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共同通信杯、京都記念、クイーンC追い切り診断

  • 2012年02月09日(木) 18時00分
【栗東トラックマン情報】
◆日曜東京11R・共同通信杯
・ディープブリランテ
 今回と同じ舞台、東京スポーツ杯2歳Sでは圧倒的な強さで1着。当時の坂路での最終追い切りは4F52.2-1F12.1秒と抜群の動きを見せていた。それに比べての今回最終追い切り。計測はエラーになっているが、併せたタイセイファントムが4F54.9秒。これをもとに1馬身近く先着したゴール板での計算から4F54.7秒前後だと推測できる。馬場状態が違うとはいえ、ラスト1Fは14.0秒要しており、全体的にも終いもかなり遅い時計となった。今回は1月21日にノーザンFしがらきから帰厩して栗東での調教量は少ない。そのあたりが動きに影響したのではないかと考えると、前走時とはまったく違った結果になる可能性はある。

・ゴールドシップ
 ラジオNIKKEI杯2歳S2着後は栗東で次走弥生賞を目標に調整されていたが「具合が良すぎるので使うことにしました」(須貝尚介調教師)ということで共同通信杯への参戦が決まった。急遽の予定変更とはいえ、栗東に在厩して調教されていたため、調教量に関しては問題ないどこか多すぎるくらい。1週前には坂路でジャスタウェイと併せ馬を行うなど、意欲的に負荷を掛けた調教をこなしており、仕上がりに関してはまったく問題ない。最終追い切りには初騎乗となる内田博幸騎手が跨っての坂路での併せ馬。相手がシルクシュナイダーということがあり、追いつくのがやっとだったが、中身は出来ているだろう。

◆日曜京都11R・京都記念
・ウインバリアシオン
 菊花賞、ジャパンCと連戦の疲れを考慮されて、前走後はすぐに放牧に出ており、ノーザンFしがらきから帰厩したのが1月12日。翌週には坂路で時計を出し始めており、調教は標準的な量をこなしてきた。ただ気になるのはその中身。本馬の場合、最終追い切りでCW6F80秒前後の時計が好走の目安。仮に最終追い切りでその時計が出なくても、1週前追い切りでそれに近い時計があれば問題ない。しかし今回は1週前、最終追い切りどころか、中間にこの時計より速い追い切りはない。本馬にとってトライアル的要素の強いレースだけに、余裕を持った仕上げは当然だろうが、それだけに他馬に付け入る隙も十分にある、そんな仕上げだろう。

・ヒルノダムール
 前走有馬記念は海外遠征帰りの疲労などを心配していたが、栗東での調教も十分に積み、最終追い切りでは坂路の併せ馬できっちり先着して仕上がりの良さをアピール。その結果、勝ち馬から0.4秒差の6着とまとまった着順で帰国緒戦を終えた。レース後も在厩のまま調整が続けられており、その量に関してはまったく問題ない。中間にはCWで併せ馬を消化しており、持ったままの手応えで相手を突き放すなど、動きの良さは有馬記念時よりも目立っていた。それだけに最終追い切りの坂路での併せ馬には正直驚いた。馬場が悪かったことが最大の要因だろうが、先行したオーシャンフリートを交わすことなく、1馬身も遅れてゴール。ちなみにデビュー以来、最終追い切りの併せ馬で遅れたことは一度もない。走りにくい馬場に嫌気を差したのだろうが、これが実戦に影響しないかそれだけが心配。

◆土曜東京11R・クイーンC
・ヴィルシーナ
 前走エリカ賞は好枠を活かし先行しての押し切り。5着に封じ込めたヒストリカルが先週のきさらぎ賞2着という結果から、牝馬ながらに牡馬相手でも通用する能力の高さを見せたことは明らかだろう。今回は1月11日にノーザンFしがらきから帰厩して、CWとDP、そして坂路を併用した入念な仕上げ。最終追い切りは坂路だったが、先行していたアドマイヤレイになんとか追いついたところがゴール。4F54.7-1F13.6秒と時計が掛かっているが、もともと坂路で速い時計を出した経験がないだけに、重たい馬場も考慮すればこんなものだろう。むしろ長距離輸送があるにも関わらず、これだけ攻めた調教内容を評価すべきで、当日落ち着いた気配を見せて馬体重の増減もなければ力を出せるはず。

【美浦トラックマン情報】
◆日曜東京11R・共同通信杯
・アーカイブ
 前走ジュニアC5着は出遅れ、流れが落ち着いたこともあり完全に脚を余した戦いでのもの。それでも上がり3F33.9秒の脚は目立っており、オープンに入っても力負けはないはず。今回は中4週レース間隔があいたが、1週前追いの2日に併せ馬でハードな内容を消化しており、9日の最終追い切りは終い重点にキチッと追ってきた。稽古は動かないタイプで、3頭の真ん中で伸び脚を欠いたが、4F53.0-3F38.4-1F12.9秒の時計が出ており、時計的にはこれで十分。デビュー戦のケタ違いの末脚を見る限りは明らかに東京向き。多少の出遅れなら取り戻せる直線の長さも大きな味方。強敵相手の一戦だが、終いの決め手比べになればヒケは取らない。ジックリ構えて直線勝負に徹すればチャンス十分。

◆日曜東京9R・大島特別
・キングスリージョン
 前走の1000万下。馬体が絞れず追ってからの不安を残す仕上げだったが、4コーナーで最後方になってしまう形になりながらも、直線は大外から素晴らしい伸びを見せて3着。終いの鋭い切れ味が身上で、馬体さえ絞れれば…を感じさせた内容。今回は、そのために中1週と、間隔を詰めての出走。追い切りこそウッドで5F69.3-上がり40.7秒とセーブしたが、今度は筋肉も締まって馬体のハリのよさは目を引いた。平均ペース以上なら差し切り濃厚。

◆土曜京都11R・アルデバランS
・エアマックール
 賞金がらみで除外になってしまうことが多く、なかなか適条件を使えずにいるが、今回はベストと思えるダートの1900メートル戦。距離不足の前走は出遅れたこともあって流れに乗れずに終わってしまったが、今回は本来の好位差しの形をとることができそうだ。重賞クラスになると、見せ場止まりで終わってしまうこともあるが、オープン特別となれば話は別。2週続けて後藤騎手が乗ってキッチリと併せ馬を消化(レースでは田中学騎手)。体調も間違いなく上向いている。

◆土曜東京9R・調布特別
・アッパーイースト
 1月末から坂路とポリトラックを併用し、入念な乗り込みを消化。今週はポリトラックで69.2-38.8秒、馬なりのエネアドにいったんは抜かれかけたが、目一杯に追って1馬身の先着。脚いろ的には褒められる内容ではないが、稽古でズブさを見せるようになり、あまり動かなくなっている事を踏まえれば、大きな進境。動きに重苦しさがあるわけではなく、不安のない状態が整っている。東京スポーツ杯6着、弥生賞5着と1000万クラスでは実績断然の馬。多少のズブさも東京コースならそれほど心配にはならず、素質の違いを見せつけてくる。

・サトノエンペラー
 ロックバルーン、3歳キャノンシュートを内から追走して、そのまま遅れの形になったが、鞍上の青木騎手が持ったままの手応え。動きが素軽いし、首をグッと下げて好気合。大型馬だけに、2年以上の体み明けになった4走前は完調手前と思えたが、1戦ごとに状態が良化。今週の状態なら、そろそろ本領を発揮しそうな気配。青葉賞で差のない競馬をした実力は、ここでは断然上位だ。

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