ローレル賞組のひとつ年上の先輩たちが熱い戦いを展開したロジータ記念。南関東2冠馬クラーベセクレタ(船橋・川島正厩舎)の危なげない勝ちっぷりには、同世代に敵なしと言っても過言ではないでしょう。
「禁止薬物の問題があって、自分の中ではかなり大きなことで悩むこともあったから、今日はファンの皆さんに対してもどうしても勝ちたかった。表彰式で声援を頂いてジーンときてしまった」と川島調教師。
この後はまだ未定ということでしたが、オーナーサイドは12月7日のクイーン賞(船橋1800m)を走らせたい希望があるそうです。これからクラーベセクレタが本格的に古馬戦線に参戦してきますが、どんな活躍を見せてくれるんでしょうか。第二章の始まりですね。
ロジータ記念は上位人気馬で決まりましたが、まだデビューしたばかりの2歳牝馬のローレル賞は何が起こるかわかりません。
南関東の格でナンバー1なのがハイセイコー記念の勝ち馬ドラゴンシップ(船橋・川島正厩舎)。牝馬の優勝は96年のセイントサブリナに遡るので15年ぶりの快挙となりました。クロフネ産駒の芦毛馬でルックス的にもとってもキュ~トな仔。新馬戦時から物事に動じない貫録十分なんですよ。
ドラゴンシップ レース後は3日運動で整えてから馬場入りをして、追い切りは合計2本で順調な仕上がりとのことです。「追い切りの動きもすごく良かったですよ」と調教パートナーの本田正重騎手。
ここまでの成績は4戦2勝2着1回3着1回で、負けたレースでも大崩れはありません。「2歳時は無理をさせずに体に余裕をもたして、3歳になって活躍できるように仕上げていくから、その分でまだフワッとソラを使う面もあると思う。本追い切りではゴール前に気合いをつけたら、併走馬を半馬身突き放して追い切りの内容は良かったと思う。だんだん成長はしているしここでも楽しみ」(川島調教師)
レースでも抜け出すとソラを使う面はポイントになると思いますが、その辺りは自身の成長と御神本騎手の手綱さばきに期待したいと思います。
目下3戦2勝という成績のショコラヴェリーヌ(小林・荒山厩舎)。何と言っても前走の川崎の小町特別(優勝)の内容が圧巻。真島騎手を背に中団後方から徐々に進出していき、最後の直線で力強く抜け出しました。「競馬が上手だし、返し馬から左回りも上手に走っていた」(真島騎手)
ショコラヴェリーヌ 実はこの馬は普段の調教では右も左もあまり上手に回らないそうで……それでいながらレースではバッチリ決める実戦型なんです。
「気性の難しい面があるから落ち着いて競馬ができるかどうかだね。前走は1週前でビッチリ仕上げて直前軽めに調整をしたから、今回もそういう感じで仕上げてきた。前回のように馬が落ち着いていて欲しいね」と荒山調教師。
この馬もいいものを持ち合わせているようですよぉ。調教パートナーの早見騎手が「スピードを出した時に沈み込む走りに変わって、スゲ~と思いました。オープンって感じです」
自分の力さえ出せれば、ここでもチャンスは十分でしょう。スケールの大きな馬です。
3戦2勝で前走の鎌倉記念3着だったクリヤマキアート(大井・月岡厩舎)。前走は休み明けで初コース、さらには牡馬が相手というハンデがありながら、たくましく3着に入ったのは立派でした。「強いな」という声が厩舎地区でもたくさん聞かれました。
クリヤマキアート「前回はごちゃついたり川崎のコースの流れに戸惑ったと思う。それでも勝ち馬にも男馬たちにも遜色のない競馬をしてくれたし、精神面のポテンシャルは高い馬だね。輸送も全て落ち着いていた。能力さえ出し切れれば楽しみ」と月岡調教師。
北海道からの転厩緒戦を快勝したラブミーファスト(大井・宗形厩舎)も楽しみです。
「一度使って変わり身もあります。緩いタイプではあるんですが体もしっかりしてきたし、やれる力はあると思います。道営のレースを見る限りでは砂を被るのも大丈夫そうだし、ガツンと行く馬じゃないから、距離も持ちそう。楽しみにしています」(宗形調教師)
川崎競馬場の馬場見せも堂々としていたそうですよ。
そして、北海道から怖い2頭がやって来ました!リリーカップの勝ち馬レイモニと2着だったコテキタイです。ともに、南関東ではナンテカなどでもお馴染みの角川厩舎所属。
角川調教師に2頭について伺いました。「レイモニは重賞でレコード勝ちをした時には終いの切れ味が良かったし、コテキタイは先行力があって渋太く粘る馬。ただ、2頭とも長い距離経験のない馬なのでその辺りですね。左回りに関しては鎌倉記念の時の反省を踏まえて入念に練習をしてきましたが、あとは本番でどうかです。北海道から連れていくので、恥じない競馬はして欲しいと思っています」(角川調教師)
2頭ともレース前日の午前中に川崎入りし、輸送熱などもなく順調とのことでした。