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レディースJS観戦記

  • 2011年11月16日(水) 18時00分
 10月一杯で長い“お勤め”が終わり、イチからやりなおすつもりで11月5日からレースに戻りました。おかげさまで復帰初戦を逃げ切って、幸先のいい再スタートを切ることができました。レースに戻ると、やっぱり楽しいですね。騎乗期間が短くなったことで、かえって集中力が増したような気がします。

 そして11月12日、今回お世話になっている佐藤祐司厩舎のタイホウルーラに騎乗して、「地方通算3300勝」を達成することができました。タイホウルーラは、先行力があり今のクラスでは逃げてしまうのですが、先頭で走るとゴール前で気持ちが途切れて止めてしまうんです。そこで3番手につけて控える競馬をしたところ、最後まで気を抜かずに走ってくれました。実はスタートのタイミングが悪くて出遅れてしまったんですけど、結果よければすべてよし、ですね(笑)。

 海外で挙げた勝ち星を合わせると、さすらい始めてからの勝ち星は、400勝を超えています。行く先々でたくさんの人にバックアップしていただいて、いろんなことを感じながら挙げた400勝ですね。

 先日、レディースジョッキーズシリーズ2011の第1ラウンドが、盛岡で行われました。今年の出場騎手は6名ということでちょっぴり寂しいけれど、2戦ともいいレースでしたよ。

美女に囲まれてます

 たとえば、地元岩手の皆川麻由美ちゃんは、2戦目の3〜4コーナーで仕掛けました。結果的には直線で脚が上がってしまいましたが、あんなふうに果敢に攻める姿勢が、レースを面白くするんですよね。女の戦いは、やっぱり面白い。

 そうそう、彼女たちにアドバイスをしていると、記者の方から「監督みたいですよ」とか「お父さんみたいですね」とか言われちゃいました。僕としては、「少女漫画に出てくるような、みんなの憧れの先輩」っていうイメージだったんだけどな〜。

 1戦目は釜山…じゃなくて名古屋の山本茜ちゃんが、危なげない走りで1着を取りました。2戦目を勝ってラウンド制覇を果たしたのは、荒尾の岩永千明ちゃんでした。彼女は1戦目の騎乗が自分で納得いかなかったようなので、「内2頭分は重いけど、2馬幅開けようとすると開けすぎになるから、もう少し内を通るといいね」とアドバイスしたところ、2戦目ではきっちり修正してきましたね。

 JRAの増澤由貴子さんが、同点2位に入りました。彼女が騎乗したヒドゥンアジェンダには僕も乗せていただいたことがあるのですが、あんなに頑張ってくれなかったですよ(苦笑)。レースに騎乗する機会も少ないようですが、2戦ともすばらしい騎乗でした。

 12月1日に荒尾で行われる第2ラウンドも、12月19日に福山で行われる第3ラウンドも、楽しみにしています。みんな頑張ってね。Mr.PINKは女性ジョッキーを応援しています(笑)。

岩永騎手

 さあ、岩手での騎乗も、残すところあと3日となりました。 11月19日、20日、そしてダービーグランプリの行われる21日。「さすらい始めてからの岩手100勝」まであと1勝、達成を目指して頑張ります!

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Mr.PINKの愛称で親しまれる3000勝の名手。サラブレッド最多勝記録(43勝)をマークしたブライアンズロマンや、快速牝馬・ベラミロードとのコンビで知られる。栃木県の宇都宮競馬に所属していたが、2005年3月の廃止に伴い、さすらいのジョッキーに。現在、地方競馬史上初のフリー騎手を目指して全国を転戦中。

※当コラムは隔週更新となります。

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