まず注目すべきは、関西の8番エイシンラグランジの巻き返し。前走は失速したものの、あれは勝ったタガノチャーリーズが速すぎ、なおかつ強すぎた。前半3ハロン33秒1で猛然と飛ばし、そのまま1分9秒7の好時計で圧勝してしまったからだ。明けて4歳の牝馬タガノチャーリーズは今年、たちまちダート短距離重賞の注目馬だろう。
エイシンラグランジは強気に追走し、この馬の前半も33秒2。これでは最後に失速して仕方がない。今度はさすがにあれほど速い馬はなく、先行してしぶとく粘り込める。当時、その超ハイペースを利し、最後に突っ込んできた9番トウショウトリガーあたりはもともと太めになりやすく、詰めも甘いだけに今回はそうは過信できない。
前走、アクアマリンS以外からの出走馬では、5番トーセンノースランが特注馬。前々走は落馬事故に巻き込まれたり、また前走は1400mのハイペースを強気に追走しすぎて失速しているが、1200mのきつい流れを追走、直線差す形がもっとも合っている。持ち時計の1分10秒9は、京都のこのクラスのレベルの高い相手に力強く伸びて記録したもので、しばらく善戦止まりが続いているが、今回は久しぶりに勝機だろう。父ワカオライデン(その父ロイヤルスキー)はタフなボールドルーラー系で、テンポイント一族にもかかわらずこの種牡馬はダート専用。それも距離伸びると苦しく、短距離でこそのスピード型だ。
もう1頭、芝からの方向転換だが、2番ネガティブリターンは調教の動き、さらには血統背景からして、むしろダート巧者であって不思議ない。メキメキ力をつけている上昇馬なので、ダートでさらに強くなる可能性さえある。
京都のメイン寿Sはちょっと狙って、ひと叩きした11番エイシンハリマオーが伏兵だろう。