今年創設されたJBCレディスクラシックには、砂の女王として君臨するラヴェリータとミラクルレジェンドが出走。前走のレディスプレリュードは斤量差もあっただけに、今回は同斤量でどっちが強い?
ラヴェリータとミラクルレジェンド以外でも中央馬の層は厚いのですが、2頭以外は図抜けていない印象……。その隙をついて地方勢にも頑張ってもらいたいと思います。
前走のレディスプレリュードは3着に逃げ粘ったエーシンクールディ(笠松・伊藤強厩舎)。見せ場たっぷりの好走で場内も非常にわきましたねぇ。結果論から言えば、上位馬ともヒケの取らない実績を残していた馬です。中央5勝(地方2勝)で、今年の根岸Sはセイクリムズンから1秒差の4着に入るなど牡馬の実力馬たちとも好走をしてきました。
エーシンクールディ 中央時代は短距離を中心に活躍してきただけに、大井の広いコースの1800mをこなせるかどうかは走ってみないとわからなかったんですが、「気持ち良く走れれば粘ってくれるので、今日みたいな走りができれば(1800mも)決して長くないと思います」とコンビを組んだ岡部誠騎手は言っていて、今回もその辺りは鍵を握るでしょう。
レース後は3日休んで4日目から調教を開始。さすがに多少の疲れはあったようですが、間隔が空いてじっくり調教ができたそうです。「今は元気いっぱいで、本追い切りも今までで一番動いたと思います。前回は思っていた以上の走りをしてくれましたが、今回も恥ずかしくない競馬をさせたいです」と伊藤調教師。
絶好の最内枠(1枠1番)に入ったのでもちろん逃げ宣言だそうですよ!!! マイペースで行けるかどうか。
前回同様に、レース前日の夕方頃に大井競馬場入りをする予定です。
09年黒潮盃と09年TCKディスタフの覇者で実力馬ツクシヒメ(船橋・山浦厩舎)が復調してきています。休養前はダートグレードレースでも好走してきた馬で、潜在能力は南関東の牝馬の中でもトップクラスと言えるでしょう。
ツクシヒメ しかし脚部不安で長期休養に入り、復帰後も本来の走りが見られない日々が続きました。「自分たちが思っていた以上に、ヒメの気持ちがオフになっていたのかもしれないねぇ」と厩舎サイド。
それでも徐々に復調の兆しは見せていて、前走のレディスプレリュード(6着)はミラクルレジェンドとショウリダバンザイ(36.2秒)に次ぐ上がりタイム(36.7秒)を披露したばかりです。
山浦厩務員のお話しでは、いい頃のクセを見せるようになってきたそうで、「3日に1度は自分で背伸びをしていたけどそれをするようになってきたし、洗い場には置いておけないくらいの元気も出てきた。カイバの食いつきも良くなってきたよ」とのこと。
本来の力が完全に戻るのはまだ時間がかかるかもしれませんが、そもそものレベルは高い馬だけに、良化途上の今どのくらいやれるか見てみたいです。
「イメージとしては前走のような競馬になると思うし、今回の方が頭数は少ないからさばきやすいだろうね。ヒメにはもってこいの条件だし、復帰した時からこのレースに出走させたいと思ってやってきた」(山浦調教師)
牡馬の好メンバーが集った埼玉栄冠賞に参戦したテイエムヨカドー(船橋・渋谷博厩舎)は5着に健闘。「レース自体は1900mだったけどこれまでの1800mの持ち時計の比較から言っても、最低人気(11番人気)はおかしいなぁと思っていたから、このくらいは力のある馬」と渋谷調教師。
コンビを組む森騎手が前走からつきっきりで調教をつけているそうで、「以前よりも上向いてきていると思うし、前走とはいい意味で平行線ですね。相手は強いですがどのくらいやってくれるか楽しみです」(森騎手)
そして、今回は宮城県加美郡加美町の菅井澄さんの牧場で生まれたマトリックストート(大井・赤嶺厩舎)が重賞初挑戦。加美郡は県北の山の方なので津波被害はありませんでした。過去の成績を全て調べた訳じゃないんですが、宮城県産馬がJBCに出走するのは初めてかもしれませんよねぇ???
今年は東日本大震災の影響で、『馬から、人を元気にしたい』というコンセプトが随所にちりばめられたJBC開催になっています。そういう中で、数少ない宮城県産馬がこの特別な年に挑戦してくれるのは、宮城県人の私としても非常に感動をおぼえます。
マトリックストート 生産牧場の菅井さんも愛馬の大きな挑戦を非常に喜ばれていました。「相手はあまりにも強いですがこの舞台を走るのも名誉なことです。宮城県の生産者の活性化になればいいなとも思いますし、とにかく無事に走ってほしいです」と菅井さん。
マトリックストートの話題は南関東競馬ブログ『南関魂』の中でもたっぷりとご紹介する予定です。