【栗東トラックマン情報】
◆日曜京都11R・日経新春杯
・トゥザグローリー
昨秋は天皇賞秋、ジャパンC、有馬記念とG1を3連戦しての中2週。疲れを心配したが、中間は坂路で時計を出しており、特に目立った心配はないかも知れない。
ただ秋3戦はG1ということもあり、手加減ない仕上げ。特に3着した有馬記念では転厩して初めて最終追い切りのCWで5F63秒台とハードな内容だった。これが好走に繋がったと思うだけに、今回の最終追い切りは時計的に不満が残る。CWで福永祐一騎手が跨り、トーセンレーヴに先行する形。直線では相手が内から併せてきて、ゴールではほぼ同入。手応え抜群でラスト1F11.7秒の伸びだったが、5F68.7秒は前走時と比較してかなり遅い。この点を見ると、どうしても前走のような高い評価はできない。
・スマートロビン
2走前の神戸新聞杯ではハナを切るレースで見せ場十分の4着。そして前走の自己条件では先行抜け出しの安定したレースぶりで勝ち上がってきた。
その前走は10月から11月にかけて坂路で30本近い調教を積んだ。それに比べて今回は中8週と前走時より間隔が空きながら、調教本数は4分1もない。なにせ帰厩したのが1月4日とレース11日前なのだから、それも当然だろう。ただ最終追い切りの動きは絶品。CWで安藤勝己騎手が跨って、ミダースタッチを追走したが、直線入口で追いついて、直線は突き放す一方。6F84.1秒は速くないが、4F51.2〜1F12.1秒と後半は時計が速くて力強い走り。さすがという動きを見せてくれたが、問題は中身というところだろう。
・ダノンバラード
池江泰郎厩舎解散に伴い、池江泰寿厩舎へ転厩したのが3走前。3戦とも馬券圏内を外していない点は堅実だと評価できるが、近2走に関しては人気より着順を下げており、決して本来の力を発揮しているとは言えないだろう。
当初予定されていた中山金杯が除外になったことでの参戦。よって中間の調教内容に関してはなんら気になるような点はない。ただ今回も最終追い切りは坂路で行われており、その時計は4F53.8〜1F13.5秒。時計の掛かる時間帯だった点を考慮すると、時計自体は前走と変わらないが、前厩舎で勝っている時の最終追い切りがDP追いだった点から、坂路追いでさほど上積みを期待することはできないかも知れない。
◆日曜中山11R・京成杯
・アドマイヤブルー
新馬戦は豊富な坂路調教を積み、単勝1.6倍の支持に応える勝利。そして2戦目ホープフルSでは初めての長距離輸送も中3週で4本の坂路調教と攻め内容が緩められることはなく、勝ち切っている。
そして今回は中2週での再度長距離輸送。さすがに今回は中間の調教内容が手緩く、4F57.9秒で馬なりだったが、最終追い切りは時計の出る時間帯だったとはいえ、4F50.8秒としっかり時計を出してきた。終い重点だった前走時に比べて、速い時計を出してきたのは、体調が良い証拠だろう。ラスト2Fも12.7〜12.9秒とまとめている点から、前走時と変わらず良い状態で出走できると判断してよい。
・スノードン
G1の前走は「なにもできませんでした」と安田隆行調教師が話すように、後方ままで終わってしまった。しかし「走っていない分、ダメージはほとんどありませんでしたね」ということで、このレースを目標にすることになった。
1週前追い切りで坂路4F53.5〜1F13.3秒という内容をこなし、最終追い切りは再度の長距離輸送を考慮して坂路4F58.6〜1F12.6秒。ラストだけ強めに追う程度の内容だったが「これは指示通り」と師。確かに萩Sでは終い重点の追い切り(坂路4F56.8〜1F12.2秒)で勝っているだけに、この追い切りパターンはいいはず。あとはゲートをしっかり出て、先行する競馬ができれば、自然と結果はついてくるだろう。
【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・京成杯
・ベストディール
ひと息入ったが、暮れから正月にかけてコースで入念な乗り込み。順調に仕上がっているし、最終追い切りの今週は、古馬サトノロックと合わせ素軽さ満点の動き。気合の良さも目立ち、力を出せるデキと思える。前走はスローペースを好位でピッタリ折り合い、アッサリ抜け出す好内容。着差以上に強さを感じたし、センスの良さも十分、クラシックに向けて目を離せない存在だ。
・マイネルロブスト
暮れの朝日杯FS2着後はここ目標に年末から入念に乗り込んで中間計3本の追い切りを消化。1週前追いでは古馬を1.6秒追走から目一杯に追い切り、最後半馬身ほど届かなかったが、5F66秒5〜3F36秒9と、ウッドコース追いとしては破格のタイムをマーク。このひと追いで息もちが一変し、11日の最終追いは5F66秒8〜3F38秒4を余力十分の脚どりでマーク。デビュー以来6戦目となるが、変動少なく引き続き好馬体キープは確か。あとは距離2000mに対する適応力だけだがデビュー戦や札幌2歳Sの戦いぶりからスタミナ面に問題はなく、ここは難なくクリアーするはず。スタート互角に出て、スンナリ3、4番の好位追走の形がとれればチャンス。
◆土曜中山9R・初春賞
・ダンシングロイヤル
昨年夏の札幌戦でHBC賞2着。そして次のTVh賞は1番人気に推されたが、競争中に右肩跛行を発症して休養。今回は4か月ぶりの出走になるが、坂路とウッドを併用して入念に調整され、先週の時点でほぼ完璧といえるほどに仕上がった。直前の追い切りは息づかいと終いの反応を確かめるように追われ4F51秒〜上がり37秒7。最後まで手綱を押さえたままで気迫を漲らせ万全の態勢をアピールした。気性勝って狙いは緒戦。
・スイレン
出遅れて馬込みから出せなかった前走は参考外、それでも大きくバテたわけではなく、ジワジワとだが脚を伸ばしていた。前走後、少し間隔をあけたが、3週連続で6ハロンから意欲的に追われている。今週はウッドチップで83秒0-66秒7-38秒4、単走で馬場の外々を回ってきたが、最後まで小気味良い脚どりは衰えず、余力を持ってゴールイン。500キロを超える大型馬だが、体をスッキリと見せ、好気配をアピールしてきた。切れる脚はないがバテず、併せての根性が目立つ馬。不思議と中山戦はまだ1戦だけだが、間違いなくこの条件がベスト。状態に不安はなく、キッチリと巻き返してくる。
◆日曜京都12R・4歳上1000万下
・トキノエクセレント
京都への遠征を意識して、あえて1週前の金曜に併せ馬。稽古駆けの3歳プリサイスファインに遅れはしたものの、手綱は最後まで
動かぬまま。まだまだ気性が荒剤り(やんちゃ)だが、そんな面はまったく見せずに、乗り手との呼吸もピタリ。心身ともに、確実に成長しているのが見てとれる。中山の1200メートルでは忙しいため、1400メートルを求めての再度の西下となるが、早くから福永騎手をキープして万全の出走態勢。少しモタれた前走でも惜しい2着。今度こその期待がかかる。