厩舎地区を歩いていると、「エミーズパラダイス(船橋・川島正厩舎)は力が抜けすぎてるよ」といろんな陣営から持ち切りでした。たしかに、北海道からの転厩緒戦だった前走のみずどり特別の競馬内容はモノの違いとしか言いようがありません。「乗りやすいし申し分ないです。体は20キロ増えていますが重くはありません」と戸崎騎手。一度使って状態面もグンとアップしているそうで、今度はどれだけ強いんだろうと末恐ろしくなってきます。
ドラゴンシップ(左)、エミーズパラダイス(右) 本追い切りは重賞2連勝中のドラゴンシップと併せて楽に突き放しました。「それでもまだフワフワして余裕がある感じですよ。乗っていても2歳牝馬って感じはしないです。前回使ってから一気に良くなった感じです」と本追い切りに騎乗した高橋騎手。歩様や気合い乗りなどすべてにおいて上積みがあるようです。
この馬はフリオーソと同じコンビで、調教は佐藤裕騎手&担当は波多野厩務員で手掛けています。これまでもレベルの高い馬たちにかかわってきたのは周知の事実ですが、それでいながらエミパラの潜在能力には絶賛していましたよ。
エミーズパラダイス お母さんは南関東所属馬として初めて中央の桜花賞に駒を進めたエミーズスマイル。その初仔にあたるので血統にもそそられます。オーナーさんサイドとしては、来年はお母さんが果たせなかった中央の桜花賞制覇という大きな夢を描いているそうです。
「ゴーサインを出すとスッと動けるし騎手の指示に従順なのがいいところだよ。今回は中団くらいからの競馬になるだろう。何でもやりすぎは良くないから調整も予定通りだし、ここはどんな勝ち方をしてくれるか」(川島調教師)
南関東生え抜きでハイセイコー記念とローレル賞を連勝中のドラゴンシップ(船橋・川島正厩舎。2歳牝馬離れをした精神力と持ち前のスピードを武器に素晴らしい走りを見せてきました。「追い切りは遅れたけど、初めて50秒を切ってきたからな。追い切りが動かなくてもレースで走る実戦型もいるから。レースでとぼける面があるから前につけて追いかけられたほうがいい」と川島調教師。
エンジェルツイート オオエライジンの妹エンジェルツイート(大井・森下厩舎)は前走の平和賞は北海道代表として果敢に参戦し、スピードで押し切った逃げ切りには圧巻でした。その後は大井の森下厩舎に転厩して至って順調に仕上げてきたそうです。とにかくかかわる人たちが、この馬の類い希なスピードには驚嘆。この絶好の枠に入ったからには、スタートさえ決まればもちろんハナに立つのは濃厚。あとはどこまで押し切れるでしょう。
ショコラヴェリーヌ(大井・荒山厩舎)は前走のローレル賞(2着)が圧巻でした。スタートがゆっくりでびちゃびちゃの馬場の中を後方から追走。道中も馬群の中で厳しい競馬をしながらもぬうように進出し、直線では猛追して、優勝したドラゴンシップに3/4馬身差までつめ寄りました。
「どんな走りもできるし一番強い競馬をしてくれました」と真島騎手。その後はここを目標に仕上げてきたそうで、「前走の内容はとても良くて力のある所は見せてくれたし、相手は強いけど今回も乗り方ひとつだね」(荒山調教師)
アイキャンデイ(大井・上杉厩舎)は重賞未勝利ながらもハイセイコー記念と平和賞をともに2着。前走の平和賞は初コースもあったようで、4コーナー手前で競馬をやめてしまったそうです。それでも最後は盛り返して力のある所は見せました。「まともに走れば重賞を取る力は十分にある。レベルはかなり高いと思う」と的場騎手は常に褒めています。この中間もつきっきりで調教をしてきたそうで状態はアップしているそう!楽しみです。
レイモニ(川崎・池田厩舎)は北海道からの転厩緒戦。「いつも調教をつけていても2歳牝馬にしては力があると思うし完成されているね。人気薄だけど期待している」と広報担当の岡田厩務員。
ここにきて復調してきたキョウエイペトラ(川崎・武井和厩舎)も人気薄だからこそ楽しみです。厩舎サイドも調子の良さには太鼓判を押していました。デビューした頃の走りを考えると、自分の力が出せれば期待も高まりますね。
兵庫県の活躍馬として南関東に仲間入りしたアスカリーブル(大井・佐野厩舎)。「前走収穫があったし、相手なりに走れる強みもあります」と佐野調教師。
ロクイチスマイル(北海道・田中淳厩舎)の実績はピカイチです。ここに入っても自分の力を出せれば十分に楽しみでしょう。早めに大井入りしましたが、環境にもすぐ慣れたそう。「スピードがあって行かせようと思えば行ける脚があるし、どこからでも競馬ができるのは強みです。強い相手と戦ってきたことをここで生かしたい」と田中調教師。