さぁ、JBCクラシックがやってまいりました。スマートファルコンが強いの? トランセンドが強いの? 日本を代表する砂の王者たちのガチンコ対決が大井競馬場で見られるのがたまりません!
この2頭に南関東の期待の星、レースセンス抜群のテラザクラウド(小林・荒山厩舎)がどれだけ迫れるんでしょうか。勝負前からこういう言い方もアレですが、ここをあっさり勝てるほど甘い世界ではありません。それは関係者も十分に承知していることですが、これから大きな夢や希望を託したいというのは関係者も南関東ファンも共通の願いだと思います。
東京記念(優勝)から数日後に、千葉県大東牧場内にあるセグチ・レーシングステーブルへ短期のリフレッシュ放牧に出ました。これまでの疲れを癒してからトレーニングを開始し、坂路なども交えて15-15の時計を3本ほど出してから10月中旬に小林牧場へ帰厩しました。
テラザクラウド 1週前追い切りではまだ重め感は否めなかったようですが、本追い切りは東京記念の雰囲気に近づきつつある動きは見せたそうです。「放牧に出して気持ちがオフになっている分、このひと追いでどのくらい戦闘モードに切り替わってくれるか。体は増やしたくないけどプラス体重で出る可能性もあると思う。今回は相手も強いしあくまでも挑戦者」と荒山調教師。
これほどの馬になると直前までコンディションを持ち上げてくることも考えられるので、当日の気配面には注意したいですねぇ。
ちなみに、担当してきた小林を代表する腕利きの向山厩務員が定年を迎えたために、今回からこれまた重鎮で92年東京ダービー馬グレイドショウリや、最近ではハーミアを手がけた松田厩務員が担当になりました。
強い馬と戦うことでさらに強くさせたいという関係者の考えから、この後も中央馬たちと同じローテーションを進ませたいということで、ジャパンCダートから東京大賞典を見すえています。「伸びしろはあるからもっと強くなる」と関係者の期待も大ですが、今の途上の段階で、日本を代表するダートホースたちにどれだけ迫れるのか楽しみです。
ボンネビルレコード(大井・庄子厩舎)は9歳になってもこういう大舞台での走りが似合いますよねぇ。08日本テレビ盃以降勝ち星からは遠ざかっていますが、それでも今年の帝王賞は地方馬最先着の4着で魅せてくれています。
ボンネビルレコード これまでは調教パートナーでもある的場文男騎手がつきっきりでじっくりと長く乗り込むハードトレーニングを行ってきたことは有名ですが、今回は自厩舎の高野誠毅騎手が調教パートナーに替わり、この馬にとってはこれまでよりも軽めなトレーニングで仕上げてきたそうです。
「暖かい時期の方がいい馬だけどまだ状態は維持できているし、レースの乗り方は的場に任せる。たくさんの人にかわいがってもらってきた馬だし、そんな皆さんの期待に応えられるように頑張ってほしいね」(庄子調教師)
そして、09年東京ダービー馬サイレントスタメン(川崎・足立厩舎)も果敢に参戦してきますよぉ。「前走(埼玉栄冠賞・6着)は差されたのが気になるんですよねぇ」(足立調教師)と言うことで、これまでは必ず末脚を発揮して追い込んできたスタメンが、前走は他馬に差されてしまったのは腑に落ちない様子でした。
「まだ気合いが足りないなぁ」と金子騎手も言っていましたが、叩き良化型なので、休み明け3戦目の今回は良化しているそうですよ。「まだ伸びてくれる馬だけど、気合い乗りも出てきたし走れるようになってきたと思う」と坂野厩務員。
他地区の有力馬はタガノサイクロン(兵庫・森澤友厩舎)になるでしょう。
中央時代は5勝を挙げてオープンクラスで走ってきた馬ですが、兵庫に仲間入りをしてからも目下3戦3勝でその中には地元の重賞2勝も含み大活躍です。
タガノサイクロン(提供:TCK)「脚元に不安がある馬なので、この中間は近郊にあるオーナーさんの牧場でウッドチップなどで調整を行ってきました。夏の疲れも抜けて調子がいいのか、追い切り時計もかなり出たし馬体も柔らかくていい状態に仕上がったと思います」(森澤調教師)
すでに8歳になりましたが、馬自体は若くて元気もあるそうです。跳びが大きく筋肉質なので、園田の小回りコースよりも中央や大井の広いコースの方が走りやすいのではないかと見ているそう。
レース前日の早朝に地元を出発し夕方頃に大井入りを予定しているそうです。