【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・ジャパンCダート
・エスポワールシチー
前走みやこSでようやくエスポワールシチーらしさを出した強いレースぶり。中間の調教量もいつもより多く、いかにも負けられない仕上げだったので、当然の結果と言えるかも知れない。
調教量は前回に比べると少なくなっている。しかしその点に関しては、過去同じ量でジャパンCダートやフェブラリーSを制しているので問題ないだろう。むしろ最終追い切りを坂路で4F51.5秒と速い時計を出した点に注目すべき。ラストは馬場に脚をとられ、蛇行するようなシーンも見られたが、それでも12.7秒。ようやく本来の迫力ある走りが戻ってきただけに、南部杯での着差を逆転するには十分な状態にある。
・トランセンド
この秋になって最終追い切りの坂路4F時計は南部杯が50.1秒、JBCクラシックが49.8秒ということで、今回の52.6秒がかなり遅く感じてしまう。
実際、昨年のジャパンCダートでも最終追い切りの時計は4F51.1秒なので、今回が遅すぎるという見方もできる。動きも当時よりもラスト1Fに機敏さが足りなく映ったが、実はフェブラリーSを制した時が坂路4F52.8-1F13.0秒でラスト1Fが物足りない感じだった。今回はその雰囲気に似ており、休養明け3戦目で追い切りでは動きが目立たなくなったと判断した方がいいのかも知れない。
・ヤマニンキングリー
初ダートのシリウスSが圧勝のレースぶり。そこから中8週と間隔が空いたが、11月2日にはCWで速い時計を出しており、順調に調教本数は重ねている。
最終追い切りは12月1日に行われたが、CWで石橋守騎手が跨るメイショウグラハムを追走する併せ馬。3コーナー手前ではほぼ並ぶような形になり、直線ではどれだけ突き放せるかという流れだったが、追い比べになると突き放される一方。時計は6F82.0-1F12.8秒と決して遅くないが、見栄えはあまりよくない。ただ前走も最終追い切りでは併せ遅れだったので、遅れたこと自体は評価を下げる必要はなく、むしろしっかりやれた点を評価すべきだろう。
・ダノンカモン
2走前南部杯では、ゴール直前にトランセンドより前に出ていた場面もあったが、ゴールではアタマ差負け。真面目に走らないという気性が災いして大舞台での勲章を獲り損ねた。
前走は完勝できるはずの相手だったが、またも取りこぼしての2着。確実に善戦はするものの、どうも勝ち切れないレースぶりが続く。そんなこともあってか、近走必ず行っていた併せ馬を今回の最終追いでは単走に変更。ラスト1F手前まで、なかなか集中できない素振りで走りだったが、追われてからはしっかり伸びていた。7走前に最終追い単走で大和Sを勝ったことを思えば、勝つための単走追いを選択したと判断した方がよいのかも知れない。
◆土曜中山11R・ステイヤーズS
・フォゲッタブル
2010年ダイヤモンドSを勝って以来、遠ざかっている1着だが、この秋は京都大賞典、アルゼンチン共和国杯と徐々に上位争いをできる状態に復活しつつある。
この中間は中3週だが、十分すぎるくらいに坂路で乗り込み、最終追いはCW。レースで騎乗が予定されているC.ウィリアムズ騎手が跨って前に2頭見て、最終的には単走になる追い切り。鞍上が追うごとに豪快なフットワークがストライドを伸ばし、推進力となる。全く無理していないのに、これだけしっかり伸びることができるのは鞍上との呼吸が万全だということ。とにかく今からゲートインが楽しみで仕方ない。
【美浦トラックマン情報】
◆土曜中山11R・ステイヤーズS
・ヤングアットハート
前走福島記念は3か月ぶりの実戦。直線での不利、そして何よりも太め残りの馬体が響いての惨敗。その後、中1の厳しいローテーションとなるが、11月30日の追い切りは格下サイクロンフォースと意欲的な併せ馬を消化。6Fから追走し、5Fではその差4馬身。直線に向くまでその差を保っていたが、残り1Fのゴーサインとともに一気に反応し、ゴール前では逆に2馬身先着。6F81.6-3F37.2-1F12.0秒のタイムはポリトラックとしては目立つものではないが、1Fの鋭い伸び脚は太めが絞れたようで、休み明け叩いてグーンと気合いも上向いてきた。春の目黒記念好走を見る限り距離延長に不安はなし。得意の中山コースで大駆けの期待十分。
◆日曜中山11R・ターコイズS
・アンシェルブルー
その気になれば、いくらでの速い時計が出る馬だが、今週は多少控えぎみで、それでもスピード感満点の動きを見せた。太め残り等もあって、キーンランドCは惨敗したが、その後は1戦ごとに立ち直り気配。今回は好調時のデキで競馬に臨めそうだ。状態面さえ良くなれば、ここでも上位のスピードがあるし、GIヴィクトリアマイルでアパパネと差のない競馬をしたように、千六の距離も守備範囲。
・フォーエバーマーク
6か月ぶりで臨んだ前走のパラダイスオープンは、調教量こそ十分だったが、明らかに太めの馬体のためゴール前モタついて最後の1F12.3秒と反応が鈍かった。8分程度と思われるデキで02秒差の6着なら内容は十分。今回の直前追い切りは、前走と同じ4Fからだったが、51.6秒と前回より1秒ほど速いうえ、最後の1Fでは鋭敏に反応して11.7秒を計示。道中の折り合いも素晴らしく精神面、集中力ともにガラリ一変だ。開幕週の馬場でスピードを生かしての逃げ切り有望。
◆土曜中山8R・イルミネーションJS
・サトノバロン
少し間隔があいた前走の東京戦でも、好位からしっかりと末脚を伸ばしてタイム差なしの2着。以前は若さばかりが目立っていた馬だったが、去勢効果はかなり大きく、稽古でもレースでも、集中して走れるようになっている。直前の追い切りは、横山義騎手が乗って82.3-66.3-51.2-38.3秒(ゴール前強めに)。アタマの高さは気になるものの、仕掛けると力強くグイグイ伸びていた。ここは重賞の勝ち馬が相手となるが、彼らの目標は暮れの中山大障害。本来の素質はまったく遜色なく、得意の中山ならまとめて負かしてしまっても驚かない。
◆土曜中山9R・葉牡丹賞
・アイスフォーリス
ひと息入れたが11月半ばには調教を再開。先週はウンドチップの外々を回って67.4-37.6秒、直線気合をつけるとラスト1ハロンを12.2秒。今週は70.5-39.7秒とセーブしたが、スッキリした体で最後まで余力十分の走りを披露、不備のない仕上がりをアピールしてきた。追っての反応が良く、先行か策からスッと抜け出せる馬。開幕週の馬場は大歓迎。状態面に不安もなく、連勝を決める。