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netkeiba

アパパネには頭が下がります

  • 2011年11月17日(木) 18時00分
 先週のエリザベス女王杯、アパパネが復活しましたね。前走があまりにふがいない負け方だったので戦意喪失したのかという不安もありましたが…。先週お伝えしたとおり、やっぱりアパパネは栗東の水が合うのです。15日に美浦へ帰厩する予定でしたが、急遽予定を変更。香港マイルに選出された場合を想定し、出国検疫まで栗東トレセンで過ごすことになりました。

アパパネ

 栗東へ到着した直後は「ボーッとしたかんじがする」と半信半疑だった福田調教厩務員ですが、エリザベス女王杯できっちり走りきった愛馬に「よく走ってくれた。アパパネには頭が下がります」と敬意を表していました。今朝、歩いている様子を見てもひじょうにキビキビとしていましたし、心なしか表情もキリリとしているように見えます。この調子で無事出国して欲しいですね。

 キビキビ歩くアパパネとは対照的に変わらずマイペースでノッシノッシと歩くウインバリアシオン。来週のジャパンカップに出走予定ですが陣営から笑顔がたえず、順調を絵に描いたような調整過程を歩んでいます。

ウインバリアシオン

「それでもね、毎朝毎夕、ツメの状態を確認するときに緊張するんですよ。『もしもヒビが入っていたらどうしよう』と不安がよぎるんです」と竹邑厩務員。もちろん、いまは全く不安なくスッキリしているんですが、それでも万が一のことを考えると張り詰めた気持ちになるんだそうです。

 調教パートナーの中山助手はこの馬の奥の深さを改めて語ります。

「この前、アンカツさんと話したとき『ウインバリアシオンにはまだまだ奥がある』と見解が一致したんだ。古馬になったらもっともっとよくなると思う。今まで30年調教に乗っていて、これほど底が知れない馬は初めて」と目を丸くします。

 中山助手は野路菊Sを勝ったばかりのウインバリアシオンを「ダービーを狙える器」と評しています。数々のGI馬の背中を知っているスタッフがここまで言い切るのですから、バリくんはやはり類稀なる大物のようです。

 さて、今週デビューの1頭をご紹介しておきます。日曜5レース、芝1800m戦でデビュー予定のタガノキャンドルです。父はアグネスタキオン、母は秋華賞馬・ブゼンキャンドル。岩田騎手が手綱をとります。「ひじょうに乗りやすく、まだ体が少々余裕があるのに動きがシャープなんです。なかなか奥がありそう」と担当の大當助手。馬体はまだ絞れそうな印象もありますが、動きが俊敏で前へ前へ行こうとするところも見受けられるので初戦から戦えそうですよ。

タガノキャンドル

 最後に来週のジャパンCへ向けて調子を上げているブエナビスタについて少々。天皇賞を終えた翌週、無事な姿を見届けながら松田師が「絞れた。これなら出来が前回より悪くなることはない」と話していたのが印象的でした。今週はとても素軽い動きをしていましたし、今年は昨年の雪辱を果たせる状態にあると思います。目がはなせません。

ブエナビスタ

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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