【栗東】
◆アドマイヤバラード(牡、ハーツクライ、母プロモーション、栗東・友道康夫厩舎)
半兄アドマイヤメインは毎日杯、青葉賞と連勝して、その後のダービー2着、菊花賞3着と牡馬クラシック戦線で活躍しているが、本馬に対して入厩以前から「クラシック路線に乗せないといけない馬」と友道康夫調教師の評価は非常に高い。
同師が「メインもそうだったみたいだけど、少し緩いところがあるから、じっくりやってきた」と話すように、11月4日にはゲート試験に合格していたが、早々に1月5日(木)京都芝2000mをデビュー戦に定めて調教が進められてきた。師の思惑通り、追い切りでの動きは徐々に良化。12月22日のDPでは持ち味であるダイナミックはフットワークで力強い走りを見せ、6F81.5~1F11.8秒をマーク。この動きを見守っていた普段調教に跨る大江助手も「やるたびに良くなっていくんですよ」と賞賛。初戦の走り次第では、春の大舞台に十分間に合うだけに要注目。なお鞍上は福永祐一騎手が予定されている。
◆エリモマッローネ(牡、アフリート、母アランダ、栗東・佐々木晶三厩舎)
半兄ネイキッドはダート中距離で5勝を挙げ、近親には桜花賞、秋華賞、エリザベス女王杯を制したファレノプシスがいる血統。
本馬は先週22日にゲート試験に合格したばかりだが、その動きがなかなか。2F目に余力ある走りで11.8秒のラップを刻んでおり、ダッシュ力を見せた。「生ズルイところがあって、ゲートを入るの嫌がる素振りを見せたりするけど、出るのはスムーズ。何の問題もないね。血統の裏付けもしっかりしているし、当然初戦から期待」とは佐々木晶三調教師。デビュー戦は1月8日(日)京都ダート1200mを佐藤哲三騎手で予定している。
◆スリートップガン(牡、マヤノトップガン、母リーチトゥピース、栗東・村山明厩舎)
半兄ステキナシャチョウはダート中距離で2勝、半姉ウアジェトは芝で2勝を挙げており、堅実な成績を残している。なお本馬は2010年北海道セレクションセールにて1000万円で落札されている。
12月9日のゲート試験に合格してから、坂路を中心に調教が進められており、12月15日には坂路で古馬トウシンヤマトと併せて同入、4F54.9~1F13.2秒をマークしている。村山明調教師は「まだ目立って速い時計は出していませんが、しっかりした馬体で初戦からある程度やれると思います」と期待。1月9日(月)京都ダート1800mでのデビューが予定されている。
◆スイートジュエリー(牝、キングカメハメハ、母スイートテースト、栗東・安田隆行厩舎)
半兄にダート中距離で2勝を挙げているペケジェイ(父Tiznow)はいるが、近親に目立った活躍馬はいない血統。ただ初夏に入厩していた時から「馬体がぐんぐん良くなっているんですよね」と安田隆行調教師の評価は高かった。
一旦放牧に出されての再入厩となったが「夏よりも馬が良くなっていますよ」と休養した効果で更に馬が成長していることを強調する師。それを追い切りで示したのが12月21日の坂路。ダヴィードとの併せ馬になったが、一杯に追う相手に余力十分に先着。時計も4F53.0~1F12.9秒と水準以上のマーク。デビュー予定は1月8日(日)京都ダート1200mを予定しているが「ゲートも速いので楽しみです」と師。初戦からどんなパフォーマンスを見せてくれるか楽しみだ。
【美浦】
・イジゲン(牡、父Empire Maker、母Cosmic Wish、美浦・堀宣行厩舎)
