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阪神JF、中日新聞杯、カペラS追い切り診断

  • 2011年12月08日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜阪神11R・阪神JF
・アイムユアーズ
 前走ファンタジーSは美浦で最終追い切りを行って出走。きっちり差し切りを決めて、レース直後に栗東へ入厩し、この中間は栗東に滞在しての調教となっている。

 11月23日にはCWで時計を出し、坂路での15-15を入れながらの併用調教。1週前にはCWで長めから時計を出した併せ馬で反応の良さを見せて、最終追い切りは坂路で単走。4F52.3〜1F13.1秒の時計は、決して遅い数字ではないが、見た目には非常に余裕たっぷりな動き。本数もきっちりこなし、中身もしっかりと出来た今回は充実の栗東滞在となったのではないだろうか。

・エピセアローム
 小倉2歳S以来のレースにはなるが、11月9日には坂路で15-15程度の調教を開始しており、調教本数こそ少ないが、決して仕上がり不足とは思えないかったのが先週までの印象。

 ただ今週の坂路追い切りには少々首を捻った。というのも、これまで併せ馬では一度も遅れたことのなかった馬だが、今回は2歳未勝利馬に先行していたにも関わらず遅れた。時計は4F52.2秒と速かったが、新馬時には4F51.5秒を出しているのだから、決して自己ベストの数字ではない。また相手に並ばれてからの追われて伸びない姿が、この馬らしさを感じなかった。持った能力は間違いないが、久しぶりの今回は決して高い評価はできない。

・ファインチョイス
 函館2歳S以来、中12週での出走となった前走ファンタジーSは最終追い切りを単走で済ませたように、決して無理のない程度に仕上げたという印象が強い調教内容。そのあたりがレースでの出遅れや行きたがる素振りに出たのかも知れないが、それでも3着を確保するあたりに、現2歳牝馬でトップクラスの能力があることを示している。

 今回は中4週の間隔で調教本数を強化。CWでしっかり時計を出し、坂路で15-15という併用調教を積んできた。最終追いは前走と違ってCWの併せ馬。先行したフリーアズアバードを捕まえると、瞬時に抜き去って先着。前走時に見せた逆手前での走りとは違い、左手前だけで力強くゴールした今回は確実に上昇気配を感じる。

・ラシンティランテ
 札幌以来のレースとなった前走白菊賞が実質初めての栗東での中間調教となったが、しっかりと本数を乗り、最終追いも負荷を掛けて仕上げた。その結果、後続を0.6秒引き離す強いレース内容だった。

 今回は中1週になるが、決して緩めた調整ではない。坂路でサクラエミネントを先行させて追走する併せ馬。少し追いつかない位置かと思われたが、ラスト1Fを過ぎて手前を替えると、一完歩ごとに差を詰めて最後は先着。4F53.9秒は自己ベストを更新、1F12.8秒は数字以上に力強さを感じた。間隔は詰まっているが、前走から更に上昇を感じる最終追いだったと言えるだろう。

・ジョワドヴィーヴル
 現時点では新馬勝ちしたパフォーマンスよりも、ブエナビスタの半妹という血統的背景が人気要素になっているのは間違いない。ただ調教の動きや前走のレース内容から現時点での2歳牝馬の世代で主役を務めても不思議ない雰囲気は持っている。

 今回の最終追いはCWでタガノキャンドルとの併せ馬になったが、追われてからの反応は実にしっかり。ラスト1Fは12.5秒と少し要してしまったが、6F81.4秒なら当然の数字。むしろ13秒以上でなかった点がこの馬のタフさを示しているように思える。姉と同じローテーションだが、最終追い切りの内容はこちらの方が濃い。キャリアの浅さは気になるものの、調教内容からは軽く扱えない。

◆日曜中山11R・カペラS
・セイクリムズン
 昨年のこのレースが重賞初制覇。当時は中2週の間隔で3本の坂路調教。1週前追い切りは4F51.0〜1F11.9秒、最終追いは4F51.4〜1F12.2秒とかなりハードな内容で出走していた。

 今年は中4週と間隔が空いているが、坂路での本数は8本。割合から計算すれば、昨年時よりも入念に乗り込まれていることになる。また1週前は坂路4F50.1〜1F13.0秒、今週は坂路4F4F51.6〜1F12.6秒と4F時計の内容も今年の方が濃く思える。ただ気になるのはラスト1Fの時計の掛かり方。昨年は12秒前後だったラストの伸びが、今年は頼りなくなっている。不安点を挙げるとすれば、そのあたりになるだろう。

【美浦トラックマン情報】
◆土曜中山11R・ラピスラズリS
・シセイカグヤ
 秋は放牧に出されてリフレッシュ。トレセンに戻ってからは、北馬場と坂路併用で急ピッチに。1週前の段階では「少し急仕上げ」というコメントだったが、直前の動きを確認した上で出走することに。時計は実質2本だけだが、もともとが自分で体を造る仕上がり早の牝馬。見た目にも動きにも重さはない。実績どおりの中山の短距離向きの差し馬で、このメンバーに入っても決め手の鋭さは互角以上。500万から準オープンまで3連勝したほどの底力の持ち主。軽くは扱えまい。

・ショウナンカザン
 夏以降の4戦を5、12、11、13着と、スタートの出が悪く苦戦続きだが、毎回上がり3F33秒台〜34秒台の末脚で差を詰めていることは確かで、少しでも乱ペースになれば大外一気の可能性は十分に秘めている。京阪杯を使った後中1週のレース間隔となるが、7日の追い切りはポリトラックで5F66秒1〜3F37秒1〜1F11秒7を持ったきりでマーク。特に1Fは重心が沈む絶好のフットワークで駆け抜けた。久々に稽古駆けらしい動きを見せ太め解消は確か。一本調子の逃げ馬の参戦が多くペースは乱れるはず。多少の出遅れは目をつぶって怒濤の追い込み脚に期待。

◆日曜中山10R・美浦S
・アカンサス
 今週で速い時計が4本になるが、圧巻だったのが先週の調教。後藤騎手が跨って48秒台の好時計を楽々マーク。スピード感満点で絶好の動きを見せた。馬体減りの不安もなく、状態面は文句なしと思える。オークス、秋華賞で差のない競馬をしたように自己条件では能力断然といえる存在。折り合いさえつけば、一瞬の鋭い決め手を使う馬。小回りの中山内回りも、全く不安はない。

・ネオサクセス
 夏を境にして、一気に本格化気配を見せている馬。前走は9着と惨敗したが、自身上がり33秒8の脚を使っているように、超のつくスローペースに泣いたため。決してデキ落ちではない。今週はウッドチップの大外を回って84秒8-69秒0、直線は馬なりのままラスト1ハロンを12秒6。最後まで力強い脚どりで一糸乱れぬ動きを披露、数字以上に体を大きく見せ、今の充実ぶりをアピールしている。差し一手の馬ではなく、もともとは先行策を取っていた馬。中山コースにも不安はなく、巻き返してくる。

・シルクウェッジ
 前走の奥多摩Sは、中間の稽古が直線重視か控えめの調教だけで+14kgと明らかに太め残りの馬体。そのため道中は抜群の手応えで直線も一瞬は伸びてきたが、最後で息が上がり3着。今回は長距離輸送があるにもかかわらず1週前に4F52秒8〜上がり38秒3を計時し、さらに直前は4F51秒9〜上がり38秒1と攻め強化。前回とは意欲の違いを感じさせる内容だ。リーディングジョッキー岩田騎手に手替わりし必勝態勢。

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