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マイルCS、東スポ杯2歳S、福島記念追い切り診断

  • 2011年11月17日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜京都11R・マイルCS
・リディル
 スワンSは休養明けであったが調教を開始した時期は早く、坂路での乗り込み量も豊富だったため、その仕上がりはほぼ完璧に近いもの。とはいえ、先行して逃げた馬を捕まえる強いレースぶりは圧巻だった。

 そこから中2週。調教内容としては大きく上積みがあるような感じはないものの、坂路4F51.5秒は前走時とほぼ同じ数字。ただラスト1Fは一杯に追われて12.9秒、前走時は余裕残しで12.6秒だったあたりが少々物足りない点かも知れない。また気になるのはレースでの位置取りだが「中団より少し前、5〜6番手あたり」と橋口弘次郎調教師はイメージしており、前走時のような瞬発力で前を捕まえる競馬になりそうだ。

・エイシンアポロン
 長期休養明けの毎日王冠で見せ場十分のレースをして、中1週での再東上となった前走の富士S。最終追い切りの動きは絶好だったとはいえ、目に見えない反動を心配したが、まったく問題なく、強い勝ち方を見せた。

 この中間も元気いっぱい。しっかり坂路での調教量をこなしており、最終追い切りは池添謙一騎手が跨って、坂路4F51.4-1F12.2秒。重心のブレないフットワークはまさに完成の時を迎えていると感じさせるほど見ていて気持ちよい。強いて不安を挙げれば、中間の速い時計はこの1本だけなので、逆に太目が残らないかという点だけ。

・グランプリボス
 海外遠征帰りでも、調教量はそれなりに足りていた前走があまりにも見せ場のないレースに終わった。やはり最終追い切りで併せたオセアニアボスに、見劣った脚色がそのまま結果に出たように感じた。

 それだけに、この中間も調教量はもちろんだが、この馬らしい引っ掛かるくらいの前向きさが戻ってくるかどうかに注目していた。11日のDPでは、そんな雰囲気を思わせる併せ馬で先着。それだけに最終追いに期待したが、坂路で併せたグランプリエンゼルが終始楽な手応え。一杯に追われて併入に持ち込むのがやっと。4F51.2秒は自己ベストを更新したが、体も気持ちも重く感じる動きでは数字通りの評価はできない。

◆日曜新潟11R・福島記念
・アドマイヤコスモス
 前走は昇級初戦も、不問のレコード勝ち。その時の2着ワルキューレは先週のエリザベス女王杯6着、4着アスカトップレディは先々週の準オープンをあっさり勝ち上がっており、強い相手だったことがよく分かる。

 その反動を心配したこの中間だが、ただの杞憂に終わった感じ。しっかり本数多く坂路で乗り込み、最終追い切りは自己ベストに近い4F50.8秒。併せたスズカスコーピオンが止まって見えるくらい脚力に違いがあり、その勢いはまさに本物。当日の馬体重に関しては輸送があり、前走時が14キロ増だったので、6キロ程度減るのは想定内といったところだろう。

◆土曜東京11R・東京スポーツ杯2歳S
・クラレント
 橋口弘次郎調教師が「抜け出す時に脚は凄かった」と愛馬を賞賛するのは前走デイリー杯2歳S。勝った後も順調にきており、当初から予定していたこのレースへ向かうこととなった。

 初めての左回りや長距離輸送、距離延長などの課題はあるが「そのあたりは心配していないし、距離に関してはむしろ歓迎」と同師。最終追い切りはローズリパブリックに先着したものの、時計は4F54.0秒-1F13.3秒と平凡。しかし前走も目立たない4F時計で結果を出しているので、調教とレースは違うタイプだと認識した方がよいかも知れない。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜京都11R・マイルCS
・フィフスペトル
 9日の1週前追いで6F81.0-3F37.9秒。今の南ウッドコースとしてはかなり速いタイムをマーク。そして、16日の最終追い切りが5F68.2-3F37.8-1F12.8秒。終い重点とはいえ38秒を切る好内容。2週連続絶好の動きをしており、スプリンターズS以降間隔をあけた効果は大きい。前走の1200戦はさすがに忙しすぎて追走に苦労したが、今回は得意のマイル戦。一瞬の切れ味優先の京都コースだけに好位から抜け出すシーンは十分に考えられる。今年1年安定感十分の戦いぶりから力は通用するはずで、ゴール前もつれるレースになれば一気に台頭のチャンス。

◆土曜東京11R・東スポ杯2歳S
・ピタゴラスコンマ
 不良馬場にしても千通過63.8秒は、マイル戦としては遅い流れ。2番手から抜け出した勝ち馬と、いったんは3馬身差以上つけられながら、ゴール前ハナ差にまで詰めてきた前走は、2着に負けたとはいえ強烈なインパクトを残す内容だった。今週はウッドチップで85.2-69.1-40.3秒、馬場の大外を回ってきたが、最後まで鋭い脚どりで、ラスト1ハロンを12.7秒。久々にしては強い稽古が少なかった前走とは気配一変、ひと叩きでこの重賞に合わせてきた。爆発的な末脚の持ち主で今の荒れてきた馬場は大歓迎、勝ち負けの競馬になる。

◆土曜東京8R・秋陽JS
・リワードクラウン
 単なるオープン特別、さらに中山1週目を大障害のステップに選んだ組が多く、全体としては手薄なメンバー構成。ということなら、未勝利を快勝した舞合に戻って、この馬に一発がありそうなムードが漂う。直前は珍しく3頭併せで追って、持ったままで最先着(68.8-52.1-38.3秒)。叩き3戦目の今回は、間違いなく体調も上向いている。終い一手で器用さに欠ける面はあるが、しっかりとした先行型のいるここは流れも向くはず。500キロを切って出走できるようなら、ラストの切れ味も鋭さを増すはずだ。

◆土曜東京9R・国立特別
・レッドストラーダ
 順調さを欠いた前回は中間の乗り込みが今イチ。体重が示す通り、多少太めが残ったが、その状態で出遅れながら0.6秒差なら、上々の内容。このクラスでも能力は互角以上というところを見せてくれた。今回は中1週の競馬になるが、意欲的な追い切りで、格上卜ウショウウェイヴを問題にしない絶好の動き。ひと叩きの効果十分で、状態面がガラリー変。決め手の違いを見せる。

◆日曜東京9R・tvk賞
・イチブン
 昨年11月の1600万プロミネントJで2着した後、+10キロ〜+10キロと体重が増え、そのため着順も5、7着と落とした。今回は今年1月の迎春S以来10か月半ぶりの実戦のなるが、先週までに坂路、ウッドで入念に乗り込まれて7本の時計を計示。とくに最後の3本は終い一杯に追われるハードな調教。すでに態勢は9分以上で、直前の追い切りはゴール前の反応を確かめるように5F66.0-上がり36.7秒。そして最後の1Fは馬なりで弾けて12.0秒。1000万なら緒戦から。

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