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有馬記念、ラジオNIKKEI2歳S追い切り診断

  • 2011年12月22日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜中山10R・有馬記念
・ブエナビスタ
 調教パターンがいつもとは違い、初めて国内レースでの馬券圏外に敗れたのが天皇賞・秋。そこをひと叩きして、見事に昨年の雪辱を果たしたのがジャパンC。この秋2戦は調教内容が結果に直結している。

 そしてラストランとなる今回。調教本数は昨年、一昨年と大きくは変わっていない。ただ1週前追い切り、そして最終追い切りの内容は大きく違う。今年は2週続けてCW6Fで80秒台をマークする時計の速い内容。ちなみに昨年は6F86秒だったので、6秒も速い時計で追い切られていることになる。それだけしっかり負荷が掛けられているということだが、前走時は今回と同じような内容で結果が出ているだけに、今回の追い切り内容で有終の美を飾る可能性は高い。

・オルフェーヴル
 休養明けでも入念に仕上げられた神戸新聞杯を快勝した後の菊花賞。お釣りはないと思いきや、馬体重は6キロ増えて、さらに成長している姿を披露。レースでも後続を完封する見事な内容で、三冠を達成した。

 そこから短期放牧に出て、帰厩してからはいつも通りの坂路での調教を積んでいる。1週前追い切りは文句ない動きを見せていた。ただ最終追い切りは坂路でエアラフォンと併せたが、その動きがやや疑問符。いつもなら1馬身以上相手を突き放すのに、今回はアタマひとつ前で出るのがやっと。相手が絶好調なのか、それとも。この判断は難しいところだが、調教内容的には連勝を継続できる状態だと推すことはできない。

・ヴィクトワールピサ
 前走はドバイWC以来の実戦となり、調教量十分でも競馬に参加できずじまい。スタート直後に挟まれた不利もあって、見せ場なく惨敗を喫した。

 もともと東京競馬場での実績がなかったので、ある意味度外視してもいいレース。今回は4戦4勝の中山競馬場を舞台に一変できる状況は整った。陣営もそのあたりを見据えて、中身の濃い調教内容で仕上げている。最終追い切りは3頭併せの真ん中で直線に向いて一杯に追われた。強めで弾けた昨年の追い切りとは少し違うが、それでも追われて伸びる姿は前走以上。調教量も十分なだけに、前走の敗戦を鵜呑みにはできない。

・トーセンジョーダン
 天皇賞・秋1着、JC2着とこの秋のG1戦線での活躍は目覚ましい。昨年5着時とは雲泥の実績差で出走することになる。

 ただ中間の調教内容から強く強調することはできない。過去2走は1週前追い切りをきっちりCWで消化していたが、今回は坂路。しかもその時計が遅く、内容的には評価できない。最終追い切りこそCWで終えたものの、その時計は6F87.6秒と、前走時との比較でも5秒遅くなっている。1週前、最終追いとこれだけ手控えられた点から状態面を勘ぐりたくなるのは当然。調教内容からは過去2走のような走りができないと判断するのが妥当だろう。

◆土曜阪神11R・ラジオNIKKEI2歳S
・グランデッツァ
 過去3戦はすべて北海道での調整だったため、栗東で調教時計を出すのは初めて。その点から単純に過去と比較するのは難しいが、今回も北海道時同様、トラック馬場を中心に調教を積んでいる。

 1週前追い切りはCWで6F80.6秒と速い時計をマークし、追走した相手に楽に先着した。それに比べて、最終追い切りは同じくCWで同じ相手だったが、ゴール前では遅れる形。時計は先週とほぼ同じだが、道中の手応えから、どれだけ突き放すか、楽しみになるような走りをしていただけに、併せてからの伸び不足が余計に目立った。早目に抜け出すような競馬をすれば、強い形でレースできるかも知れないが、叩き合いになるような展開だと馬群に沈むシーンが考えられる、そんな最終追い切りだった。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山10R・有馬記念
・ジャガーメイル
 22日の最終追い切りは1600万のサイオンを相手に併せ馬を消化。5F標4馬身差先行から、直線でサイオンが並びかけた瞬間に、一気にジャガーメイルが弾けラスト1F11.4秒で逆に2馬身先着。5F65.6-3F36.1秒の時計も今週のポリトラックの馬場状態にしては優秀で、仕上がりに関してジャパンCを上回るぐらいの状態までに仕上がっており、今年一番のデキは確か。前3年がいずれも香港遠征と重複したために有馬記念は初挑戦の形となるが、ベストの距離で、上がり時計のかかる流れになりやすい一戦だけに、力量を十分に出し切れるレースは確か。じっくり構えて3コーナーからのロングスパートに期待したい。

◆日曜中山7R・ホープフルS
・ブライアンズオーラ
 前走後も意欲的な乗り込みを消化、一戦ごとの成長が目立っている馬。今週はウッドチップで84.5-68.0-37.8秒、 1秒先行させたロイヤルダリアを馬なりのまま捕まえ、楽々と併入。相手のロイヤルダリアは、先週ナカヤマナイトを差し返す好調教を見せていた馬だけに、この馬の充実ぶりが光る内容だった。前走は直線外から被され、まともに追えたのは残り100mだけ。それでも上がり33.8秒の脚を使ってコンマ4秒差の5着。状態はさらに良化、2勝馬はいないここなら、当然勝ち負けの競馬になる。

◆日曜中山8R・グッドラックH
・ヒールゼアハーツ
 前走の500万下。明らかに太めの馬体で直前の調教では意欲的だったにしても最後の1Fでバタバタになり14.8秒。内にササッて苦しがり息使いもまったく本物とはいえなかった。それでも、実戦では好位で折り合って残り300mでアッサリ先頭。素質上位を示した。この中間は順調に乗られ、直前の稽古で6F82.8-上がり39.2秒を押さえ切れない手ごたえで計示。脚さばきの硬さが難点だった馬が、大きなフットワークでひと皮剥けた走りを披露。昇級戦でも楽に通用の器。

◆土曜中山9R・クリスマスローズS
・ビウイッチアス
 気性が勝った牝馬だけに、前走時は輸送によるイレ込み、馬体減りが懸念されたが、430キロ台を守って競馬内容も上々のもの。その反動もなく、この中間は入念な乗り込み。今週もキビキビした伸び脚で、1F11秒台をマーク。状態面は文句なしといえそうだ。3走前に好時計勝ちがあるように、中山千二はもっとも得意と思えるコース。この舞台なら、前走勝たれた相手も逆転できる。

◆土曜中山12R・グレイトフルS
・ビンテージチャート
 稽古だけでは絞れない大型馬。間隔を詰めて使うことで、冬場にしては太め感はなく、体調面はすこぶる良好。いつもどおり、単走では派手に動かなかったが(69.8-54.6-40.9秒=ゴール前強め)、今回が叩き4戦目。大きく変わりそうなムードがある。近走は、馬場の悪いところを走らされる不運が重なって結果を出せなかったが、本来の決め手は互角以上。直線で上手く外に持ち出せるようなら、弾けるように伸びてくるはずだ。距離が2ハロン延長されるのも大きなプラス。もうひとつ器用さに欠ける面があることは事実でも、中山はやはり前有利。ここは悪くても中団につけて、スムーズに流れに乗りたい。

【お知らせ】
『今週の追い切り診断』の次回更新は1/3(火)になります。ご了承の程よろしくお願い致します。

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