ふつうは連勝中の注目馬がいて、いったいどのくらい強いのだろう。もうその馬が負けるとしたらどの新星だろう。そういう視点が求められたりするレースだが、今年の注目馬は少しトーンが異なる。
たとえば武豊騎手の12番ブルーイレヴン。あの気性は右側だけのブリンカーや、メンコでまともになるのだろうか。力を出し切れるだろうかの疑問が大きい。
8番ブラックカフェは2連勝の内容は文句なしだった。ところが前走、スパートしても伸びずに牝馬のマイネヌーヴェルに引き離されている。あまりになさけない内容で、あれで本当に大丈夫だろうか。
13番テイエムリキサンは崩れていないようにみえるが、前走は先行馬総つぶれの超ハイペース。スタートで置かれ後方に位置したのはむしろ有利な展開。あれで届かないようではAランクとはいえない。
9番シアトルユーも、楽な手ごたえで進みながら追い出すとジリすぎて、坂のあるコースではいつも惜敗に終わる危険がある。
他馬もクラシック候補というには光る部分が少なく、大きく変われば…が見どころだ。
大きく変わって欲しいという意味で、ブルーイレヴンに期待する。もちろん再度気難しさを出して凡走の危険もあるが、まだ本気で走ったことはなく、だからこそ、また今回も武豊騎手が乗る。11月の中山で抜け出したレースなど、ちゃんと追えたのはゴール寸前だけ。もともとサッカーボーイ産駒は難しい一面があるのがふつうで、うまくレースの流れに乗れさえすれば、すでに抜け出している形のザッツザプレンティ、エイシンチャンプあたりとは互角以上だろう。まちがいなく、やがて大成する奥のあるタイプだ。