ニューイヤーカップ(2月1日　浦和　サラ3歳　定量　南関東SIII　1600m)

「ニューイヤーカップ」は、南関東明け3歳馬による新年・初重賞。各年レベル差が大きく、とりわけ近年クラシックと直結しない傾向だが、少し歴史を遡れば、昭和59年キングハイセイコー、平成6年カネショウゴールド、同7年ヒカリルーファスがクラシックを勝っており、何より平成元年、あのロジータがこのレース優勝を出発点に、牝馬初の3冠を達成した。さて今年。昨暮れGI「全日本2歳優駿」、地方最先着(オーブルチェフの0.4秒差4着)を果たしたゴールドメダル(道営→大井転厩)が牡馬筆頭、対して層の厚い牝馬陣から、重賞実績のあるドラゴンシップ、アイキャンデイ、さらに新鋭リカチャンス、メイクアミラクルが登場する。むろんまだフルキャストではないが、ある程度先(勢力図)が見える、占えるレースにはなるだろう。ちなみに、現南関東で最も評価が高い牝馬2頭。エンジェルツイートは、2月22日「ユングフラウ賞」から3月21日「桜花賞」のステップ、一方エミーズパラダイスは、昨年クラーベセクレタ同様、牡馬路線を両睨み、調整しだいでは2月11日JRA
「クイーンカップ」挑戦の可能性もあると聞いた。

(1)…波乱含み。
　1人気〔1-2-3-4〕、2人気〔2-1-1-6〕、3人気〔2-0-0-8〕。重賞とするとこの数字はかなり低い。代わって4番人気が不思議なほ
ど強く〔4-2-1-3〕。

(2)…船橋優勢。
　船橋=6勝、2着3とリード。次いで川崎=3勝、2着3、大井=1勝、2着1。浦和=2着3も合格点だが、現実になかなか勝てない(昨年キスミープリンス=1人気2着)。

(3)…牝馬脈あり。
　過去10年〔2-2-1-13〕は、ユングフラウ賞とのメンバー分散を考えるときわめて優秀。ただし勝ち馬2頭はいずれも道営出身。完成度がモノをいった感も否めない。

(4)…好位差し。
　逃げ=3、先行=9、差し=7、追込=1。“追込”に分類した20年ゲンキチホマレも、向正面10番手から捲ったもの。好位からソツなく進める馬がやはり有利。

※データ推奨馬

◎ドラゴンシップ…船橋所属、牝馬ながら「ハイセイコー記念」「ローレル賞」、重賞2勝など実績上位。前走大敗は解せないものの、本来レース上手で、前々を進んで二の脚が繰り出せる。川島正行厩舎はこのレース2勝、鞍上・酒井忍Jも21年シャレーストーンで2着。今回あるいは“4番人気”にハマるかもしれない。

　　　　　　　☆　　　　　　　☆

　◎ゴールドメダル　　　56戸崎
　○グッドタイガー　　　56本橋
　▲リカチャンス　　　　54吉原
　△ドラゴンシップ　　　54酒井
　△メイクアミラクル　　54今野
　△アイキャンデイ　　　54的場文
　△ネオビバリー　　　　56繁田
　　コスモワイルド　　　56山田信
　　グラッツェーラ　　 54坂井
　　モリヤッコ　　　　　54町田

　牡馬ゴールドメダルの実績と地力を信頼した。前走GI「全日本2歳優駿」4着。致命的な出遅れを盛り返したオーブルチェフは別格にせよ、自身厳しい流れを先団追走、いわゆる“勝ちにいく”競馬で最後0.4秒差だから重みがある。遡って道営2勝も、新馬→イノセントカップ(当地重賞)とハイレベル。GOサインからの機敏な反応、馬混みにひるまないガッツなど、はっきり全国レベルを思わせた。今回大井転入、このパターンに実績のある鷹見厩舎から再スタート。事実、中間入念に乗り込まれ調整にも狂いがない。自在の競馬ができること、左回りも問題ないこと。父ゴールドヘイローはSS直仔(大井8戦5勝)、未完の大器。3年前このレースを制したモエレエターナルが印象深い。思えばネフェルメモリーの好敵手だった。同産駒メダルも、3歳春いったんピークを迎えるイメージがわく。

　相手本線にみたグッドタイガーは、道営1勝ながら転入後の充実に目を見張る。浦和→大井2連勝。いずれも道中じっくり構え、いざ追い出しての瞬発力が素晴らしかった。牝馬陣では、実績より、勢い、上昇度をとってリカチャンス。こちらもGタイガー同様、転入後の本格化が印象的で、前2走オープン相手の好走からも格下感は払拭している。同馬の父トワイニングは底力のある短～マイラー。すでに地方一流種牡馬の評価がある。ドラゴンシップ、アイアイキャンデイは、実績上位ながらいかにも前走負けすぎで、その敗因もはっきりしない。はたして芯の強さがあるのかどうか。今回正念場の見方になる。それなら、前走転入初戦で力強い末脚をみせたメイクアミラクル、初コースながら切れ味は見劣らないネオビバリー。ゴールドメダル中心は堅いとみたが、2～3着は、コスモワイルド、グラッツェーラあたりまで可能性がある。