昨年の勝ち馬は、後の皐月賞2着馬サダムパテック。09年ローズキングダム、08年ナカヤマフェスタ、07年スマイルジャック、タケミカヅチ、06年ドリームジャーニー、05年メイショウサムソン……などがここに出走していた、近年の後の主な活躍馬。かつてよりずっと重要度は増している。今年もクラシック級が育って不思議ない。
11月16日現在の「2歳種牡馬ランキング」は、
※左から種牡馬名、出走頭数、勝利頭数、収得総賞金
1.ダイワメジャー 74-18、32523万円
2.ディープインパクト 58-19、23607万円
3.クロフネ 57-21、21395万円
4.アグネスタキオン 53-16、20635万円
5.アドマイヤムーン 39-12、20509万円
以下、6.シンボリクリスエス 7.フジキセキ 8.ジャングルポケット 9.サクラバクシンオー 10.デュランダル…。
となって、重賞レースや特別戦が増えるごとに上位は大接戦になってきた。注目は2年目の今年、仕上がりやすいからといって、あまり早期に出走させるのを控えていた傾向が見られたディープインパクト産駒の動向。それが、秋が深まると同時にスパート開始。8~9月ごろは「10位前後」にとどまっていたのに、いつのまにか一気に順位を上げてきたことである。
上位3位までのうち、出走回数が抜けて少ないのがディープインパクト産駒。「ダイワメジャー196回、ディープインパクト96回、クロフネ145回」なので、勝ち上がった馬が重賞に次々に登場するようになると、ここまで快走してきた新種牡馬のダイワメジャーを抜き、また今年の2歳種牡馬ランキング1位になるのもディープインパクトではないか。そんなサイアーランキングの動き方である。
流れに合わせるように「東スポ杯2歳S」には、人気のディープインパクト産駒が2頭「エネアド、ディープブリランテ」出走してきた。
ともに勝ち方は鮮やかだったが、スケールを感じさせたのは関西馬ディープブリランテ。1800mの阪神の新馬を力強く抜け出した。490kg。時計はさして目立つものではないが、どちらかといえば小柄な馬が多い父の産駒の中では、まだ余裕のある仕上がりで、大きなストライド。豊な将来性を感じさせた。ファミリーは、祖母バブルドリームの半弟が、菊花賞馬ザッツザプレンティ。3代母バブルプロスペクターの半弟が天皇賞(秋)のバブルガムフェロー(重賞になる直前のこの東スポ杯も勝っている)。この中間の一段と力強さを増した動きから、広い東京コースに移って真価の問われる一戦。雨は心配だが、スケールで上回るとみる。
上のブレイクランアウトと同様に鋭さ十分のエネアドももちろん有力だが、小柄で仕上がっているためもあってここ2週は控えめ。馬体重(気配)に注意したい。
攻め馬を強化してきたフジマサエンペラー、ビシビシ追ったマイネルロブストが、配当を考えると相手の妙味。クラレント、ジャスタウェイはもちろん候補だが、ここはアドマイヤリリーフ、ホーカーテンペストなどの伏兵に魅力がある。