芝向きのマイラーとして大成が期待できるコウチビジン
●コウチビジン(牝 美浦・奥平雅士 父フジキセキ、母ダンシングエディ)
母ダンシングエディはアメリカで芝9ハロンのG1を2勝した活躍馬。これが初子となる。母方にSlewpyが入るフジキセキ産駒は走っており、JRAで出走したわずか8頭からサダムパテック(11年弥生賞-GII、10年東スポ杯2歳S-GIII)、アドマイヤサガス(10年デイリー杯2歳S-GII・2着)、アサクサダンディ(08年ニュージーランドT-GII・3着)が出ている。また、父フジキセキと母の父Moscow Balletは同牝系で、Millicent 4×3というしゃれた牝馬クロスを持つ点もおもしろい。芝向きのマイラーとして大成が期待できる。
●ドラケンスバーグ(牡 栗東・池江泰寿 父フジキセキ、母アドマイヤハッピー)
全兄にキタサンアミーゴ(11年小倉記念-GIII・2着、11年ダイヤモンドS-GIII・3着)、半兄にウォータクティクス(父ウォーエンブレム/09年アンタレスS-GIII)がいる。母アドマイヤハッピーは年度代表馬エアグルーヴと4分の3同血という良血で、近親にはエガオヲミセテ、オレハマッテルゼ、ルーラーシップ、アドマイヤグルーヴなど、多数の活躍馬がひしめいている。兄同様の活躍を期待したい。
●ブラックウィドー(牝 栗東・小崎憲 父ネオユニヴァース、母ゼットマリア)
父ネオユニヴァースは昨年、芝44勝、ダート84勝という成績。ほぼダブルスコアでダートが上回った。今年も先週までの時点で芝3勝、ダート8勝。芝の長距離ヒッターからダートのアベレージヒッターへとキャラクターを変更しつつある。ブラックウィドーは母の父がパワー型のスピードを伝えるフォーティナイナーなので、まずダート向きと見て間違いない。父と相性のいいDanzigが入る点も前向きに評価できる。ダート向きで1400〜1800mあたりがベスト。
●マンハッタンミート(牝 栗東・河内洋 父マンハッタンカフェ、母ダノンエトランゼル)
母は1勝馬で、近親にもこれといって目立った活躍馬はいない。しかし、配合的には注目できる。父マンハッタンカフェはBlushing Groomと相性がよく、このパターンからヒルノダムール、メイショウクオリア、ベストメンバー、サンディエゴシチーなど多くの活躍馬が出ている。また、Mr.ProspectorとNijinskyを双方持つ繁殖牝馬とも相性がよく、このパターンからイコピコ、レッドアゲート、サンディエゴシチー、マンハッタンスカイ、エーシンモアオバーなどが出ている。本馬はこの両パターンを併せ持っているのでおもしろい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。
●レッドマリー(牝 美浦・小島茂之 父ダイワメジャー、母ルナジェーナ)
半兄ルナキッズ(父ダンスインザダーク)は先週京都の斑鳩S(準OP)を快勝し、6歳にして悲願のOP入りを果たした。母ルナジェーナはRaise a Native 3×3なのでコンスタントにスピードを伝えそうな繁殖牝馬。父ダイワメジャーは堅実なタイプなので、マイル前後で手堅く走るタイプとなりそう。パワーも秘めているのでひょっとしたらダート向きに出る可能性もある。