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素軽いマイラーにディアチャンスの初子ミルキーウェイ

  • 2011年12月21日(水) 12時00分
●アンディタード(牝 美浦・古賀慎明 父More Than Ready、母Social Director)
 父More Than Readyは南米の大種牡馬サザンヘイローの息子で、キングズビショップS(米G1)、サンフォードS(米G2)など米17戦7勝。種牡馬としても世界各国で活躍馬を送り出している。スピードがあり芝・ダートを問わない。昨年の米種牡馬ランキングでは第6位。10-11年の豪種牡馬ランキングでは第7位。日本における産駒成績はダートのほうがいい。母Social Directorは、母方に入って味のあるDeputy Minister、Pleasant Colonyを抱えており、繁殖牝馬としてまずまずの成績を挙げている。本馬の半姉Dream DirectorはマザリンブリーダーズカップS(加G2)を勝った。配合は悪くなく、ダート向きのマイラーとして堅実に走りそうだ。

●スイートガガ(牝 栗東・吉田直弘 父ディープインパクト、母スプリットザナイト)
 全兄アドマイヤカーリンはセレクトセールで1億2500万円の値がついた。本馬は牝馬なので4100万円だった。日経新春杯(GII)の勝ち馬で有馬記念(GI)でも2着となったアドマイヤモナーク(父ドリームウェル)の半妹で、Halo≒Sir Ivor≒Drone 3・5×4という大胆なクロスを持っている。ただ、サウンドを起点するこの牝系は、過去に何度もサンデー系と交配されているがイマイチな成績。全兄アドマイヤカーリンもデビュー戦から5戦連続2着と勝ちきれず、現在も500万下で勝てそうで勝てない競馬を続けている。配合的にはとくに気になる点はないので、アドマイヤモナーク級の活躍馬となってもおかしくない。

●スプリングパリオ(牡 美浦・堀宣行 父アドマイヤムーン、母スプリングドリュー)
 母スプリングドリューは芝の中距離でしぶとく出世し、福島牝馬S(GIII)を勝った。父アドマイヤムーンは初年度産駒からレオアクティブ(11年京王杯2歳S-GII)、ファインチョイス(11年函館2歳S-GIII)、スノードン(11年萩S-OP)などを送り出しブレイクしている。最大の武器は素軽さと瞬発力。母に不足しているのはまさにそうした要素だけに、足りないものをうまく補うことができれば、大物となる可能性もあるだろう。芝向きの中距離タイプ。

●ミルキーウェイ(牝 栗東・清水出美 父アグネスタキオン、母ディアチャンス)
 母ディアチャンスはマーメイドS(GIII)を勝つなど重賞で入着を繰り返した活躍馬。タイキシャトルの成功パターンであるNijinskyクロスを持っていた。本馬はその初子。母は繁殖牝馬としてなかなかの素材で、とくにサンデー系との交配で成功しそうな雰囲気がある。アグネスタキオンとの組み合わせも悪くない。芝向きの素軽いマイラーだろう。

●ムーンスウォード(牡 栗東・池添兼雄 父アドマイヤムーン、母ピクチャープリンセス)
 半姉フォトジェニック(父Sinndar)は決め手がなく入着を繰り返していたが、瞬発力を武器とするアドマイヤムーンに父が替わったので、まったく違ったタイプに出るだろう。母の父がSadler's Wells系のアドマイヤムーン産駒なのでレオアウティブ(京王杯2歳S)と同じパターン。母ピクチャープリンセスの半妹Pictaviaは芝10ハロンの英G3勝ち馬。底力を感じさせる中距離配合で期待十分。

【お知らせ】
『新着POG馬紹介』の次回更新は1/11(水)になります。ご了承の程よろしくお願い致します。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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