ディープインパクトのニックス配合スモーキーヴォイス
●アサクサマジック(牡 美浦・藤沢和雄 父ホワイトマズル、母カラフルトーク)
母カラフルトークはセイレーンズソング(03年フラワーC-GIII・3着)の全姉で、現役時代に3勝を挙げた。「ホワイトマズル×サンデーサイレンス」はアサクサキングス、シャドウゲイト、シルポート、シンゲンなど高確率で活躍馬が出現しているニックス。芝向きの中距離タイプとして大成を期待したい。
●イッセイダイヤ(牝 栗東・鮫島一歩 父ゼンノロブロイ、母ミルダイヤ)
「ゼンノロブロイ×ヘクタープロテクター」はフローラS(GII)2着、オークス(GI)3着のアグネスワルツと同じ。母の父にヘクタープロテクターが入ることでマイニング≒Woodman 3×3が生じるだけでなく、父と相性抜群の Riverman が入る点が好ましい。母には Riverman≒Mill Reef 3×3があるので、Riverman の効果はより大きいだろう。芝・ダート兼用のマイラー。
●スカルラット(牝 美浦・矢野照正 父オペラハウス、母チャップ)
「オペラハウス×ダンシングブレーヴ」という組み合わせ。これは日本ダービーを含めてGIを4勝したメイショウサムソンと同じ。メイショウサムソンの場合、2代母がNasrullah3×4で、この部分がスピード面の担保となっていたが、本馬の場合は2代母がフォーティナイナー×Danzigというアメリカ型のスピード血統。したがって、スピードの質がやや硬く、ダートもこなせるタイプに出そうだ。
●スモーキーヴォイス(牝 美浦・松山康久 父ディープインパクト、母ファミリーバイブル)
母ファミリーバイブルは現役時代2戦1勝。その全兄Silgo Bayはアメリカで芝12ハロンのハリウッドターフC(G1)を制している。本馬と4分の3同血の関係にあるダノンバラードはラジオNIKKEI杯2歳S(GIII)を勝った。2代母Angelic SongはGlorious Song、Devil's Bag、Saint Balladoと全きょうだいで、父ディープインパクトはこれらの血ときわめて相性がいい。母方にこれらのどれかを持つディープインパクト産駒は、JRAで出走したわずか6頭から、前出のダノンバラードを含めてフレールジャック、アダムスピーク、ヴィルシーナと4頭の重賞勝ち馬を誕生させている。このほか、渡仏したBarocciとBeauty Parlourの兄妹も非凡な能力を披露している。明確にニックスといえる配合だ。母の父Sadler's Wellsの鈍重さが出なければ楽しみが大きい。
●タニノユニヴァース(牝 栗東・日吉正和 父ネオユニヴァース、母ベネヴェント)
母ベネヴェントはアドマイヤマックス(05年高松宮記念-GI)の半姉で、現役時代に芝中距離で3勝を挙げた。2代母ダイナシュートは重賞3勝の活躍馬。「ネオユニヴァース×トニービン×ノーザンテースト」の組み合わせは、少ないサンプルからネオヴァンドーム、トーセンファントム、ジョーメテオなどの良駒が出ているので評価できる。芝向きの中距離タイプ。