勝島王冠はテラザクラウド(小林・荒山厩舎)が出走取消となりました。荒山調教師のお話しでは、左前脚の球節炎によりやめたそうで、これほどの馬だからこそ無理はさせずに自重したそうです。まずは大事にいたらなくて不幸中の幸いでした。
ということで、勝島王冠はカキツバタロイヤルとツルオカオウジの2強対決の様相を呈してきましたね。
カキツバタロイヤル(船橋・函館厩舎)は笠松から南関東に転厩以降大崩れが1度しかありません。唯一大敗した今年の報知オールスターカップ(10着)は胃腸の調子が思わしくなかった後の一戦だったので理由はハッキリしています。
乗る人に従順で抜群のレースセンスを誇るのは何よりの財産。「それに、跨っただけではオープンって感じはしないんだけど、速く走らせるとバネがすごくて全然違うんだよね」とコンビを組む石崎駿騎手も言っていて、今年のサンタアニタトロフィーでは420キロ台の小柄な馬が58キロという過酷な斤量を背負いながら、最初から最後までまったく気にする素振りを見せなかったというのにも脱帽です(今回も58キロ)。
カキツバタロイヤル「この中間もかなりハードに攻めてきましたが、本当に丈夫な馬ですよ」(調教パートナーの高橋利騎手)それでいながらカイバ食いもピカイチなので、馬自身はどんどんパワフルになっていきます。体重はサンタアニタトロフィー(426キロ)くらいで出したいということでした。
「前回の埼玉栄冠賞(2着)は展開のアヤで力負けではないと思っているし、今回は納得のいく仕上がり。右回りのほうがスムーズに走れるし、恥ずかしくない競馬はしてくれると期待している」(函館調教師)
埼玉栄冠賞で死闘を演じたボランタスがその後の浦和記念でJBC3着馬シビルウォーなど中央馬たちを一蹴したばかり。その比較から言っても、カキツバタもかなり強いんじゃないの……と思っちゃうんですが。
10年黒潮盃優勝馬で古馬になってからも常に安定した走りを見せているメイセイオペラの愛息ツルオカオウジ(小林・久保厩舎)。カキツバタロイヤルもそうですが、こちらも相手なりに走れる強みがあります。
ツルオカオウジ 前走のマイルグランプリは本当に惜しい3着でしたが、大型馬の放牧休養明けだったとは言え十分過ぎるくらい入念に乗り込んでいて、仕上がり具合は素晴らしかったと思います。
前はササりながら走る面もありましたが、最近はそれが解消されたので前回からリングハミは外しました。精神的にもおとなになって成長も見られるようですよ。小林牧場調教量ナンバー1と言われるほどのハードトレーニングを引き続き敢行してきたそうです。
「本追い切りの動きも良くて引き続きいい状態。前走は3コーナー手前から早々脚を使ってしまったし力負けじゃない。1800mの方が競馬はしやすいし、今回は勝ちたいね」と久保調教師も燃えていました。
久しぶりの重賞挑戦で新星登場なるのか注目が集まっているのはスマートインパルス(小林・三坂厩舎)。
小林牧場の仲間になってからは8戦7勝で跳ぶ鳥落とす勢いです。唯一敗れた2走前は気の難しい面が出て早々競馬をやめてしまったために、気持ち良く走れるかどうかは常に鍵を握ります。
「まだ素質で走っているけど、こんなに心臓の強い馬は初めて見た。競馬を使ってもケロッとしていて疲労感もない。気性の難しさはあるけど、普通に自分の走りさえできれば1800m1分51秒台では走れると思うし、未知だから楽しみだよ」と三坂調教師も絶賛。
この馬はおでこにシャドーロールといったいでたちのシープスキンブローバンドを着用していますね。
スマートインパルス 走っている時に頭が高くてブレーキをかけるような面があったので、小林牧場にきてからはこれを着用することによって、上ではなく前に進むよう促してあげているそうです。さらに、前走から薄いブリンカーも着用して集中力をさらに高めさせました。
気持ち良く走ってどのくらい持ち前の切れ味を発揮できるか。もしスマートインパルスが優勝したら、おでこにシャドーロール馬の南関東重賞初勝利になりますね(^^)。
南関東に再転厩後、悲願のタイトルを狙っているボンネビルレコード(大井・庄子厩舎)。これはファンも関係者も共通の思いでしょう。
この中間はゴールデンコンビの的場騎手が再びつきっきりで調教をつけてきたそうです。寒い季節ですが、引き続き状態は維持させているそう。今回から中央に行くまで手掛けていた伊藤厩務員が担当。
「前走は相手も強かったし馬もゆったり作ったから。このレースは条件的にも取りたいし一発勝負!」(庄子調教師)
昨年の覇者スーパーパワー(大井・鷹見厩舎)が復調の兆しを見せているそうです。
「やっと気持ちが出てきて休み明けの中では一番だと思う。いい頃に近づきつつあるし見せ場は作って欲しいね」と鷹見調教師。
イーグルショウ(大井・山藤厩舎)の前走マイルグランプリの末脚にはしびれましたね。着順は4着ですが、勝ち馬とはタイム差なしですから。
「叩き良化型の馬が3戦目だったし、あのくらいは走れる力はあるよ」と山藤調教師。引き続き状態はキープ中とのこと。