02大井ファイナル開催は、12月27~31日の5日間で行われる。仕事納めの金曜日~大晦日の火曜日だから、低迷を挽回したい主催者にとって何とも恵まれたカレンダー。秋一連のG1、そして有馬記念と不完全燃焼に終わったJRAファンにも、じっくりリベンジのチャンスがあるだろう。全日12R制、最終R午後5時50分発走の「プチ・トゥィンクル」。ただし、29日「東京大賞典」を含みメインは従来通り第9Rに組まれ、11~12Rを照明下で実施するという趣向。当日の発走時刻には十分ご注意願いたい。
東京大賞典(サラ3歳以上、定量、統一G1、2000m)
◎カネツフルーヴ (57・松永幹)
○マキバスナイパー (56・左海)
▲ゴールドアリュール (55・武豊)
△トーホウエンペラー (56・小林俊)
△リージェントブラフ (56・吉田豊)
△ベルモントアクター (56・石崎隆)
ネームヴァリュー (55・佐藤隆)
プリンシパルリバー (55・内田博)
キングセイバー (55・酒井)
ジェネスアリダー (55・桑島)
カネツフルーヴは、今春「帝王賞」を2000m2分3秒7、アブクマポーロに次ぐ史上No.2の快時計、しかも2番手から抜け出す横綱相撲で勝った。それまで重賞未勝利、詰めの甘いイメージを一挙に返上したわけだが、そこはやはり母ロジータ、潜在能力の高さ、抜群のコース(大井)適性、神秘なまでに“血の後押し”があったものと納得したい。JBCクラシック、JCダート、案外な結果でも、レースぶり自体はそう悪くなかった。叩き3戦目、少しうがった見方をすればここへ全力投球の布石といえなくもないだろう。おそらく今回は“半信半疑”という人気になる。馬券的にも妙味が大きい。
ゴールドアリュールはJDダービー2分4秒1。なるほど後続を7馬身ちぎったが、記者の目にはさして余裕の脚いろにも写らなかった。前走JCダート5着、自分の競馬をしながら結局リージェントブラフ級に差し込まれている。真のスーパーホースになりえるかどうか。ここでもう一度試金石…の評価としたい。来るなら来いの逃げで勝たれれば脱帽する。ダートグレードはやはり“経験”がモノをいうケースが多く、その意味で復活マキバスナイパーは当然有力。7歳馬でも前走浦和記念の圧勝など、素晴らしい活気を感じさせた。トーホウエンペラーは仮にフリーハンデをつけると、岩手の先輩メイセイオペラに1キロほど譲る印象。徹底した右回り狙い、大崩れはないとしても連覇となると楽観できまい。リージェントブラフは良馬場で時計がかかることが条件だろう。南関びいきなら、今回チャレンジャーで臨めるベルモントアクターを穴に一票。
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全日本2歳優駿(12月25日川崎、サラ2歳、定量、統一G1、1600m)
◎ユートピア (河内洋)
○エースインザレース (武豊)
▲オーゴンプリンス (川島洋)
△ブラックミラージュ (石崎隆)
△ステルステクニック (佐藤隆)
△グリンゼファー (内田博)
△フジノタカネ (五十冬)
今年から統一G1昇格。それらしく素質馬がそろい鞍上配置も興味深いが、勝負はJRA対北海道、ほぼ4頭に絞れるとみた。中でユートピアは芝のデビュー戦5着のあと、ダートに転じて2戦2勝。それぞれ後続を8、5馬身突き放し、とりわけ前走阪神1400m1分24秒5は、同日古馬1000万とコンマ2秒しか違わない。キャリア3戦目でこれだけの芸当ができればまさしく大物。すでにダートの一流種牡馬として評価が固まった父フォーティナイナー。重量感のある馬体、重心の低い走法で、おそらく流れ、位置取りは不問だろう。
前走園田ジュニアグランプリを勝ったエースインザレースは、芝もこなす絶対スピードを備えレースぶりがアカ抜けている。門別2歳優駿でワンツーを決めたブラックミラージュ、オーゴンプリンスも、低くみて昨年プリンシパルリバーのレベルにある。南関勢は正直一枚落ちだが、ハイペースでカウンターを狙うグリンゼファー、素質の高いステルステクニック。地の利を生かして善戦に期待する。
ちなみに鎌倉記念圧勝で南関No.1を確定させたパレガルニエは、大賞典の翌日、30日大井「東京2歳優駿牝馬」に出走する。期待通り育てば来春は牡馬クラシック路線を進む可能性もある。こちらも必見。