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アルゼンチン共和国杯、ファンタジーS、みやこS追い切り診断

  • 2011年11月03日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・アルゼンチン共和国杯
・オウケンブルースリ
 復活の兆しを見せたのが前走京都大賞典。音無秀孝調教師は「追い切りがレース結果に直結する馬。前走は最終追い切りで動けていたからね」とその要因が状態の上昇であったことをコメントしている。

 そしてこの中間はさらに状態がアップ。普段の坂路をキャンターで駆け上がってくる仕草が活気があり、成績が低迷していた時とはまったく違う。最終追い切りもジョッキーが騎乗したとはいえ、追われてからしっかりと反応してサンライズベガに先着。ラスト1Fは前を走っている馬が走路を遮るようなシーンもあったが、力強く伸びて12.7秒。闘志、スピードともにGIで好走していた当時の迫力が戻ってきた。

・ビートブラック
 前走休養明けの京都大賞典は調教本数がやや少なかったものの、その中身は坂路4Fで51.7秒、50.6秒、50.0秒と非常に濃く、仕上がりとしては決して悪くなかった。その結果、直線での叩き合いでは2着を確保している。

 中3週で迎えた今回は調教本数は4本と前走時よりも強化されており、その中身もしっかりしている。ただ最終追い切りは単走で行われたためか、終始舌がハミを越している状態。時計的には坂路4F51.9-1F12.8秒と悪くないが、叩かれたことで上昇している印象はさほどない。

◆日曜京都11R・みやこS
・エスポワールシチー
 前走南部杯では果敢にハナを奪い、直線半ばまで見せ場十分のレース内容。最後は失速したが「次が楽しみになる内容でしたね」と安達昭夫調教師もその走りを高く評価していた。

 この中間は坂路とCWを併用して入念な仕上げ。最終追い切りは坂路で単走だったが、前半2Fは非常にゆったりしたフォームで入り、後半2Fはスイッチが入ったかのようなピッチの利いた小気味よいフットワーク。全体の時計は4F53.5-3F38.4-2F24.5-1F12.2秒。ゴール直前でヨレる仕草は見せたものの、動き自体は明らかに前走より良化しており、騎乗した佐藤哲三騎手も「かなり良くなってきている」と手応えをつかんでおり、今回こそ負けられない戦いになりそうだ。

・ニホンピロアワーズ
 初夏に1600万下、オープン特別と連勝を決めて休養。前走休養明けの白山大賞典では2着と重賞でも力の足りるところを証明している。

 その時の最終追い切りはCW6F79.4-1F12.3秒とこの馬らしい、全体時計が速い上にラスト1Fもしっかりしているという好走パターンの追い切りだったが、今回はCW6F78.1秒と全体の時計が速いとはいえ、ラスト1F13.7秒と遅い。同時間に追い切っていた馬との脚色比較でも目立っておらず、いつも追い切りで動いて結果の出るタイプとしては物足りない最終追い切りとなった。

◆土曜京都11R・ファンタジーS
・ファインチョイス
 前走函館2歳Sは中1週での出走だったが、函館Wでの追い切りでは抜群の動きを見せて、レースは完勝。アドマイヤムーン産駒の初重賞制覇を決めた。

 今回は中12週と間隔が空いて、栗東トレセンで最終追い切りという初めての状況だが、追い切り場所は前走時函館Wと同じ下地のCW。時計的にも5F68秒台というのは同じだが、少し違うのはその動き。前走時は直線に入って左手前に替えると、そのままゴールまで突っ走ったが、今回は直線中ほどで逆の右手前に。そこから左手前に替えることなくゴールしており、この走り方に長い直線で良い脚が長く使えるかどうかという不安が出てきた。

【美浦トラックマン情報】
◆土曜京都11R・ファンタジーS
・ビウイッチアス
 1週前に48.3秒というすごい時計で古馬をチギつ一方の好調教。スピード感満点で、文句なしの動きを見せた。2歳牝馬だけに反動も心配されたが、今週も素軽さ満点の動き。長距離輸送で極端に馬体が減らなければ、前走時以上の状態で出走できそうだ。動きの良さからも、ただ者とは思えないし、前走が好位から抜け出すセンス抜群のレースぶり。牝馬限定なら、ここでも見劣りしない。

◆土曜東京11R・ユートピアS
・リヴァーレ
 先行勢決着と言える秋華賞5着は十分すぎる好内容。その反動はなく、中1週で調教を再開。今週はポリトラックで67.5-38.1秒、併せたアニメイトバイオをアオるほどの勢いで楽々とゴールイン。夏を越しての充実ぶりが目立ち、完全に牝馬の好調モードに入ってきた。秋華賞の好走はあるが、本質的には切れと瞬発力を活かせるマイルのほうがいいタイプ。牝馬限定戦の準オープン戦なら、当然勝ち負けの競馬になる。

◆土曜東京12R・3歳以上1000万円以下
・タイキジャガー
 久々の前走。馬体はキッチリ仕上がっていたが、前半に力んで折り合いを欠いてしまって後半失速。どちらかというと、タメてラストの切れを生かしたい馬で、中館騎手との相性がもうひとつだった。今回は乗り慣れた後藤騎手の手綱ということなら、おそらく本来の待機策。このクラス2〜3着が何度もある実力馬。叩いた上積みも見込めるだけに、一変があってもいい。不器用なだけに、東京のダート1400mもベストこ近い条件。大きく狙つて面白い。

◆日曜京都9R・立冬特別
・ミヤビファルネーゼ
 7月のラジオNIKKEI賞以来3か月ぶりの実戦だが、10月上旬から急ピッチに乗り込み。10月13日に速い時計が出た後は17日、20日、23日、27日、30日、そして最終追いの11月2日と計7本の追い切りを消化しており、息もちは十分に整っている。2日の追い切りは格下ベストアンサーを3馬身追走から、直線並ぶ間もなく抜き去り、逆に3馬身先着。5F64.3-3F37.2-1F12.5秒の時計も秀逸でキッチリ仕上がってきた。後方一気型で脚質的に不安定な面は残るが、ツボにはまれば上がり3F33秒台の決定力を発揮でき、事実ラジオNIKKEI賞では7着とはいえ、メンバー中最速の3F34.4秒で上がっており、このクラスなら力量的に一枚上の存在。直線が長い東京、適距離なら直線一気の可能性も十分。

◆日曜東京10R・銀嶺S
・キングパーフェクト
 前走の神無月Sは、休養明けで減っていた馬体を戻すため、直前の追い切りを4F56.1-上がり41.0秒と控えた。そのため直線ゴチャついて外へ出すのにロスがあったにしても最後でもうひと押しが利かず7着。今回は中1週の競馬になるが、直前の調教を強化して5F68.3-上がり38.9秒。叩き3戦目。脚さばきに力強さが戻り雰囲気がガラッと変わってきた。乾いた力の要るダートで定量戦なら地力発揮。

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