●カフジモリ(牡 栗東・中竹和也 父アグネスタキオン、母ミスカースティー)
　半兄マルカフェニックス(父ダンスインザダーク)は阪神C(GII)とスワンS(GII)の勝ち馬。母ミスカースティーはRose Bower≒Sir Gaylord 3×3があるのでスピード色が強い。これにアグネスタキオンを交配して誕生した本馬はおそらく芝向きのマイラーだろう。仕上がりが早そうなので新馬戦に強いタイプだと思われる。

●サクセスベルーナ(牝 美浦・牧光二 父シンボリクリスエス、母サクセスビューティ)
　母サクセスビューティはフィリーズレビュー(GII)の勝ち馬で、繁殖牝馬としてもサクセスブロッケン(09年フェブラリーS-GI、08年ジャパンダートダービー-Jpn1、09年東京大賞典-Jpn1)を送り出している。本馬はその全妹。母方にDeputy Ministerを持つシンボリクリスエス産駒にはほかにマチカネニホンバレ(09年エルムS-GIII)が出ており成功している。兄と同じようにダートで大成することを期待したい。

●ジュエルトウショウ(牝 栗東・鶴留明雄 父アグネスタキオン、母スイープトウショウ)
　母スイープトウショウは宝塚記念(GI)、エリザベス女王杯(GI)、秋華賞(GI)など6つの重賞を制した女傑。その初子が本馬。母方にダンシングブレーヴを持つアグネスタキオン産駒にはリトルアマポーラ(08年エリザベス女王杯-GI)、リディル(11年スワンS-GII)などが出ており成功している。鋭い切れ味を予感させるスピード配合で、母方にテスコボーイが入るのでリディルとよく似た血統構成だ。芝向きの大物マイラーに育つ可能性がある。育成の段階で大怪我をし、競走馬になることすら危ぶまれる状況だったが、幸いなことに傷は癒えたようで今月半ばに栗東に入厩している。ぜひ来春のクラシックに間に合ってほしい良血馬だ。

●パスティ(牡 美浦・藤沢和雄 父マンハッタンカフェ、母サムソンレッド)
　母サムソンレッドは芝短距離で4勝を挙げた。これまでに送り出した5頭の産駒にこれといった大物はいないが、本馬は配合的に優れているので期待できる。母方にCaerleonを持つマンハッタンカフェ産駒は走っており、ジョーカプチーノ、レッドディザイア、テイエムオーロラ、ガルボなど多くの活躍馬が出ている。母にNorthern Dancerの強いクロスを持つパターンも同様に成功している。芝向きの中距離タイプだろう。

●マウントシャスタ(牡 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母クロウキャニオン)
　全兄ボレアスはレパードS(GIII)の勝ち馬で、半兄キラウエア(父キングカメハメハ)は昇竜S(OP)で2着という成績がある。いずれもダートが主戦場だったので、本馬もダート向きの傾向があるだろう。2代母クロカミは芝重賞を2勝したが、その産駒はなぜか決め手に欠けるパワータイプばかりだったので、そうした特徴が表れているのだと思われる。母方のフレンチデピュティ、Caerleonは父ディープインパクトとまずまず相性がいいので、この馬も兄同様に出世可能だろう。

●ライズアゲイン(牡 美浦・国枝栄 父ディープインパクト、母アイルドフランス)
　母アイルドフランスはダイヤモンドビコー(重賞4勝)の半姉で、現役時代にミネルヴ賞(仏G3・芝2500ｍ)とヒルズボローH(米G3・芝9f)を制した。半兄キングレオポルド(父フジキセキ)は朝日杯フューチュリティS(GI)6着などの成績があるが、気性面の難しさを抱えており、近走はスプリンター路線を歩んでいる。本馬もこの点が懸念材料ではあるが、何もなければ中距離タイプとして出世できるだろう。母方にNureyevを持つディープインパクト産駒は、ディープブリランテ、フレールジャック、ヴィルシーナ、メデタシなどがおり悪くない。小回りコースのほうがいいタイプかもしれない。

●ロードハリケーン(牡 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母レディバラード)
　全兄ダノンバラードはラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)の勝ち馬。2代母Angelic Songは、Glorious Song、Devil's Bag、Saint Balladoなどと全きょうだいの関係にある良血で、父ディープインパクトはこれらの血ときわめて相性が良い。これらのうちどれかを母方に抱えた産駒はJRAに6頭しかいないにもかかわらず、そのなかから重賞勝ち馬のダノンバラード、フレールジャック、アダムスピークのほか、OP入りを果たしたヴィルシーナが出ている。配合的な裏づけのある馬なので兄同様の活躍が期待できそうだ。