スマートフォン版へ

京成杯

  • 2012年01月14日(土) 18時00分
  • 33
 牡馬のトップグループは、年が明けたばかりのいまの時点で、朝日杯FSのアルフレード、マイネルロブスト。ラジオNIKKEI杯2歳Sのアダムスピーク、ゴールドシップ、グランデッツァ。東スポ杯のディープブリランテが「基準」になっている。ランク付けは見解が分かれるだろうが、ディープブリランテあたりが一歩リードの勢力図か。

 ここは、ラジオNIKKEI杯2歳Sに続く2000mの重賞。そこで0.5秒差5着のブライトラインがいる。札幌2歳Sでグランデッツァ=ゴールドシップ、さらにはマイネルロブストと差のない4着だったベストディールがいる。

 そのマイネルロブストは朝日杯FSの2着馬でもあるから、しだいに「勢力図」らしき形ができてくる。ここで「マイネルロブスト」が上位に入ると、早くもマイネルロブストが比較の基準、レースレベルの目安になる馬となるかもしれない。

 そんなに簡単にランキングが見えるはずもなく、またわかりやすい勢力図が描かれてしまっては、熱心な競馬ファンにとっては興ざめの力関係が成立してしまう。

 ここまで別路線を歩んできた中山2000mの「ホープフルS」組に注目したい。2分01秒4~6で上位を占めた「アドマイヤブルー、コスモアンドロメダ、レッドシャンクス」のレベルは低くない。レース全体は(61秒2-60秒2)=2分01秒4の決着で、レース上がりは35秒0-11秒9だった。

 中で、明らかに脚を余したと見えたのは4着レッドシャンクス(父ガリレオ)。少し出負けして後方の位置どりになったため、上がり34秒3で差を詰めたが、勝ったアドマイヤブルーと0秒2差。ただし、スローに近い流れをインに突っ込んだから、狭い進路を探す直線の追撃になり、ゴール前は脚を余していた印象が強い。

 この中間、レース間隔はないが入念に乗って成長をうながしている。欧州の現在のチャンピオンサイアーであるガリレオ(その父サドラーズウェルズ)産駒。ガリレオ産駒の走るパターン通り、ノーザンダンサーのクロス(3×5,5)の配合。欧州のクラシック血統らしく、もし路線に乗って候補の1頭に浮上するとしたら、3歳になったこの時期に急速に充実を示してくれるはずである。

 デビューからの3戦、自身の上がり3ハロンはレースの流れにかかわらず「34秒2~4」。そうは切れない死角はあるが(サンデー系ではないから)、早めにスパートしても簡単にはバテず、速い脚が長続きするタイプと思える。3歳春にトップに躍り出ないと、古馬になってそうはパワーアップしないのが欧州のクラシックタイプ。急上昇に期待したい。

 ベストディール、マイネルロブスト、アドマイヤブルー、アーデントの4頭を相手本線に、1戦1勝だが素質十分のキネオピューマ、2000m向きのスノードンが穴馬。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング