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AJCC、平安S追い切り診断

  • 2012年01月19日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜中山11R・AJCC
・ルーラーシップ
 前走の有馬記念は休養明けということもあって、最終追い切りではいつもより速い時計を出したが、併せ馬では遅れる内容。見せ場十分4着ではあったが、やはり状態がいい時は最終追い切りの併せ馬で先着することがバロメーターになるのだろう。

 今回の最終追い切りは福永祐一騎手を背に3頭併せの最内。馬体を併せたディアデラバンデラを最後まで抜かせることなくゴール。1週前追い切りでは併せ馬で遅れていたが、坂路が苦手なのかも知れない。トラック馬場では楽な手応えで先着を果たしており、本来の素軽い動きが出たのだろう。中間の調教量も十分なだけに、しっかりと結果を出しそうだ。

・トーセンレーヴ
 鳴尾記念回避の影響を心配される今回だが、調教本数自体は十分すぎるくらい。1週前にはCWでトゥザグローリーと併せて手応えよく同入しており、素軽い動きを見せていた。

 最終追い切りはCWでゴールスキーを内から追走して、ゴールで少し前に出る内容で先着したことは好感が持てる。また6F82.8秒は勝ったアイルランドT時とほぼ同じなので、負荷も軽くない。ただ問題は調教を開始した時期。初時計が1月6日というのは、同じ休養明けのアイルランドT時に比べて1週間ほども遅い。鳴尾記念前に調教を積んでいたことを考慮すれば、調教開始が遅いことは問題ではないかも知れない。ただ細部に注意を払うのであれば、冷静な評価を下すべきだろう。

◆日曜京都11R・平安S
・エスポワールシチー
 坂路の馬場状態が良くないということで、最終追い切りに選んだのはCW。これは2010年南部杯以来ということになるが、CW追いで5連勝した過去実績を考えれば、この調教馬場の変化はプラスだろう。

 またその動きも絶品。馬場状態がいい調教開門直後ということもあるが、道中ある程度のペースで行きながら、ラスト1Fは11.5秒。双眼鏡越しに伝わってくるスピード感は1週前のCW追い時と比べものにならないくらい凄い。脚の腫れに関しては「本当に軽度」と安達昭夫調教師。この最終追い切りを見れば、その言葉が真実であることがよく分かる。

・トウショウフリーク
 前走ジャパンCダートは初めてのG1ということで、15着の大敗も仕方ないところ。それまでの実績を考慮すれば、ここでは「あらためて」という気持ちで上位人気に支持されるのは当然かも知れない。

 ただ最終追い切りの内容を見る限り、連勝時の勢いが継続しているかは疑問。最終追いは併せ馬が行われたが、坂路で最終追い切りを行うようになってから併せ馬は初めて。しかも完全に手応えが相手優勢での遅れ。見栄えが悪い上に、連勝時にはなかった併せ馬が行われたこと自体、これまでと同じ評価をするわけにはいかない。中間の調教本数も決して多くないだけに、当日の馬体重には少し気を配りたい。

・タガノロックオン
 戦前、陣営が口を揃えて「太い」と話していた前走だったが、なんとも強いレースぶりで快勝。実際、輸送があって10キロ増だったのだから、太かったのだろう。それでも勝つあたりは能力の高さを証明している。

 今回も決して絞れている感じはないが、追い切り自体はしっかり強化されている。最終追い切りはCWで単走だったが、6F84.5-1F12.9秒と攻めで目立たない馬にしてはある程度の時計が出た。ただ時期的なこともあるだけに、レース前日にCWで時計を出して太目が残らないように調整された方がベストの仕上げになるのではないだろうか。そのあたりの調教内容を確認した上で、当日の馬体重を見極めたい。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜中山11R・AJCC
・ナカヤマナイト
 18日の最終追いは格下エイブルサクセスとアストレーションを5F標で2.6秒も追走するハード内容。さすがに直線では進路を内に取ったが、ラスト1Fグイと伸びて併入に持ち込んだ。5F64.7-3F36.2-1F12.9秒は今の力の要るウッドチップコースだとなかなか出ないタイム。これだけキチッと追って、なおかつ好タイムは明らかに状態が上向いている証と言える。遠征帰りの前走は直線85%ぐらいのデキだったが、今回は昨春時を上回るほどよくなっていることは確か。相性のいい中山コース、再度の斤量55キロ、一瞬の決め手が活きる展開で2連勝の期待は大きい。

◆日曜京都11R・平安S
・レーザーバレット
 前走はインに押し込められ位置取りが悪くなったうえに、このクラスにしては超がつくスローペース。8着といっても力負けとは思えないし、大外回って36秒台で伸びた脚は見どころ十分。オープンでも十分通用することを示した。この中間は入念な乗り込み。1週前の動きが目立っていたし、輸送を控えた今週も意欲的で、馬体、気合いのよさが目立つ。今回は馬券的妙味も十分ありそうだ。

◆日曜京都10R・伏見S
・ロードバロック
 前走の市川S。気性の激しい馬を田辺騎手が後方でスムーズに折り合いをつける。そして直線に向くと馬群をうまく捌いて最後鋭く伸びて3着。この中間も坂路、ウッド、ポリを併用して入念に乗り込まれ、2週前の調教では、ポリトラックで6F76.0-上がり36.1秒と調教レコードを計示。さらに直前の調教でも時計のかかるウッドで6F81.5-上がり39.5秒の一番時計を叩き出した。7歳でも今がピークと思えるデキ。展開がハマれば勝機。

◆土曜中山9R・菜の花賞
・ハナズゴール
 直線、大外からごぼう抜きで圧勝した新馬戦が、強烈なインパクトを残した馬。続く自己条件では7着と負けたが、上がり33.8秒の脚を使っての敗戦と、展開に泣いただけ。その後ひと息入れたが、先週坂路で50.9秒を馬なりでマーク、今週はウッドチップで69.8-40.6秒。テンに少し飛ばしたぶん最後バテてしまったが、目一杯追えたことは、久々の競馬だけに好材料。小柄馬らしく太め感はまったくなく、好仕上がりを見せている。一瞬の爆発力がものを言う中山マイルは大歓迎、久々の今回が絶好の狙い目になる。

◆日曜中山12R・4歳上1000万下
・ゴールドアカデミー
 北馬場のダートコースで軽めのキャンター。十分に息を整えてから、坂路で追うというのがこの馬の調教パターン。500キロを超す大型馬だが、これだけ時間をかけて乗り込み、たっぷりと汗もかいているため、厳寒期とはいえ太め感などまったくない。すでに500万を2度勝っている馬で、1000万に昇級しても迫力は互角以上。多分に展開に左右される追い込み脚質ながら、少しでも流れが速くなるようなら、直線では猛然と追い込んでくる。モタれ癖を見せずに前走快勝したように、間違いなく今が充実期。ここでも十分に通用する。

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