スマートフォン版へ

ジャパンC、京阪杯追い切り診断

  • 2011年11月24日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京10R・ジャパンC
・ヴィクトワールピサ
 ドバイワールドC以降、海外レースを目標にしながらアクシデントでことごとく使えなかった経緯があり、結局、今回のレースが8か月ぶりというブランクでの出走になってしまった。

 香港、そしてフランスでのレースを目標に調整されていたので、骨折などの休養明けとはブランクの中身が違うとは思うが、自身も初めての8か月ぶりはハンデになるはず。調教量としてはしっかり本数を積み、2週前追い切りから併せ馬でしっかり負荷を掛けているのは昨年3着時と同じ。また最終追いで初めて目一杯に追われて先着した点に注目すれば、同入だった昨年よりも動きは良く映るだけに、仕上がりに注文をつける必要はない。あとは実戦で結果を見守るしかない。

・ブエナビスタ
 前走天皇賞・秋は2週連続の併せ馬という過去になかった調教パターンで出走し、国内レースで初めて馬券圏内を外した。やはり調子のバロメーターは「いつも通りの調教」であることが重要なのだろう。

 そういった意味では今回の調整過程は過去の好走時と変わりない。1週前追い切りも単走で行われ、今週の最終追いも単走。この点から前走より走れる状態であることは間違いない。ただゴール手前で少し内にもたれるような仕草を見せたのが気になるところ。全体時計がCW6F80.8秒とある程度速い数字を出したことによるもたれかも知れないが、本当に良くなりきるというところまではいっていないのではないだろうか。

・エイシンフラッシュ
 調教本数はしっかりと積んで順調な休養明けとして出走した前走天皇賞・秋だったが、ハイペースの流れに乗ったこともあり、最後は伸び切れずに終わった。そのレース内容は次へ繋がる走りだったと解釈した方も多いだろう。

 この中間、極端に調教本数が増えたということはないが、1本1本が密度の濃い調教内容になっており、前走時より良化しているのは間違いない。その証拠に最終追い切りのCWでは先行していたピサライコネンを内から追い抜いた後も目立った手前替え(ほんの少し逆手前になった箇所がある)を見せずにゴールまで突っ走った。この動きができたのは最高の状態だったと思われる天皇賞春以来。昨年とは違った走りを見せてくれるのは間違いないだろう。

・ウインバリアシオン
 先週のマイルCSでG1初制覇となった松永昌博厩舎が勢いに乗って送り出す3歳馬。このコースは青葉賞勝ち、ダービー2着と実績のある舞台だけに、初の古馬対戦でも注目される存在だろう。

 菊花賞後も疲れを見せることなく、順調に調教を消化。1週前追い切りでもこの馬らしい動きを見せていたが、最終追いは馬場状態が悪かったこともあってか、先着はしたものの、併せたラインレグルスに手応えが見劣っていた。この動きを見ていた竹邑厩務員も「ちょっと太いのかなあ」と困惑した様子。時計的にもCW6F83.8秒は決して速くないだけに、少々物足りない最終追いとなった。

◆土曜京都11R・京阪杯
・ロードカナロア
 古馬と初対戦になった前走京洛Sだったが「仕上がりは8分程度」というのが安田隆行調教師の見解だったが、終わってみれば完勝のレースぶり。これには「やっぱり走りますね」と師も驚くばかりだった。

 それから中2週の今回だが、11月18日に坂路4F53.4〜1F11.5秒と桁違いの瞬発力を見せ、馬場の重い11月23日の坂路では4F51.7〜1F12.2秒で先行していたオーセロワを子供扱いして先着してみせた。「極端に内の枠だとスムーズなレースができないかも知れないので、真ん中より外。それなら力を発揮できるでしょうね」と師。とにかくこの馬の走りには注目していただきたい。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京10R・ジャパンC
・ペルーサ
 超のつくハイペースからレコード決着の天皇賞・秋。3着好走で復活の気配を見せたが、レースの反動はまったくなく、さらに上昇ムードを見せている。 10日後には坂路で時計をマークし、今週は芝コースで67.4-38.0秒。終い重点に脚を伸ばす調整は前走時と同じで、ラスト1ハロンを11.0秒。これも日一杯に追われたわけではなく、直線で併せた馬達に合わせての伸び脚と、まだまだギアを残してのもの。ひと叩きで気合のりが変わり、秋3戦目でゲートの不安を抱えながらの調整だった昨年より断然いい状態、勝ち負けの競馬になる。

・ジャガーメイル
 24日の最終追い切りは南ポリトラックに入り単走追い。例によってペースを上げたのが4Fからで、51.0-3F36.4秒を持った辺りでマーク。特にラスト1Fは圧巻の動きで、重心が沈んで11.3秒で駆け抜けた。アキ3戦の中では一番の状態に仕上がったことは確かだ。元来が使い込んでの良化型で、前2走4、9着は度外視して狙いたい。前走天皇賞・秋の2000mでは距離不足。速いペースに追走しただけで四苦八苦していたが、2400mに伸びる今回は息の長い末脚が発揮できるはず。荒れた馬場状態から力が要ることも確か。上がり時計がかかれば一気の台頭も十分にありそうだ。

◆日曜東京7R・ベゴニア賞
・サトノギャラント
 前走は未勝利を勝ち上がって、いきなりのオープン芙蓉S。好スタートからハナを主張してマイペースに持ち込んでの逃げ。最後に勝ち馬との決め手の差に屈したものの好位勢は完封しての2着。この中間は入念すぎるほどに調教を積まれ、直前の追い切りは古馬オープンのレッドスパーダを追走。それでもゴールでは互角の手ごたえ。どんな競馬でもできる自在の脚質。自己条件なら明らかに能力上位。

◆日曜東京8R・シャングリラ賞
・トキノエクセレント
 水曜。三浦騎手を背に、北の角馬場で入念に体をほぐしてから、Bコースに入れて軽めのキャンター。そしてラストこ坂路で最終仕上げ。これだけ手をかけられているのだから、状態が悪かろうはずがない。牡馬にしては決して馬格に恵まれていないのだが、父がアッミラーレならダート向きは間違いのないところ。2走前は芝を使っていいところなく終わったが、適条件に戻った前走2着。条件さえ合えば、いつでも勝ち上がれるところまできている。折り合いの難しいタイプだが、1400mの流れならその心配もなし。チヤンスは十分にあるはずだ。

◆土曜東京11R・キャピタルS
・アプリコットフィズ
 この中間は35秒台、36秒台を楽にマークするなど、動きの良さが目立っている。マイルチャンピオンシップは無念の除外になったが、今週もスピード感満点の動きを見せて、状態の良さをアピールした。早めに動く正攻法でエイシンアポロンとアタマ差の勝負をした前走の内容から、GIを使っていても差がなかったはず。ここでは能力は一枚上と思えるし、左回りの東京のほうが、走りっぷりがスムーズ。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

美浦・栗東トレセンから有力馬の最終追い切り情報をどこよりも詳しくお届け!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング