賀慎明 父Galileo、母Eliza)
 母ElizaはブリーダーズCジュヴェナイル(米G1)、サンタアニタオークス(米G1)などを制した名牝。繁殖牝馬としてはレイルウェイS(愛G2)2着のSamuel Morse、スカイラーヴィルS(米G2)3着のMiss Doolittle、日本で走り準OPまで出世したミスターケビンなどを出している。本馬の父GalileoはSadler's Wells系で、今年の欧州年度代表馬の座が確定的となっているFrankelの父でもある。基本的には重い馬場を得意とするタイプだが、母ElizaはNasrullah 4×4でスピードがあるので、それほど重苦しいタイプには出ないだろう。ただ、日本の馬場に向いた決め手は感じられないので、行って粘る芝・ダート兼用のマイラーになりそう。

●アンヌ(牝 美浦・矢野英一 父プリサイスエンド、母ムートン)
 母ムートンはNumber≒Fairy King 2×2という特殊な配合で、繁殖牝馬として楽しみがある。これにプリサイスエンドを交配して誕生したのが本馬。「プリサイスエンド×ジェイドロバリー」の組み合わせは過去JRAで2頭しか走っていないが、そのうちの1頭が武蔵野S(GIII)と根岸S(GIII)を勝ったグロリアスノアなので、おもしろいところがありそう。

●エーシンルクソール(牝 栗東・野中賢二 父ゴールドアリュール、母レマーズガール)
 母レマーズガールは高い能力を持ったダート馬で、エンプレス杯(GII)などダート重賞を9勝した。これにダートナンバーワン種牡馬のゴールドアリュールを交配して誕生したのが本馬。母の父Defrereはブルードメアサイアーとして定評があるDeputy Minister系。配合的には文句がないので、父母同様に高いダート適性を受け継いでいる可能性が高いだろう。

●ミラクルムーン(牝 美浦・手塚貴久 父アドマイヤムーン、母ノースフライト)
 母ノースフライトは安田記念(GI)、マイルCS(GI)など6つの重賞を制した名マイラー。繁殖成績は期待ほどではないものの、息子のミスキャスト(父サンデーサイレンス)は福島記念(GIII)2着、弥生賞(GII)3着などの成績を残した。本馬を産んだのは19歳時だが、並の牝馬ではなかったので配合が合えば一発大物を送り出す可能性は十分ある。父アドマイヤムーンは今年の2歳世代が初年度産駒で、好調な出足を見せている。Mr.Prospectorとサンデーサイレンスの血は母に合うと思われるので期待できる。芝向きのマイラー。

●レッドサイファー(牡 美浦・藤沢和雄 父フジキセキ、母アルウェン)
 半姉ギンザボナンザ(父ゼンノロブロイ)はアネモネS(OP)の勝ち馬。2代母アドラーブルはオークス馬で、その全妹エアシャロンはフジキセキとの間に佐賀記念(GIII)の勝ち馬エアピエールを出している。したがってフジキセキを父に持つ本馬とエアピエールは実質的には4分の3同血といっていい。エアピエールはIn Reality≒Idmon 4×3がダート適性の源だった。本馬はこれを4×4で持っている。「フジキセキ×トニービン」はどちらかといえば芝のほうがいい組み合わせだが、ダートにも適性があるだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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