●エアカナリン(牝 栗東・藤原英昭 父ディープインパクト、母エポカブラヴァ)
　母の半姉Passing ShotはパーソナルエンスンH(米G1)の勝ち馬。母は未勝利馬だが、Relaunch 4×2をはじめ硬質なアメリカ血統で構成されている。

　母の父Point Givenは米G1を6勝し、米年度代表馬に選ばれた名馬。父ディープインパクトはこうしたタイプの肌馬から優れた芝向きの産駒を送り出せるのが強み。1600〜2000mがベスト。

●デルマハゴロモ(牝 美浦・堀井雅広 父フジキセキ、母ジェミードレス)
　NHKマイルC(GI)や毎日杯(GIII)で2着となったコティリオン(父ディープインパクト)の半妹。母ジェミードレスは府中牝馬S(GII)2着馬。

「フジキセキ×トニービン」という組み合わせは成功しており、ドリームパスポート、アルティマトゥーレ、フィールドベアー、ユメノシルシ、ウェディングフジコなどの活躍馬が出ている。フジキセキ産駒はマイル前後で良さを発揮するタイプが多いが、母の父にトニービンが入った場合、2000m以上を苦にしない子が目立つ。牝馬なので1800m前後が適距離か。

●ハギノアーク(牝 栗東・鮫島一歩 父アドマイヤムーン、母ハギノスプレンダー)
　半兄ハギノリベラ(父シルバーチャーム)はダート中距離でOPクラスまで出世した。母ハギノスプレンダーは桜花賞(GI)5着馬。

　父アドマイヤムーンは初年度産駒からレオアクティブ(11年京王杯2歳S-GII)、ファインチョイス(11年函館2歳S-GIII)、スノードン(11年萩S-OP)などを送り出しブレイクしている。最大の武器は素軽さと瞬発力。Mr.Prospectorクロスを持つパターンは悪くなく、ディクタス、ノーザンテーストといった血が入るのも好感が持てる。芝向きのマイラー。

●フレンチトウショウ(牝 栗東・領家政蔵 父フレンチデピュティ、母バージントウショウ)
　母バージントウショウは不出走馬ながら女傑スイープトウショウ(宝塚記念-GI、エリザベス女王杯-GI、秋華賞-GIなど6つの重賞を制覇)の半姉にあたる良血。繁殖牝馬としてはダートのOP特別を勝ったトウショウカズン(父クロフネ)を送り出している。

　2代父Deputy Ministerは母の父フジキセキと相性が抜群で、この組み合わせからカネヒキリ、ミラクルレジェンド、デグラーティア、カラフルデイズをはじめ多数の活躍馬が誕生している。本馬はこのパターンに当てはまるので期待十分。芝・ダート兼用のマイラーだろう。

●ムーンスカイ(牡 美浦・斎藤誠 父アドマイヤムーン、母シルバーレーン)
　6月24日という極端な遅生まれで、母が24歳時の産駒というダブルのハンディキャップを持つ。しかし血統は素晴らしい。ブラックホーク(01年安田記念-GI、99年スプリンターズS-GI)、ピンクカメオ(07年NHKマイルC-GI)、カウアイレーン(10年ターコイズS-OP)の半弟にあたる良血。

　父は素軽さと瞬発力を武器としており、母が少々重い血統でも走らせてしまう。母にRobertoが入るパターンにはセイクレットレーヴ(12年ジュニアC-OP・2着)がいる。File≒Chieftain 4×3もおもしろい。芝向きのマイラー。