全日本2歳優駿(12月14日 サラ2歳 定量 JpnI 1600m重)
◎(1)オーブルチェフ 1分41秒6
▲(2)メジャーアスリート 3/4
(3)ヴェアリアスムーン 3/4
(4)ゴールドメダル 鼻
(5)アスペクト 11/2
…………………
○(6)タイセイスティング
△(7)エーシンユリシーズ
△(8)ニシノファイター
△(11)ゴーイングパワー
単110円
馬複220円
馬単260円
3連複560円
3連単1040円
オーブルチェフが期待通り、人気通りの強さをみせた。スタートで大きくつまずき落馬寸前。しかし馬自身、戸惑った気配はそれほどなく、1コーナー8番手、2コーナー6番手、向正面4番手、じわじわポジションを上げていく。そして4コーナー、先頭に立ったメジャーアスリートと文字通り力勝負。さすがに余力はなかったものの、直線抜け出してからは危なげなかった。「元々スタートは上手な馬で、今日はすべて僕のミス。その失敗を馬が帳消しにしてくれた。いい脚が長く使える。本当に強い馬です」(中舘騎手)。ただ、前半ヘヴンズパワーが飛ばし、1000m通過60.4秒の超ハイペース(一昨年ラブミーチャン=61.4秒)。待機策を強いられ、結果それが幸いした部分もなくはない。千六1分41秒6は正直平凡(ラブミーチャン=40.0秒)。自身上がり41.0秒だから、本来差し馬ではないのだろう。
オーブルチェフはこれでダート4戦4勝。前走「北海道2歳優駿」に続きタイトル2つ目。父マリブムーン、エーピーインディ系、典型的な米ダート血統で、パドックでも筋肉質、隆々とした馬体がひときわ目立った。現実に今回スタート不安をのぞかせたこと、ゴールイン後の歩様がスムーズでなかったこと(結果的にやはり激走)。確かに気になるところはいくつかあるが、それでもスケールの大きさ、天性のセンスと勝負根性は十分すぎるほどアピールした。「正直ひやりとしたけれど、(不利に)難なく対応できるあたりが能力の高さでしょう。今日はひとまず通過点」(萩原清調教師)。今後ひと息入れて充電。「UAEダービー=ドバイ3月」直行プランが明言された。通用する器(絶対能力)ではあると思う。あとはその“本番”を100%で臨めるかどうか。(※その後オーブルチェフは、左第3指骨々折と17日にJRAから発表された)
メジャーアスリート2着。逃げたへヴンズを自らねじ伏せ、この日の内容だけとればオーブルと互角だった。ハチきれるような馬体、気性も粘り強く逞しい。今後ローテが難しいが、順調に育てば来季大井「JDダービー」にも夢が浮かぶ。ヴェアリアスムーン、ゴールドメダルの3着争い。首の上げ下げという勝負になり、先着2頭にやや差はあったものの場内が大きく沸いた。JRA2勝の前者はともかく、後者の伸び脚が印象的。パドックでも好馬体が大きく目立った。5着岩手アスペクトの踏ん張りも特筆に値する。初の全国区挑戦、ある程度勝ちを意識して乗り、上がり40秒1(メンバー中3位)だから次につながる。タイセイスティング、エーシンユリシーズは後方から差を詰めて終わった。両馬とも本質的にもう少し距離がほしいか。逆にゴーイングパワーは好位からジリ貧。ダート適性はさておきスプリンターの評価が妥当と思う。