2011年4月にアメリカのケンタッキー州で開催されたキーンランドエイプリル2歳トレーニングセールの出身。アンダータックショー(騎乗供覧)では2Fの最速タイとなる20.8秒を計測し、40万ドルで購買された。馬主名義はノーザンリバー(アーリントンC)、ヘニーハウンド(ファルコンS)などで知られる林正道氏。10月にゲート試験を受けてから牧場で乗り込み、12月8日に再入厩。それほど目立つ時計は出していないが、坂路とウッドチップを中心としたメニューで態勢を整えてきた。「素直な気性でセンスが良さそう。攻め馬の動きも水準以上だし、いいモノを持っていると思います」と厩舎サイド。1月5日、中山の芝2000mを予定している。
堀宣行厩舎では前週の更新で紹介したアストライオス(牡、父サクラバクシンオー、母ビーナスライン)が最終週のマイル戦を除外になったため、年明けにスライド。1月9日、中山の芝1600mでデビューすることになりそうだ。
・ステラウインド(牡、父ゼンノロブロイ、母ビーウインド、美浦・尾関知人厩舎)
母は未勝利だが、3代母の産駒にテイエムオペラオーがいる。2010年のセレクトセールで1000万円で落札された。大山ヒルズで育成され、11月10日に入厩。坂路とポリトラックで順調に追い切りの本数を重ねてきた。12月21日には蛯名騎手を背に坂路で4F53秒1を馬なり。無駄肉のない好馬体の持ち主で、他の関係者からも「いい馬だね」と声がかかるほど評判が高い。「体質が弱かったこともあり、じっくりと成長を待って入厩させました。それほど速い時計はだしていないけど、時計にならないところも含めて量は乗り込んでいます。環境に慣れるに連れて落ち着きが出てきたし、ジョッキーも乗りやすくて柔らかいと褒めてくれた。稽古でも素軽い走りを見せているし、初戦から期待しています」と尾関調教師。1月5日、中山の芝2000mを蛯名騎手で予定している。
尾関厩舎ではココロチラリ(牝、父エアジハード、母ライフスプリング)、サクラオードシエル(牝、父サクラプレジデント、母サクラプレステージ)もスタンバイ。どちらも1月9日、中山の芝1600mを視野に入れている。
・ピグマリオン(牡、父ダイワメジャー、母タイムフェアレディ、美浦・加藤征弘厩舎)
母はフラワーCの勝ち馬。近親に現オープンのサワヤカラスカルがいる。2009年のセレクトセールで1500万円で落札された。9月にゲート試験をクリア。その後はノーザンファーム天栄で基礎体力の強化を図り、12月10日に再入厩した。坂路を中心に乗り込み、21日には4F52秒1をマーク。雰囲気は上々だ。「しっかりと力をつけて戻ってきたし、体つきもいいいね。いいスピードがありそうだし、走ってくると思いますよ」と加藤征弘調教師。1月9日、中山の芝1600mをC・ルメール騎手で予定している。
加藤征弘厩舎ではチャードリー(牝、父ウォーエンブレム、母シャルムーズ)も年明けのデビューを予定。こちらは1月5日、中山の芝2000mが視野に入っている。
・ラスヴェンチュラス(牝、父ディープインパクト、母ジョセット、美浦・小島茂之厩舎)
1歳上の全兄ディープサウンド(現1000万下)はデビュー2戦目に勝ち上がり、続く百日草特別を連勝。共同通信杯ではナカヤマナイト、ユニバーサルバンクに次ぐ3着に好走した。一族にはG?5勝のアグネスデジタル、京成杯を制したジャリスコライトもいる。2009年のセレクトセールで1500万円で落札された。11月23日に入厩し、坂路やウッドチップを中心としたメニューで丹念に乗り込まれている。「いい動きをするし、すごくセンスの良さを感じさせる」と小島茂之調教師。1月9日、中山の芝1600mを蛯名騎手で予定している。また、仕上がり次第で翌週の芝2000mに回るプランもある。
【お知らせ】
『今週のデビュー馬情報』の今年度の更新は12/26分で終了となります。ご了承の程よろしくお願い致します。