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平和賞回顧

  • 2011年11月22日(火) 18時00分
平和賞(11月16日 船橋 サラ2歳 地方競馬交流 定量 南関東SIII 1600m稍重
重)

 (1)エンジェルツイート  1分42秒8
△(2)アイキャンデイ      2.1/2
○(3)サンレイレイザー     クビ
△(4)ニシノファイター     3/4
△(5)ダイヤモンドダンス    2.1/2
 …………………
 (6)アウヤンテプイ
◎(8)ポイントプラス
△(9)ルイクリスタルラヴ
▲(11)ガトリング

単1380円 馬複4420円 馬単11160円 3連複3900円 3連単45350円

 7番人気の伏兵エンジェルツイートが鮮やかに逃げ切った。キャリア3戦すべて千二(門別)。道営ハイレベルを考慮しても分が悪いと思えたが、レース自体は完勝としか言葉がない。千通過61秒9、けっして緩い流れではなく、それでいて直線を向いてもうひと伸び。最後決定的な2.1/2馬身差をつけている。千六1分42秒8、直後最終R、古馬B2(エースフォンテン)が42秒9だから、時計的にも十分胸が張れるだろう。急きょ乗り替わり(真島騎手・病気のため)、大殊勲となった森泰斗騎手。「強気で先行してほしいという指示。初めての左回りなのに終始スムーズで素質が高い。ただ直線は早くゴールになれと必死でした」。森J、南関東重賞初V。今年は戸崎、御神本に続くリーディング3位を走るが、ビッグレースを獲るには運と巡り合わせが必要になる。ただ同騎手は若手30歳ながら、05年足利・宇都宮競馬(廃止)から南関東に移籍した苦労人。元よりジョッキーの未来とは、1つきっかけをつかめばおおむね急速度で開けてくる。先行馬には当たりがよく、追って達者。ひとこと旬を迎えたジョッキーだ。

 エンジェルツイートに話を戻す。同馬の能力、その最大の理由はやはり血統にあると思う。父タイキシャトルは言わずもがな超A級の短〜マイラー。半兄オオエライジンは園田から9戦全勝。今夏遠征した大井「黒潮盃=SIII」も、ひと捲りで圧勝した。「前走オープン特別を勝った時点で、これは相当な馬と感じていた。心肺機能が素晴らしく、性格も素直で粘り強い。強さが証明されて嬉しいね」(角川調教師)。パドック、返し馬などもひたすらリラックスした印象で、いかにも“利口な馬”を感じさせた。彼女自身は、このまま大井・森下厩舎に転厩する。とすると、次走は12月31日「東京2歳優駿牝馬=大井千六」が有力。すでに重賞2勝のドラゴンシップと好勝負が期待される。それにしても、南関東2歳馬は昨年に続き“牝馬断然”の勢力図だ。

 アイキャンデイ2着。こちらも牝馬上位を象徴する1頭だが、すでに差す競馬が板につき、この日も初コースながら折り合って好位追走、ゴール際二の脚を使ってみせた。並んできた相手がサンレイレイザー(道営3勝・1番人気)だけに価値がある。

 491kg台、堂々たる馬格と落ち着き。「今日は道中ちょっと遊んだ。必ず大きいところを獲れますよ」。的場文騎手の評価もきわめて高い。3着以下の男馬。何とか合格点はサンレイレーザー、ニシノファイター。ただ今回、道営で築いた力関係が危うくなったのもやはり事実で、牡馬クラシック路線は、今後それぞれの成長力しだいで大きく動くということだろう。

 期待したポイントプラスは、意識的に中団に控える競馬で、今日の場合それがいい結果に出なかった。いずれにせよまだ未知数。経験を次にどうつなげるか。馬体、走法に惚れているガトリングもモタついたレースぶりで見せ場なし。スピードと器用さが要求される2歳戦では、少し難しいかもしれない。

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日刊競馬地方版デスク、スカイパーフェクТV解説者、「ハロン」などで活躍。 恥を恐れぬ勇気、偶然を愛する心…を予想のモットーにする。

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