かつてと異なり、近年もっとも成績がいいのは3歳馬。余程レベルに問題のある年以外、主役は3歳馬と考えていい。昨年、3歳マンハッタンカフェが楽勝し、5歳テイエムオペラオー、メイショウドトウが沈んだのはしごく当然の結果ともいえる。近年、最強の世代の1つが、スペシャルウィーク、グラスワンダー、エルコンドルパサーなどの現在7歳馬であることはいうまでもない。アメリカンボスもその世代。だから昨年、好走できたのだともいえる。
アグネスタキオン、クロフネ、マンハッタンカフェ、そしてジャングルポケットの現4歳世代も、早めに引退した馬が多いため目立たないが、実はレベルは高い。
大幅に持ち時計を更新して東京2400mのジャパンCや、中山2500mの有馬記念を乗り切りながら、昨年沈んだテイエムオペラオー、メイショウドトウ、ナリタトップロードの世代は(大好きな世代だが)、錯覚されていることが多い。好ましい個性あふれる世代だったが、シビアにいうとかなりレベルの低い世代なのである。
今年、ナリタトップロードの逆転快走を夢みるファンも多く、私もそう思うが、それはあまりに苦しい期待すぎる。力を出し尽くしても無理だろう。
3歳馬のレベルも高いが、4歳世代のレベルも実は近年を代表するハイレベルだった。
ジャングルポケットはそのエース格。ダービーを圧勝し、3歳時にもうジャパンCを勝っている。今年は不振だが、トニービン産駒に3000m以上はもともと無理。G1で走った馬はせいぜいこの馬だけ。この秋、少しも活力をロスしていない。再三の充電でエネルギーにあふれている。トニービン産駒にしては中山も平気、また、ダービー圧勝が示すように重も平気だ。