ゴールドカップ(12月23日 浦和 サラ3歳以上 別定 南関東SIII 1500m)
「ゴールドカップ」は、平成20年から「古馬・1500m(当時新設距離)」に条件変更されたリニューアル重賞(かつては3歳馬の総決算として施行)。実質歴史は浅いものの、その優勝馬、第1回チェレブラーレ、第2回ノースダンデー、第3回ボランタスだから、イメージ以上のレベルがある。ただ今年は施行時季が、前3年の6月から12月へ大きく動いた。交流増設の流れ。結果的に「オーバルスプリント=GIII」とポジションを交換した形となった。
1…小波乱、2…4〜5歳の成長株、3…船橋所属馬優勢、4…好位から差しのきく馬――。
ひとまず前3年のデータ、傾向はそうなるが、今回有用かどうかは微妙だろう。もう1つ、近年この路線(短〜マイル)はJRAからの移籍馬がいきなり登場、実績以上の結果を出すケースがしばしばある。かつて転入馬に義務付けられていた「調教試験」が免除される(半年以上の休養明けのみ適用)ことも、正直予想者としては頭が痛い。いずれにせよ今回フルゲート12頭、除外馬(賞金順、所属制限な
ど)が7頭出た。その意味でも中身の濃い激戦を期待したい。
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◎ナイキマドリード 58戸崎
○ディアーウイッシュ 58今野
▲ピサノエミレーツ 58ムンロ
△フジノウェーブ 58坂井
△ギャンブルオンミー 58本田重
△イーグルショウ 58石崎駿
△ケイアイライジン 58川島
ラインプレアー 58水野
トーセンゴライアス 58的場文
ドリームトレジャー 58森
ナイキマドリードは、この路線で一枚別格のレベルにある。昨秋「JBCスプリント(船橋千m)」2着、続く「オーバルスプリント」を制し、平成22年・NAR最優秀短距離馬に輝いた。今年1勝だけは一見期待外れだが、その1勝は6月GII「さきたま杯」。当時スーニ、ラブミーチャン、さらにラヴェリータを完封している。本質的にスタートが巧くないこと、外から被される展開で気性難が出ること。それでも流れに乗れたときの破壊力は文句なく一級品で、とりわけ浦和千四〜千六に最もフィーリングが合っている(4戦3勝)。持ち駒豊富な川島正行厩舎が、今季最後の重賞勝ちを託した馬(マニエリスム、ルクレルクなど回避)。南関東同士のSIII、それでいて全馬58kgとはどう考えても恵まれた。12頭立て8番枠なら、もまれずロスのない競馬ができるはず。父ワイルドラッシュからトランセンド、クラーベセクレタ。血統的な勢いも見逃せない。
馬券的には相手探し。ディアーウィッシュは左回り短〜マイルで、一貫マドリードの好敵手になってきた。昨年オーバルスプリントは首差2着(同斤58kg)。今回3か月半の放牧明けだが、元来反応のいい気性で仕上がりは早い。馬優先主義、常に一戦必勝がセオリーの出川克己厩舎。半信半疑の人気なら逆に妙味と考えた。実績、貫禄はむろんフジノウェーブだが、前2走2、3着、抜け出した瞬間、ボク、マニエリスムに差し込まれたあたり、さすがに9歳…という感も否めない。もう1つ、同馬はピーク時でも左回りの折り合いに不安があった。
代わって▲ピサノエミレーツはJRA5勝。芝・ダートを多様にこなし、本質中〜長距離志向ながら潜在能力が相当高い。母は帝王賞馬ネームヴァリュー。ここをきっかけにできればもうひと花が十分浮かぶ。以下、完全復調したレース巧者ギャンブルオンミー、ハマって切れるイーグルショウ。「埼玉栄冠賞」3着ケイアイライジンも争覇圏だが、過去短〜マイル、忙しい競馬はあまり経験していない。
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